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「ふぁぁ、眠たいのです」
ソータたちはセキヒのシオウの家に戻って来ている。
キメルは外見が目立つという理由から街の外で待機することになった。彼は普通の馬にしては巨大すぎるのである。その上、額から、美しい群青色の角が生えていることも理由の一つだ。ソータはキメルが人型になれることを知らない。キメルも敢えて言わなかった。今はもう夕方だ。ヤム島は凉しかったが、セキヒは暑い。
「俺たちもなんだかんだ眠れてないからなぁ。シオウも休まなきゃ駄目だぞ」
エンジに構わずシオウはどこにそんな体力が残っていたのかという程、黙々と文字を書いている。おそらく論文だ。
「シオウの電源が入っちゃったね」
レントが呆れたように呟いて、その場に寝転んだ。
「あー、本当疲れたー」
エンジも同様に横になる。ソータはソファの上で横になり、もう夢の中だった。
✢✢✢
ソータは森にいた。もちろん、馴染みの聖域の森である。
「キメルー」
ソータは少し不安になって友人の名を呼んだ。キメルがいるからこそ、この森はできている。
「ブルル…」
「キメル!!」
キメルが駆け寄ってくる。そして鼻先をソータに擦り付けてきた。
「ふふ、キメル。くすぐったいよ」
キメルがじっとソータを見つめてくる。何か大事な話があるのだとソータはその時、悟った。ここ、セキヒに来るまで色々あった。自分たちの行動で、世界のざわめきがますます大きくなったのは間違いない。
キメルと話す時はいつも思念伝達の魔法を使う。ソータはキメルのたくましい首に触れた。
「ソータ、闇神が動き始めている」
「どうして…過去に封印されたんじゃ?」
「人間の誰かが封印を解いたようだ。どうせ闇神に甘いことを囁かれたんだろうよ」
「甘いこと?」
ソータが首を傾げると、キメルは頷く。
「人間は愚かだ。自分の利得のためにリスクを平気でおかす。どうせ簡単に大金が手に入るだとか、意中の人間が振り向いてくれるだとか、夢みたいな話をされたんだろうよ」
「キメル、人間は弱いの。そうでなければ武装をして森に入っては来ない」
「ソータは優しいな。だが、そいつらがしたことによって他の者も災いに巻き込まれる。そう、中央都市で起きていることも恐らく関係している。中央都市だけじゃない、世界全体でこれから何かが起きようとしている」
「キメルはなんでも知っていてすごいね」
ソータはキメルの胴に自分の体をもたれかけた。キメルはそっとソータの跳ねた薄紫の髪の毛を鼻先でくすぐる。
「ソータ、俺が最初から一緒に付いて行けば…」
「キメルはいつも過保護なんだから。確かに世界は厳しかったけど」
「…」
黙ってしまったキメルの背をソータは撫でる。
「今はキメルも一緒なんだし、どんと宝船に乗ったつもりでいて?」
「ソータの宝船…不安だ」
「キメルー!」
ソータはキメルの脇をくすぐった。二人はもつれあってその場に倒れ込んでいた。ソータはキメルを見つめながら言う。
「ねえキメル。私がもし聖女じゃなかったら、みんなに出会えていないんだよ。最近すごくそう思うの」
「ソータはどんな生まれであってもこうなっていた。出会いは必然だ」
「キメルの言ってること、時々難しくてよく分からない」
「そんなに難しいことは言っていないつもりだが…」
クラクラしているソータにキメルは噴き出すのを堪えながら言った。
「ソータ、油断するなよ。闇神はどこにでも潜んでいるからな」
「承知」
ソータが目を開けると、辺りは暗かった。カーテンのかかった窓から月明かりが射し込んでいる。カリカリという音に気を取られてそちらを見ると、シオウがペンをひたすら動かしている。彼の手元には光源魔法のかかったランプが置かれている。ソータはそうっと起き上がり、彼のそばへ忍び寄った。
「シオウ様?」
「わ!」
ソータの気配を消す技は野生の動物並だ。聖域に幼い頃から暮らし、いつの間にか身についていたものである。
