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ソータがこの学校に来てから、もう10日が経過している。
「ソータナレア様、このたまご、何が生まれるの?」
子どもたちはすっかりソータに懐き、慕ってくれるようになっていた。
「…真龍?かな?」
言っていいものかどうか判断できず、それでもソータが呟くと、子どもたちが一斉に後ずさった。
「ソータナレア様、真龍のたまごを預かってるの?」
召喚術士の少女はキミカといった。
「すげえ!さすがソータナレア様!」
興奮気味に言うのはエンテイである。体の大きさと得意な炎魔法を生かした豪快な攻撃を特徴としている。
「真龍の赤ちゃん…?」
ユメがぽつりと呟いた。活発なキミカとは真逆の大人しい少女である。だが、彼女に秘められた能力は高い。
「生まれたらどうするの?」
コタロウが尋ねてくる。ソータもその質問は最もだと頷いた。
「まだはっきりとは分からないけれど、まずは無事に生まれてきてくれれば…」
ふとソータたちは気が付いた。教室の外で誰かが言い争っているのだ。それを仲裁する声も聞こえてくる。何事かとソータたちは教室から出た。
「ソータとピクニックに行くくらいいいだろう!」
「ソータナレア様はお忙しいのです!」
言い争っているのはパペとハ・デスだ。それをサラがまあまあと宥めている。キメルは沈黙を貫いていた。
「ピクニック…ですか?」
ソータが声を掛けると、ハ・デスが振り返り、得意そうに言った。
「ソータ、この僕とピクニックに行けるんだ!嬉しいだろう!!」
「皆で行きたいのです!」
「え」
ソータの言葉に皆も固まる。
「ソータナレア様、いいのですか?」
パペが尋ねてくる。
「もちろん!絶対に楽しいのです!私、お弁当を作ってみたかったの!」
「ソータの作った弁当か…」
サラが楽しそうに笑う。
「人間、お前の分はない」
「こら、キメル。意地悪はよくないよ!」
ソータがキメルを叱るとしゅんとする。サラが笑った。
「よし、俺も手伝うよ、弁当作り!」
「私にもお手伝いさせてください」
パペもすかさず言う。
「でも、どこにピクニックに行くの?」
ユメの言うことは最もだ。中央都市は今、ほとんどが崩落してしまっている。
「大丈夫なのです。飛空艇をシヴァ様からお借りしましょう」
パペにソータが目線で問うと、彼が頷いてきた。
「もちろんそれは構いません」
「あら、楽しそうね」
「シヴァ様!」
ふらり、とシヴァが現れた。どうやらずっと話を聞いていたらしい。
「皆でピクニックに行こうと話していたのです」
「あらぁ、いいじゃない!それなら原石を探してきてくれる?」
「原石…ですか?」
原石をもつ魔物がいることにはいる。つまりシヴァは子どもたちに実戦を経験して欲しいと思っているということだ。
「この子たちも随分強くなったし、すぐ集まるわよ。とりあえず100個お願いね!じゃ!」
シヴァは言いたいことだけ言うとすぐいなくなってしまった。
「100個も集まるか?」
ハ・デスが首を傾げている。パペが口を開く。
「それならトタン鉱山に行ってみましょうか。ツルハシで鉱脈を掘れば戦闘だけでなく、原石を入手可能です」
「トタン鉱山って火山だよね!」
「初めて行くな!」
「皆さん、当日のためにしっかり準備をしましょう」
「はい!!」
ソータの声掛けに子どもたちが元気よく返事をする。こうして休みの日にピクニックに行くことが決まったのだった。
✢✢✢
「ソータナレア様、おはようございます。いよいよ明日ですね」
朝、着替えて部屋を出るとパペがいた。毎日こうなので、ソータも慣れてきている。
「おはよう、パペ。これ」
ソータは冊子をパペに手渡した。
「これ、ピクニックのしおりですか?」
「うん、鉱山には危険な魔物がいるから注意事項をまとめてみたの」
パペがしおりをパラパラと捲り始める。
「わかりやすいですね。ソータナレア様、さすがです!」
「おやつを今日の放課に皆で買いに行きたいんだけど、時間あるかな?」
「もちろんお供します!」
「俺も行く」
キメルがいつの間にかソータのすぐ後ろを歩いていた。
