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12・過去

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「地下室巡り楽しかったあ」

遊戯たち一行はノカの部屋に戻ってきている。地下室は元の空間に戻っていた。ノカがやりきったように言う。

「サシャは強いデーモンだから心強いよ」

「遊戯様、ありがとう」

サシャがふふっと笑う。

「サシャって美人だね」

「え!」

遊戯の言葉にサシャが顔を赤くする。

「遊戯さんはデーモンたらしなんだね」

「ふ・・」

ノカの言葉に遊技が噴き出す。

「デーモンたらしと言えば、二人はどうやってジャスさんとティスさんを使役できたの?二人共、相当高位のデーモンでしょう?」

遊戯と遊技は顔を見合わせた。

「僕達はデーモンテイマーを育成する施設みたいなところにいたんだよ」

「いわゆるデザイナーズチャイルドだ」

ノカが二人をじっと見つめた。

「そんな・・・」

「もう仕方がないんだよ。ティスとジャスくんが助けてくれたの」

「俺たちはボロボロだったからな。二人と契約して力を取り戻したんだよ」

ノカが二人にがばりと抱き着く。

「聞いちゃ・・いけなかった?」

「おいおい、ノカ。友達のことを知りたいって思うのは普通だぞ」

「でも」

「僕達はもう気にしていない。お陰で漆黒くんやノカくんに出会えたんだし」

「そっか」

ノカがほっとしたように笑った。

「テーマパークを作るんだもんね」

「ああ。ノカも力を貸してくれないか?」

「もちろんいいよ。楽しそう」

「いろんなアトラクションがあるテーマパークにしたいんだ」

「いいね」

「あ、あの!!!」

サシャが割り込んでくる。

「わ、私にもお手伝いさせてください」

「うん、サシャも一緒にやろうね」

***

「遊戯様」

ふと声を掛けられて遊戯は振り向いた。もう夜になっていた。涼しい風が吹き抜けていく。
ティスはブランケットをそっと遊戯の肩にかけてくれた。

「ありがとう、ティス」

「子供の頃のお話をされるようになったんですね」

「うん、過去のことも僕だからね」

ティスがくすっと笑う。

「やはり遊戯様はお強くなられている」

「そんなことはないよ。前より受け入れることは出来るけどそれだけだもの」

「それでも十分立派だと思いますよ」

ティスの言葉に遊戯は笑った。

「ティス、明日、新しいダンジョンが発表されるんだって」

「漆黒様はお仕事が早いですね」

「うん、もうテーマパークの土地を買ったんだって」

「なんと」

「夢は叶えなくちゃね」

遊戯はティスに向かって笑った。

つづく?



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