「驚いた。ソータさんか」
「少しお休みになられては?」
「そうだね。一区切りついたし、珈琲でも淹れようか」
「珈琲?」
「あ…もしかして、飲んだことない?」
ソータがこくりと頷くとシオウが笑った。ランプを片手にキッチンに向かう。ソータもその後を追った。シオウが水の入ったやかんを炎熱魔法の宿ったコンロに置くと火が勝手に点いた。
「ソータさんのはカフェオレにしようね」
「カフェ…おれ?」
シオウが取り出したのは粉末のミルクだった。長持ちするのが売りの有名メーカーのものだ。
「これ、粉だけどお湯で溶かすと結構美味しいミルクになるから。もちろん、カフェオレにしても美味しいよ」
「楽しみなのです!」
しばらくしてお湯が湧いたらしい。やかんがシュンシュンと湯気を立て、沸騰を報せてくる。シオウが手際よくカップに粉末の珈琲を入れ、お湯を注ぐ。ソータの分にはそれにミルクと砂糖もプラスして入れた。
「ソータさんの分だよ」
「ありがとうございます」
ソータは恐る恐るカフェオレを飲んでみた。シオウの出してくる飲み物は初めてのものが多い。
「あ!苦いけど美味しい…甘いのです」
ソータはすっかり気に入って夢中になって飲んだ。
「喜んでもらえて良かった。カフェインは眠気覚ましにいいんだ。でも摂り過ぎは体に毒だから気を付けてね」
「そうなの…」
ソータは視線を感じて振り返った。
「き…キメル?!」
キメルがギラつく目で窓からこちらを覗いている。それは恐怖以外のなんでもない。
「お腹が空いたのかな?」
シオウがのんびり言う。だが、それは絶対に違うとソータには分かっている。キメルはどうやら怒っているらしい。それが何故かはソータにも分からなかった。
「ちょっと行ってくるのです」
「うん、私は論文を書いているからね」
「承知しました」
ソータは家から出た。キメルが颯爽と駆け寄ってくる。ソータはそこで獅子の言葉を思い出していた。キメルが自分を好きでいてくれているという言葉を。
ソータたちはセキヒのシオウの家に戻って来ている。
キメルは外見が目立つという理由から街の外で待機することになった。彼は普通の馬にしては巨大すぎるのである。その上、額から、美しい群青色の角が生えていることも理由の一つだ。ソータはキメルが人型になれることを知らない。キメルも敢えて言わなかった。今はもう夕方だ。ヤム島は凉しかったが、セキヒは暑い。
「俺たちもなんだかんだ眠れてないからなぁ。シオウも休まなきゃ駄目だぞ」
エンジに構わずシオウはどこにそんな体力が残っていたのかという程、黙々と文字を書いている。おそらく論文だ。
「シオウの電源が入っちゃったね」
レントが呆れたように呟いて、その場に寝転んだ。
「あー、本当疲れたー」
エンジも同様に横になる。ソータはソファの上で横になり、もう夢の中だった。
✢✢✢
ソータは森にいた。もちろん、馴染みの聖域の森である。
「キメルー」
ソータは少し不安になって友人の名を呼んだ。キメルがいるからこそ、この森はできている。
「ブルル…」
「キメル!!」
キメルが駆け寄ってくる。そして鼻先をソータに擦り付けてきた。
「ふふ、キメル。くすぐったいよ」
キメルがじっとソータを見つめてくる。何か大事な話があるのだとソータはその時、悟った。ここ、セキヒに来るまで色々あった。自分たちの行動で、世界のざわめきがますます大きくなったのは間違いない。
キメルと話す時はいつも思念伝達の魔法を使う。ソータはキメルのたくましい首に触れた。
「ソータ、闇神が動き始めている」
「どうして…過去に封印されたんじゃ?」
「人間の誰かが封印を解いたようだ。どうせ闇神に甘いことを囁かれたんだろうよ」
「甘いこと?」
ソータが首を傾げると、キメルは頷く。
「人間は愚かだ。自分の利得のためにリスクを平気でおかす。どうせ簡単に大金が手に入るだとか、意中の人間が振り向いてくれるだとか、夢みたいな話をされたんだろうよ」