「良かった」
ソータたちは食堂を目指した。最近ソータは、素揚げの野菜がたっぷり載ったカレーライスにハマっている。肉は食べられないが野菜ならなんでも食べられる。このメニューはソータの一番の大好物だった。
「ソータナレア様、おはようございます。今日もいつもの?」
厨房には数人の女性たちが働いている。聞いてきてくれたスタッフにソータは笑って頷いた。
「はい!カレーライスを頂きたいのです」
食事を摂りながらソータたちは中央都市の現状について話し合った。人は脆い部分もあるが、それに負けない強い意志を持つ者も多い。復興のため、あちらこちらからボランティアも来ているようだ。抉られていた道が少しずつ整えられ、舗装されてきているのをソータも見た。
「すごいですね!確実に中央都市が復興してきてます」
「ソータナレア様を目当てに来る神々が物資を持ってやって来るんです」
パペが困ったように言った。ソータもえ?と固まってしまう。
「私に会いに?」
「ソータの前聖女は神々に優しかったからな。いつも誰かが遊びに来ていたよ」
「おばあさまが…キメルもそうなのですか?」
「俺は小さいソータを守るように言われた。ソータは活発だったからあちこち走り回って転んで泣いていた」
「は、恥ずかしいのです」
「ソータナレア様はお転婆だったんですね」
パペが言う。彼の表情は相変わらず無表情だったが、その声音には優しさが入り混じっているような気がする。
「おはよう、ソータ」
「サラ先生、おはようございます。あ、これを渡しておきますね」
ソータは立ち上がってパペに渡したものと同じ冊子を差し出した。
「お、しおりか。懐かしいな。ソータが作ったのか?」
「はい。トタン鉱山は危険な場所なのです」
「そんなにか?途中までバスが走ってるんじゃ…」
サラの言い分は間違っていない。
「私たちが向かうのはトタン鉱山の奥なのです。魔物がうろついていますから」
「それ、もうピクニックじゃないな?」
サラが笑う。
「ま、いいや。行ってみようぜ」
「僕にもしおりをくれ!」
ハ・デスが泣きながら詰め寄ってきた。
「ソータナレア様、このたまご、何が生まれるの?」
子どもたちはすっかりソータに懐き、慕ってくれるようになっていた。
「…真龍?かな?」
言っていいものかどうか判断できず、それでもソータが呟くと、子どもたちが一斉に後ずさった。
「ソータナレア様、真龍のたまごを預かってるの?」
召喚術士の少女はキミカといった。
「すげえ!さすがソータナレア様!」
興奮気味に言うのはエンテイである。体の大きさと得意な炎魔法を生かした豪快な攻撃を特徴としている。
「真龍の赤ちゃん…?」
ユメがぽつりと呟いた。活発なキミカとは真逆の大人しい少女である。だが、彼女に秘められた能力は高い。
「生まれたらどうするの?」
コタロウが尋ねてくる。ソータもその質問は最もだと頷いた。
「まだはっきりとは分からないけれど、まずは無事に生まれてきてくれれば…」
ふとソータたちは気が付いた。教室の外で誰かが言い争っているのだ。それを仲裁する声も聞こえてくる。何事かとソータたちは教室から出た。
「ソータとピクニックに行くくらいいいだろう!」
「ソータナレア様はお忙しいのです!」
言い争っているのはパペとハ・デスだ。それをサラがまあまあと宥めている。キメルは沈黙を貫いていた。
「ピクニック…ですか?」
ソータが声を掛けると、ハ・デスが振り返り、得意そうに言った。
「ソータ、この僕とピクニックに行けるんだ!嬉しいだろう!!」
「皆で行きたいのです!」
「え」
ソータの言葉に皆も固まる。
「ソータナレア様、いいのですか?」
パペが尋ねてくる。
「もちろん!絶対に楽しいのです!私、お弁当を作ってみたかったの!」
「ソータの作った弁当か…」
サラが楽しそうに笑う。
「人間、お前の分はない」
「こら、キメル。意地悪はよくないよ!」
ソータがキメルを叱るとしゅんとする。サラが笑った。
「よし、俺も手伝うよ、弁当作り!」
「私にもお手伝いさせてください」
パペもすかさず言う。
「でも、どこにピクニックに行くの?」
