3 / 12
3・イージーモード
しおりを挟む
「ん?」
遊戯がキョロキョロと辺りを見渡している。遊技にもその理由が分かった。モンスターの気配が一切しないからだ。
「皆が倒しちゃったのかな?」
「モンスターなら俺たちでかなり捕獲したはずだぞ?」
「そう、なんだよね。じゃあなんで?」
とりあえず次の階へ急ごうと二人は階段を駆け上がった。これはあくまでタイムアタック制だ。クリアは早ければ早いほどいい。次の階でもやはりモンスターの気配はない。罠も探ったがあっさり解除できた。
「ちょっと待ってよ。いくらなんでもこれじゃ遊びになってないじゃない!」
遊戯が苛立ちを見せ始める。
「遊戯、落ち着いてくれ。とにかく先に進んでみよう」
「まぁ遊技ちゃんがそう言うなら仕方ないかな」
二人はいつの間にか最上階に到達していた。もちろんモンスターもいない。ここまで約40分ほどだろうか。部屋の奥には大きな宝箱が置かれている。
「遊技、これは罠ではない」
ジャスが遊技の目に憑依して答えてくれた。ジャスの能力はデーモンの中でもかなり上だ。
「報酬、なんだろねー!」
遊戯はすっかり機嫌を直している。二人は力を合わせて大きな宝箱の蓋を開けた。中に入っていたのは人だった。しかも少年である。隅に金塊があるが、あまり目立たない。
「はぁぁぁ?どうゆうこと!漆黒くん!!」
「遊戯、落ち着け。とりあえずこいつを放っておく訳にはいかないだろ。ジャス、頼む」
「了解した」
遊技は詠唱してジャスを召喚した。ジャスは眠っている少年を横抱きに抱える。
「遊技、周りの宝飾品は本来の報酬のようだ。吾輩は先に漆黒様の所に戻る」
「あぁ、報酬を回収したら俺たちも戻る。頼んだぞ」
ジャスはす、と音もなく消えた。
「もー!本当に何なのさ!」
「遊戯、落ち着け。ほら、タイムアタック制なんだし早く行くぞ」
遊技は報酬を拾い集めてゴールに向かった。
結果、今回のゲームでは遊戯と遊技のペアが優勝した。だがそれを喜ばないのが遊戯である。ずっとぶううとふてくされている。
「つまんないのー」
「とりあえず漆黒のところに戻るぞ」
「ぶうう」
「豚さんだってもっと聞きわけいいぞ」
遊技がそう突っ込むとやっと遊戯が笑った。
「ふふ、僕、豚さんみたいに可愛いもん」
「そうだな、遊戯は可愛いぞ」
二人は再びデーモンの翼を憑依させ、空を飛び屋敷に戻った。
「漆黒くん!どういうことなのさ!」
遊戯がくってかかるが漆黒は冷静だった。
「イレギュラーが起こったらしい」
「イレギュラー?」
遊技が尋ねると、漆黒も首を横に振る。
「今は、あいつの意識が戻るのを待つしかない」
「僕たちのゲームの邪魔をしたんだからそれなりの目に遭ってもらうからね」
遊戯が物騒なことを言っている。
「遊戯、お前の気持ちはよく分かる。楽しみにしていてくれたのだな」
「僕、漆黒くんのゲーム好きなんだよ」
「ああ、知っている。お前はいいプレイヤーだ。期待している」
遊戯はようやくにっこりと笑った。
「僕、あの子のとこ行って来る。乱暴はしないから安心して」
「ああ」
遊戯が立ち去ったのを見て遊技は改めて漆黒に尋ねた。
「で、イレギュラーって一体なんなんだ?」
遊戯がキョロキョロと辺りを見渡している。遊技にもその理由が分かった。モンスターの気配が一切しないからだ。
「皆が倒しちゃったのかな?」
「モンスターなら俺たちでかなり捕獲したはずだぞ?」
「そう、なんだよね。じゃあなんで?」
とりあえず次の階へ急ごうと二人は階段を駆け上がった。これはあくまでタイムアタック制だ。クリアは早ければ早いほどいい。次の階でもやはりモンスターの気配はない。罠も探ったがあっさり解除できた。
「ちょっと待ってよ。いくらなんでもこれじゃ遊びになってないじゃない!」
遊戯が苛立ちを見せ始める。
「遊戯、落ち着いてくれ。とにかく先に進んでみよう」
「まぁ遊技ちゃんがそう言うなら仕方ないかな」
二人はいつの間にか最上階に到達していた。もちろんモンスターもいない。ここまで約40分ほどだろうか。部屋の奥には大きな宝箱が置かれている。
「遊技、これは罠ではない」
ジャスが遊技の目に憑依して答えてくれた。ジャスの能力はデーモンの中でもかなり上だ。
「報酬、なんだろねー!」
遊戯はすっかり機嫌を直している。二人は力を合わせて大きな宝箱の蓋を開けた。中に入っていたのは人だった。しかも少年である。隅に金塊があるが、あまり目立たない。
「はぁぁぁ?どうゆうこと!漆黒くん!!」
「遊戯、落ち着け。とりあえずこいつを放っておく訳にはいかないだろ。ジャス、頼む」
「了解した」
遊技は詠唱してジャスを召喚した。ジャスは眠っている少年を横抱きに抱える。
「遊技、周りの宝飾品は本来の報酬のようだ。吾輩は先に漆黒様の所に戻る」
「あぁ、報酬を回収したら俺たちも戻る。頼んだぞ」
ジャスはす、と音もなく消えた。
「もー!本当に何なのさ!」
「遊戯、落ち着け。ほら、タイムアタック制なんだし早く行くぞ」
遊技は報酬を拾い集めてゴールに向かった。
結果、今回のゲームでは遊戯と遊技のペアが優勝した。だがそれを喜ばないのが遊戯である。ずっとぶううとふてくされている。
「つまんないのー」
「とりあえず漆黒のところに戻るぞ」
「ぶうう」
「豚さんだってもっと聞きわけいいぞ」
遊技がそう突っ込むとやっと遊戯が笑った。
「ふふ、僕、豚さんみたいに可愛いもん」
「そうだな、遊戯は可愛いぞ」
二人は再びデーモンの翼を憑依させ、空を飛び屋敷に戻った。
「漆黒くん!どういうことなのさ!」
遊戯がくってかかるが漆黒は冷静だった。
「イレギュラーが起こったらしい」
「イレギュラー?」
遊技が尋ねると、漆黒も首を横に振る。
「今は、あいつの意識が戻るのを待つしかない」
「僕たちのゲームの邪魔をしたんだからそれなりの目に遭ってもらうからね」
遊戯が物騒なことを言っている。
「遊戯、お前の気持ちはよく分かる。楽しみにしていてくれたのだな」
「僕、漆黒くんのゲーム好きなんだよ」
「ああ、知っている。お前はいいプレイヤーだ。期待している」
遊戯はようやくにっこりと笑った。
「僕、あの子のとこ行って来る。乱暴はしないから安心して」
「ああ」
遊戯が立ち去ったのを見て遊技は改めて漆黒に尋ねた。
「で、イレギュラーって一体なんなんだ?」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話
象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。
ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
両隣から喘ぎ声が聞こえてくるので僕らもヤろうということになった
ヘロディア
恋愛
妻と一緒に寝る主人公だったが、変な声を耳にして、目が覚めてしまう。
その声は、隣の家から薄い壁を伝って聞こえてくる喘ぎ声だった。
欲情が刺激された主人公は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる