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年末年始
旅行③
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年末のせいか、ショッピングモールは混んでいた。なんとか車を駐車場に停めて二人は中に入る。
「加那、後で宿で食うもの買おうぜ」
「了解!まずはタマのお土産だよねー。
ナキちゃんにも何か買う?」
「ナキはいい子だよな。美人だし、スマートだし」
「真司さんをいつも独り占めにされるって、あきくんぼやいていたなぁ」
加那太の言葉に千尋は噴き出す。
「真司さん、あの家で大人気だな。俺もあの人とはずっと話せるからなぁ」
「分かるー。真司さん、雑談上手だよね」
「職業柄ってのもあるよな」
真司について噂しながら二人はエスカレーターに乗る。ペット用品の専門店は下の階だ。
「わー、色々あるんだー!」
「タマはチビだからな。小さいおもちゃにしないと」
二人はおもちゃをよく吟味して、その中から4つ選んだ。
それぞれ二匹に2つずつだ。
「加那はずっとタマと遊んでるもんな」
「だって楽しいんだもん」
「分かるけど、俺にも構ってくれ」
「あはは!」
その後、ショッピングモールをぶらぶらして、最後に二人はスーパーに寄って飲み物やお菓子を買った。
もう夕方を回っている。
少し早いが、二人は夕飯を食べに行くことにした。
「焼肉かステーキだな」
「すごいね、その選択肢」
「どっちがいい?」
「焼き肉ー!」
「わかった」
どうやら街中に焼肉屋があるようだとスマートフォンで調べて分かる。
千尋はナビを入れて、車を走らせた。
ーーー
「わぁ、いいお部屋」
宿は畳の部屋だった。布団が二組敷かれている。
加那太は荷物を下ろすと布団に大の字に寝転がった。
「あー、楽しかったー!」
「楽しかったよな」
千尋も横になる。
加那太は起き上がって正座をした。ぺこりと頭を下げる。
「一日、運転お疲れ様でした」
「どういたしまして。
この部屋、露天風呂付いてるぞ」
「え?めちゃくちゃいい部屋じゃん」
加那太は立ち上がって部屋を見て回った。
すぐに露天風呂を見つけたようだ。
声が聞こえる。
「千尋、一緒に入ろう!」
「あぁ」
千尋も起き上がって、露天風呂に向かった。向こう側は崖になっている。
加那太は既に服を脱ぎ始めている。
真っ白な細い体が顕になる。
加那太の体のどこに食べ物が消えていくのか不思議なくらいだ。
「加那」
名前を呼んで後ろから抱き締めたら、加那太がびくりと震えた。
「耳、イイのか?」
「ん…」
コクコク、と加那太が頷く。
千尋は加那太の下腹部に手を回した。
加那太の体はなめらかだ。
「っ…や」
「本当に嫌なら俺を殴って逃げりゃいいだろ?」
「ん。意地悪しちゃやだ」
ちゅ、と加那太の首筋にキスを落とす。
「んぁ…ちひろ」
加那太の声が甘い。
「可愛い、好きだよ、加那」
「ん…僕も」
(加那をこうやって独り占めできるから旅行が好きだなんて絶対言えないよなぁ)
千尋はそんな邪念を再びしまいこみ、加那太に集中するのだった。
おわり
「加那、後で宿で食うもの買おうぜ」
「了解!まずはタマのお土産だよねー。
ナキちゃんにも何か買う?」
「ナキはいい子だよな。美人だし、スマートだし」
「真司さんをいつも独り占めにされるって、あきくんぼやいていたなぁ」
加那太の言葉に千尋は噴き出す。
「真司さん、あの家で大人気だな。俺もあの人とはずっと話せるからなぁ」
「分かるー。真司さん、雑談上手だよね」
「職業柄ってのもあるよな」
真司について噂しながら二人はエスカレーターに乗る。ペット用品の専門店は下の階だ。
「わー、色々あるんだー!」
「タマはチビだからな。小さいおもちゃにしないと」
二人はおもちゃをよく吟味して、その中から4つ選んだ。
それぞれ二匹に2つずつだ。
「加那はずっとタマと遊んでるもんな」
「だって楽しいんだもん」
「分かるけど、俺にも構ってくれ」
「あはは!」
その後、ショッピングモールをぶらぶらして、最後に二人はスーパーに寄って飲み物やお菓子を買った。
もう夕方を回っている。
少し早いが、二人は夕飯を食べに行くことにした。
「焼肉かステーキだな」
「すごいね、その選択肢」
「どっちがいい?」
「焼き肉ー!」
「わかった」
どうやら街中に焼肉屋があるようだとスマートフォンで調べて分かる。
千尋はナビを入れて、車を走らせた。
ーーー
「わぁ、いいお部屋」
宿は畳の部屋だった。布団が二組敷かれている。
加那太は荷物を下ろすと布団に大の字に寝転がった。
「あー、楽しかったー!」
「楽しかったよな」
千尋も横になる。
加那太は起き上がって正座をした。ぺこりと頭を下げる。
「一日、運転お疲れ様でした」
「どういたしまして。
この部屋、露天風呂付いてるぞ」
「え?めちゃくちゃいい部屋じゃん」
加那太は立ち上がって部屋を見て回った。
すぐに露天風呂を見つけたようだ。
声が聞こえる。
「千尋、一緒に入ろう!」
「あぁ」
千尋も起き上がって、露天風呂に向かった。向こう側は崖になっている。
加那太は既に服を脱ぎ始めている。
真っ白な細い体が顕になる。
加那太の体のどこに食べ物が消えていくのか不思議なくらいだ。
「加那」
名前を呼んで後ろから抱き締めたら、加那太がびくりと震えた。
「耳、イイのか?」
「ん…」
コクコク、と加那太が頷く。
千尋は加那太の下腹部に手を回した。
加那太の体はなめらかだ。
「っ…や」
「本当に嫌なら俺を殴って逃げりゃいいだろ?」
「ん。意地悪しちゃやだ」
ちゅ、と加那太の首筋にキスを落とす。
「んぁ…ちひろ」
加那太の声が甘い。
「可愛い、好きだよ、加那」
「ん…僕も」
(加那をこうやって独り占めできるから旅行が好きだなんて絶対言えないよなぁ)
千尋はそんな邪念を再びしまいこみ、加那太に集中するのだった。
おわり
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