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日常-料理◆「まったくもう!冷蔵庫のなか、ビールしか入ってなーい!」
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事務室兼応接間でタイプライターを叩いていたガッシュは、横目でソファの方を眺めた。
この家で一番座り心地の良いソファは、今、迷い猫に占領されている。
あろうことかそいつはガッシュの軍用コートにくるまって、くうくう寝息を立てているのだった。
もう少しで報告書が仕上がる。
煙草に火を点け、両脚を机の上にあげて、椅子にうんと体を預けた。少し疲れが溜まっているようだ。
ゆっくりと煙草が灰になっていくのを眺めてから、灰と吸殻を灰皿に落とし、目をしばたいた。
探偵業に不満はないが、報告書だけは、いつも骨だ。
最後の一文を仕上げて、紙をタイプライターから抜き取る。
机の中から、請求書を一枚取りだした。
こちらは定型文を、簡易印刷してもらったものだ。
ここに、請求金額と簡単な内訳を記入し、報告書と、奪還した書類と一緒に、茶色の封筒に入れた。これで仕事のひとつが終わる。
そこそこの金額が手に入るはずだが、あともう一件くらいこの手の仕事がないと、財布がだいぶ寒い事になるだろう。
ソファの上のコートがもぞっと動いた。
金髪の頭が顔を出す。
「おはよー」
少し寝ぼけた声で言うと、リドリがコートの下から這い出してきた。
「ああ。おはよう」
「おなかすいたよー」
「好きなもんを喰え」
「うんー」
素直に返事をして台所へ入っていったリドリが、ぱたぱたと戸棚を開けたり冷蔵庫を開けたりしている音が、なんとはなしに耳に入ってきた。
「食べるものがなーいっ」
「は?」
報告書も書き終わった事だし、自分も少し小腹がすいているのを感じて、ガッシュは立ち上がった。
台所へ入ってみればあちこちの戸棚が開いたままだ。
「おまえ、目はついてんのか。あるだろうが。ほれ」
ガッシュは棚からカップ麺を二つ取り出すと、キッチンテーブルに置いた。
薬缶に適当に水を入れ、ガス焜炉にかける。
ついでに冷蔵庫を開けると、ビールを二本取り出した。
「そら。飲むだろ」
リドリがじっとりとガッシュを睨む。
「なんだよ」
「こんなもの、いつも食べてるんだ」
「いいだろうが。料理の手間がはぶけて」
「だめー」
「はあ?」
「お買い物に行こう」
「なんだと?」
「食べるものを買いに行こう」
「なんだ。テイクアウトのがいいのか? 贅沢なやつだな。ま、たまにはいいか」
ビールをもう一度冷蔵庫にしまい、焜炉の火を消す。
「そこ、ビールしか入ってないね」
「他に入れるもんがない」
リドリは、ガッシュのシャツと軍用パンツを借り着していたが、どちらもサイズは十ほど違って、清潔でさえなければ、貧民街にいる浮浪児のようだ。
やれやれ、サイズの合う服も買ってやらなければならないんだろうか。とんだ物入りになったものだ。
俺はどこまで人が好いんだ、と述懐しながら、ガッシュはリドリを連れて近所の雑貨屋に足を向けた。
それが運の尽きだった。
古着屋に寄って、リドリに合うサイズの服を調達する。
そのあと雑貨屋で幾ばくかの食料品を買い込む。
リドリに言われるままに、米や脂や野菜を買い、その足で肉屋にまわって、挽肉を少しと卵も仕入れる。
ところが、帰り道の酒屋から、いきなり銃声が聞こえてきた。
通りを行き交う人が悲鳴をあげる。
こういった事件はあっという間だ。
酒屋から、覆面帽の男がふたり、飛び出してきた。
まずいことに、こちらへ向かってまっすぐにだ。
