男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ

文字の大きさ
上 下
38 / 52

課題完了!

しおりを挟む
楽しみにしていたお盆も終わり、樹と克樹は夢プロの寮に戻ってきていた。
風は既に帰ってきていて、2人を出迎えてくれた。風はこのお盆の間、課題を全て終えたらしい。
樹や克樹もお盆の間頑張ったが、まだもう少し残っている。
健悟や真城、楓の姿も見かけた。
疾風も寮に居るようだ。

朝食を食べ終えた樹は、克樹と共に部屋で課題を進めていた。

「やだー!もうやだー!!英語嫌いー!」

始めて15分も経たないうちに克樹が駄々をこね始める。

「かっちゃん、リスニング得意なのに」

耳の良い克樹の特技の一つだ。

「英語が聞き分けられるのと勉強は別だもん!
ねえいっくん、休憩していい?」

「あと三問やってからね」

「鬼!」

そんなやりとりをしていると風が笑い始めた。

「長い休みが明ける度に思うんだけど、2人のやりとり本当に笑える」

「そりゃ風は課題が終わって余裕だからでしょー!こっちは死活問題なの!」

そんな克樹にまた風が笑っている。

「兄貴、どんどん問題を解く」

「ひゃい」

ようやく最後の問題に入った。
樹はノートを見ながら解き方を確認する。

「ねー、風ー。ここ教えてよー」

「いいよ」

克樹には少なくても一人は誰かがついていた方がいいようだ。
克樹は好奇心が強い。そのせいかちょっと危なっかしい一面もある。
今、克樹は風に英語の文章の作り方を説明してもらっている。
克樹はすぐ理解して問題を解き始めている。

「よし、完了」

樹は思い切り腕を伸ばした。
英語の課題はこれでおしまいだ。
残るは小論文だった。

テーマは「今後の学生生活について」である。この学校は普通の学校とは違う。
ここに通っている生徒の将来の進路は芸能関係の職に進むことだ。
それ以外の進路を選ぶ者も、もちろんいるが、大抵はメディア関連に属する仕事に就く。

樹はまず大まかに書く内容をノートに書き出した。この前、楓から小論文の書き方のこつを教わった。それを今活かす時だ。

「いっくんの課題、それが最後?」

そう尋ねられて、樹は頷いた。

「わー、俺も頑張らなきゃー!」

「頑張れ!かっちゃん!」

樹は夢を目指したきっかけから始まり、曲作りで散々苦労したことを書くことにした。
そしてここに来るまでの間、色々な人に助けられたこともだ。

(これからどうなりたいかじゃない。俺は必ずプロデューサーになるんだ。それ以外は捨てよう)

もう自分の進むべき道は決まっている。
出来る事は、夢に向かってひたすら邁進することなのである。
周りを見渡してばかりでは前に進めないのだから。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!

柑橘
BL
王道詰め合わせ。 ジャンルをお確かめの上お進み下さい。 7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです! ※目線が度々変わります。 ※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。 ※火曜日20:00  金曜日19:00  日曜日17:00更新

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

親衛隊は、推しから『選ばれる』までは推しに自分の気持ちを伝えてはいけないルール

雨宮里玖
BL
エリート高校の親衛隊プラスα×平凡無自覚総受け 《あらすじ》 4月。平凡な吉良は、楯山に告白している川上の姿を偶然目撃してしまった。遠目だが二人はイイ感じに見えて告白は成功したようだった。 そのことで、吉良は二年間ずっと学生寮の同室者だった楯山に自分が特別な感情を抱いていたのではないかと思い——。 平凡無自覚な受けの総愛され全寮制学園ライフの物語。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

処理中です...