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二十四話
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妖精の谷から帰ってきたアタシ達はすっかり疲れ切っていた。体も冷えてなんだか重たいし、まだ明け方だから、眠くて頭もボーッとしている。
もう、すぐにでも温かいベッドに入って休みたかったけど、ラセルカちゃんは先に月泉で薬を調合したいようだった。
ラセルカちゃんのお母様の体調はどんどん悪くなっていっているみたいだし、時間との勝負なのは間違いない。ルイーダ様から薬の調合の方法は教わってきている。一回でそれを覚えてしまっているラセルカちゃんの記憶力もすごい。
「お姉、疲れてるのにごめんなさい」
ラセルカちゃんが月泉をすり鉢に入れて麺棒(専用の道具なんてあるはずもなく)でゴリゴリしながら謝ってきた。アタシは笑う。
「疲れてるのはラセルカちゃんもでしょ。そうだ、温かいお茶を淹れるね」
「ありがとう」
アタシは熱くて甘いお茶を淹れた。ラセルカちゃんが作業の合間にふう、と息をつく。薬の調合をするには正確さが何よりも重要だ。今回の薬は月泉以外にも、滋養に効くという薬草がたっぷり入っている。
味は多分、美味しくない。でも効き目は抜群だと思う。しばらくして最後にラセルカちゃんは、更に効き目が増すという妖精の谷から湧いてきていた水をすり鉢に投入していた。更にそれを麺棒で混ぜる。月泉が液体に変化していく。それが不思議なところだとルイーダ様も言っていた。
「で、出来たぁ」
ラセルカちゃんは薬液を煮沸した瓶に注いだ。瓶が緑になる。なかなか強烈な色だ。
ラセルカちゃんは飲み方を書いた手紙と共に薬を魔法でお母様に送っていた。
「薬がよく効くといいね」
「うん。お姉、本当にありがとう」
ラセルカちゃんがペコッと頭を下げてくる。さあ、今日は溜まった課題を片付けなきゃ。
「少しだけでも眠りましょう」
「うん、疲れたね」
アタシとラセルカちゃんはベッドに入るなりすぐに眠っていた。
✢✢✢
ま…眩しい。これにデジャビュを感じるのはアタシだけ?
起き上がるとラセルカちゃんが窓際で泣いている。アタシは彼女の傍に慌てて近寄った。
「ラセルカちゃん?大丈夫?」
「お姉」
ラセルカちゃんの大きな琥珀色の瞳からポロポロ涙が流れている。
「お兄から返事が返ってきたの。
お母さん、お薬を飲んだら体が少し楽になったって」
「良かった!」
ラセルカちゃんは涙をぐい、と拭った。
「お兄がラセルカ達に優しくしてくれて嬉しい」
「うん、ルトさんいい人だよね」
「ずっとお仕事だったって。世界中を飛び回っていたみたい」
「すごいね!」
ラセルカちゃんが嬉しそうにルトさんと話した内容を教えてくれた。魔法って本当に便利だな。アタシにも使えるかもしれないって思うとちょっと期待しちゃうな。
もう、すぐにでも温かいベッドに入って休みたかったけど、ラセルカちゃんは先に月泉で薬を調合したいようだった。
ラセルカちゃんのお母様の体調はどんどん悪くなっていっているみたいだし、時間との勝負なのは間違いない。ルイーダ様から薬の調合の方法は教わってきている。一回でそれを覚えてしまっているラセルカちゃんの記憶力もすごい。
「お姉、疲れてるのにごめんなさい」
ラセルカちゃんが月泉をすり鉢に入れて麺棒(専用の道具なんてあるはずもなく)でゴリゴリしながら謝ってきた。アタシは笑う。
「疲れてるのはラセルカちゃんもでしょ。そうだ、温かいお茶を淹れるね」
「ありがとう」
アタシは熱くて甘いお茶を淹れた。ラセルカちゃんが作業の合間にふう、と息をつく。薬の調合をするには正確さが何よりも重要だ。今回の薬は月泉以外にも、滋養に効くという薬草がたっぷり入っている。
味は多分、美味しくない。でも効き目は抜群だと思う。しばらくして最後にラセルカちゃんは、更に効き目が増すという妖精の谷から湧いてきていた水をすり鉢に投入していた。更にそれを麺棒で混ぜる。月泉が液体に変化していく。それが不思議なところだとルイーダ様も言っていた。
「で、出来たぁ」
ラセルカちゃんは薬液を煮沸した瓶に注いだ。瓶が緑になる。なかなか強烈な色だ。
ラセルカちゃんは飲み方を書いた手紙と共に薬を魔法でお母様に送っていた。
「薬がよく効くといいね」
「うん。お姉、本当にありがとう」
ラセルカちゃんがペコッと頭を下げてくる。さあ、今日は溜まった課題を片付けなきゃ。
「少しだけでも眠りましょう」
「うん、疲れたね」
アタシとラセルカちゃんはベッドに入るなりすぐに眠っていた。
✢✢✢
ま…眩しい。これにデジャビュを感じるのはアタシだけ?
起き上がるとラセルカちゃんが窓際で泣いている。アタシは彼女の傍に慌てて近寄った。
「ラセルカちゃん?大丈夫?」
「お姉」
ラセルカちゃんの大きな琥珀色の瞳からポロポロ涙が流れている。
「お兄から返事が返ってきたの。
お母さん、お薬を飲んだら体が少し楽になったって」
「良かった!」
ラセルカちゃんは涙をぐい、と拭った。
「お兄がラセルカ達に優しくしてくれて嬉しい」
「うん、ルトさんいい人だよね」
「ずっとお仕事だったって。世界中を飛び回っていたみたい」
「すごいね!」
ラセルカちゃんが嬉しそうにルトさんと話した内容を教えてくれた。魔法って本当に便利だな。アタシにも使えるかもしれないって思うとちょっと期待しちゃうな。
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