ユメの言うことは最もだ。中央都市は今、ほとんどが崩落してしまっている。
「大丈夫なのです。飛空艇をシヴァ様からお借りしましょう」
パペにソータが目線で問うと、彼が頷いてきた。
「もちろんそれは構いません」
「あら、楽しそうね」
「シヴァ様!」
ふらり、とシヴァが現れた。どうやらずっと話を聞いていたらしい。
「皆でピクニックに行こうと話していたのです」
「あらぁ、いいじゃない!それなら原石を探してきてくれる?」
「原石…ですか?」
原石をもつ魔物がいることにはいる。つまりシヴァは子どもたちに実戦を経験して欲しいと思っているということだ。
「この子たちも随分強くなったし、すぐ集まるわよ。とりあえず100個お願いね!じゃ!」
シヴァは言いたいことだけ言うとすぐいなくなってしまった。
「100個も集まるか?」
ハ・デスが首を傾げている。パペが口を開く。
「それならトタン鉱山に行ってみましょうか。ツルハシで鉱脈を掘れば戦闘だけでなく、原石を入手可能です」
「トタン鉱山って火山だよね!」
「初めて行くな!」
「皆さん、当日のためにしっかり準備をしましょう」
「はい!!」
ソータの声掛けに子どもたちが元気よく返事をする。こうして休みの日にピクニックに行くことが決まったのだった。
✢✢✢
「ソータナレア様、おはようございます。いよいよ明日ですね」
朝、着替えて部屋を出るとパペがいた。毎日こうなので、ソータも慣れてきている。
「おはよう、パペ。これ」
ソータは冊子をパペに手渡した。
「これ、ピクニックのしおりですか?」
「うん、鉱山には危険な魔物がいるから注意事項をまとめてみたの」
パペがしおりをパラパラと捲り始める。
「わかりやすいですね。ソータナレア様、さすがです!」
「おやつを今日の放課に皆で買いに行きたいんだけど、時間あるかな?」
「もちろんお供します!」
「俺も行く」
キメルがいつの間にかソータのすぐ後ろを歩いていた。
「良かった」
ソータたちは食堂を目指した。最近ソータは、素揚げの野菜がたっぷり載ったカレーライスにハマっている。肉は食べられないが野菜ならなんでも食べられる。このメニューはソータの一番の大好物だった。
「ソータナレア様、おはようございます。今日もいつもの?」
厨房には数人の女性たちが働いている。聞いてきてくれたスタッフにソータは笑って頷いた。
「はい!カレーライスを頂きたいのです」
食事を摂りながらソータたちは中央都市の現状について話し合った。人は脆い部分もあるが、それに負けない強い意志を持つ者も多い。復興のため、あちらこちらからボランティアも来ているようだ。抉られていた道が少しずつ整えられ、舗装されてきているのをソータも見た。
「すごいですね!確実に中央都市が復興してきてます」
「ソータナレア様を目当てに来る神々が物資を持ってやって来るんです」
パペが困ったように言った。ソータもえ?と固まってしまう。
「私に会いに?」
「ソータの前聖女は神々に優しかったからな。いつも誰かが遊びに来ていたよ」
「おばあさまが…キメルもそうなのですか?」
「俺は小さいソータを守るように言われた。ソータは活発だったからあちこち走り回って転んで泣いていた」
「は、恥ずかしいのです」
「ソータナレア様はお転婆だったんですね」
パペが言う。彼の表情は相変わらず無表情だったが、その声音には優しさが入り混じっているような気がする。
「おはよう、ソータ」
「サラ先生、おはようございます。あ、これを渡しておきますね」
ソータは立ち上がってパペに渡したものと同じ冊子を差し出した。
「お、しおりか。懐かしいな。ソータが作ったのか?」
「はい。トタン鉱山は危険な場所なのです」
「そんなにか?途中までバスが走ってるんじゃ…」
サラの言い分は間違っていない。
「私たちが向かうのはトタン鉱山の奥なのです。魔物がうろついていますから」
「それ、もうピクニックじゃないな?」
サラが笑う。
「ま、いいや。行ってみようぜ」
「僕にもしおりをくれ!」
ハ・デスが泣きながら詰め寄ってきた。
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