Puzzle Peace

２

それから金髪こと佐藤浩人（ひろと）はサークルに毎回いて俺に話してくるようになった。
さらに俺の受ける講義の教室をなんとなく覚えているみたいで、よく緑茶をおごってくれと頼まれた。

「吉田先輩～昼飯ラーメン食いましょうよ！」
「俺はコンビニ飯を食べる。金欠だから。」
「じゃあ分けてください。俺も分けるんで。」

こんな調子でずっとつきまとってくる。
正直見た目のいい後輩に尊敬されてるみたいで気分が悪くはないが、なんで俺なのか。全くサークルでも他でもかっこいいことをしていないのに。

それが強い疑問だけれど、彼に聞くのが怖かった。

コンビニで俺はコロッケパンとカップ麺を、佐藤はラーメンを買った。
教室でそれを食べているのに、隣から佐藤が俺のを食べようとしたり、
「糖質ばっかで健康に悪そう。」
と言ってくる。

俺も佐藤のラーメンを食べようと攻防していると、佐藤が肘で自分のラーメンを床にこぼしてしまった。

「あーあ。トイレットペーパー持ってくるわ。」
と言ってトイレに行き、拭くのを手伝ってやった。

「すんません。」
「だいじょぶだろ。まだちょっとラーメン臭いけどな。」

手伝ってやって、佐藤が俺を少しは尊敬してくれたかなとおもった。