「キメル、人間は弱いの。そうでなければ武装をして森に入っては来ない」
「ソータは優しいな。だが、そいつらがしたことによって他の者も災いに巻き込まれる。そう、中央都市で起きていることも恐らく関係している。中央都市だけじゃない、世界全体でこれから何かが起きようとしている」
「キメルはなんでも知っていてすごいね」
ソータはキメルの胴に自分の体をもたれかけた。キメルはそっとソータの跳ねた薄紫の髪の毛を鼻先でくすぐる。
「ソータ、俺が最初から一緒に付いて行けば…」
「キメルはいつも過保護なんだから。確かに世界は厳しかったけど」
「…」
黙ってしまったキメルの背をソータは撫でる。
「今はキメルも一緒なんだし、どんと宝船に乗ったつもりでいて?」
「ソータの宝船…不安だ」
「キメルー!」
ソータはキメルの脇をくすぐった。二人はもつれあってその場に倒れ込んでいた。ソータはキメルを見つめながら言う。
「ねえキメル。私がもし聖女じゃなかったら、みんなに出会えていないんだよ。最近すごくそう思うの」
「ソータはどんな生まれであってもこうなっていた。出会いは必然だ」
「キメルの言ってること、時々難しくてよく分からない」
「そんなに難しいことは言っていないつもりだが…」
クラクラしているソータにキメルは噴き出すのを堪えながら言った。
「ソータ、油断するなよ。闇神はどこにでも潜んでいるからな」
「承知」
ソータが目を開けると、辺りは暗かった。カーテンのかかった窓から月明かりが射し込んでいる。カリカリという音に気を取られてそちらを見ると、シオウがペンをひたすら動かしている。彼の手元には光源魔法のかかったランプが置かれている。ソータはそうっと起き上がり、彼のそばへ忍び寄った。
「シオウ様?」
「わ!」
ソータの気配を消す技は野生の動物並だ。聖域に幼い頃から暮らし、いつの間にか身についていたものである。
「驚いた。ソータさんか」
「少しお休みになられては?」
「そうだね。一区切りついたし、珈琲でも淹れようか」
「珈琲?」
「あ…もしかして、飲んだことない?」
ソータがこくりと頷くとシオウが笑った。ランプを片手にキッチンに向かう。ソータもその後を追った。シオウが水の入ったやかんを炎熱魔法の宿ったコンロに置くと火が勝手に点いた。
「ソータさんのはカフェオレにしようね」
「カフェ…おれ?」
シオウが取り出したのは粉末のミルクだった。長持ちするのが売りの有名メーカーのものだ。
「これ、粉だけどお湯で溶かすと結構美味しいミルクになるから。もちろん、カフェオレにしても美味しいよ」
「楽しみなのです!」
しばらくしてお湯が湧いたらしい。やかんがシュンシュンと湯気を立て、沸騰を報せてくる。シオウが手際よくカップに粉末の珈琲を入れ、お湯を注ぐ。ソータの分にはそれにミルクと砂糖もプラスして入れた。
「ソータさんの分だよ」
「ありがとうございます」
ソータは恐る恐るカフェオレを飲んでみた。シオウの出してくる飲み物は初めてのものが多い。
「あ!苦いけど美味しい…甘いのです」
ソータはすっかり気に入って夢中になって飲んだ。
「喜んでもらえて良かった。カフェインは眠気覚ましにいいんだ。でも摂り過ぎは体に毒だから気を付けてね」
「そうなの…」
ソータは視線を感じて振り返った。
「き…キメル?!」
キメルがギラつく目で窓からこちらを覗いている。それは恐怖以外のなんでもない。
「お腹が空いたのかな?」
シオウがのんびり言う。だが、それは絶対に違うとソータには分かっている。キメルはどうやら怒っているらしい。それが何故かはソータにも分からなかった。
「ちょっと行ってくるのです」
「うん、私は論文を書いているからね」
「承知しました」
ソータは家から出た。キメルが颯爽と駆け寄ってくる。ソータはそこで獅子の言葉を思い出していた。キメルが自分を好きでいてくれているという言葉を。
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