舌打ちすると、ガッシュはリドリを後ろへ押しやり、さっと拳銃お抜いた。
ほとんど流し打ちで、一発ずつ銃弾を撃ち込む。
硝煙のきな臭い煙が青く流れた。
ほどなく、巡邏の車がやってきた。
通行人の誰かが通報したのだろう。
車から降りてきた鬼人の警官が、ぎろりと黄色い目をガッシュに向けた。
「とうとう酒屋強盗したか、ガッシュ?」
「俺じゃあない」
「ならその荷物はなんだ」
「買物だよ」
相棒の方が酒屋をのぞく。
「その中から銃声がして、俺が通りかかった時にこいつらが飛び出してきたんだ。こっちへまっすぐにな。俺にどうしろっていうんだ?」
「気質の人間みたいに、逃げるか道路に伏せてりゃいいだろうが」
「いやだね。服が汚れる」
「気取るような服装かよ」
じろじろと自分を見つめる警官に、ガッシュは肩をそびやかした。
「携行許可証」
ガッシュは溜息交じりに財布を抜き出し、拳銃の携行許可証を見せた。退役した時、車の免許証ともども、民用のライセンスに書き換えたものだ。
何度も見た事があるくせに、警官はそれを念入りにチェックしてから返してよこした。
「あとで詳しい話を聞くからな」
「詳しいもなにも、本当にさっきので全部だ」
「いつかその許可証を取り上げてやる」
やっと放免だと見なして、ガッシュはリドリをせかすと、家に戻ろうとした。
「ちょっと待て、ガッシュ」
「なんだ。まだ用があるのか」
「その子供は?」
ひやりと背中に冷たい汗が流れた。
何か、感づかれたのだろうか?
「遠縁の子を預かっているんだ。親が離婚争議中でね」
「子供の身元を証明できるものはあるんだろうな」
まずい。
その時、にこにこしながらリドリが抱きついてきた。
「ぼく、リドリっていうんだ。ガッシュはおじさんなんだ。パパやママのとこには当分帰らないからねっ。喧嘩ばかりしていて、こっちまでぎすぎすしてきちゃうんだ」
警官はまだガッシュとリドリをじろじろと見ていた。
「……ほんとかどうか怪しいもんだ。が、まあいいだろう。おかしなまねをするんじゃないぞ」
冷や汗を三筋も垂らしながらその場を離れると、少ししてリドリがガッシュを見あげた。
「警官と仲悪いんだ?」
「探偵だからな」
「ふうん」
「そういうもんだ」
警官と探偵の仲が余り良くないのはほんとうだ。
特に、ガッシュのように荒事専業の探偵は、警官に目を付けられやすい。
法律違反すれすれの事もやるからだ。
けれども、リドリの事は大丈夫だろうか。
児童拉致とは思われなくてすんだはずだが、リドリにまともな出生証明書があるとは思えない。
用心しなくてはなるまい。
あとで、リドリとも口裏をあわせておかねば。
家に帰るとさっそくリドリが買い物袋を抱えて台所を占領した。
「ビール、邪魔なんだけど」
冷蔵庫に食糧を入れ要としたリドリが文句を言う。
「少し場所を空かせてやるよ」
缶ビールを一本だけ取って、口をあけた。
ぷしゅっと炭酸が散り、ビールのほのかな香りが顔にあたる。
冷えたビールを喉に流し込みながら、手際よく料理するリドリをガッシュは眺めていた。
埃まみれだったフライパンをきれいに洗い、棚の隅から塩や胡椒を探し出し、これだけは綺麗に研いであったキッチンナイフを使って、野菜を幾つか刻んでいく。
ほどなく良い匂いが漂い始めた。
美味しそうなピラフを差し出されて、ガッシュは舌なめずりした。
「器用だな、おまえ」
「千年も生きてれば、料理くらいできるようになるよ」
「そんなもんか」
「うん、そんなもん」
ピラフを口に運びながら、テーブルの対面でピラフを頬張っているリドリをガッシュは眺めた。
どう見ても、細っこいミドルティーンの少年にしか見えない。
これが、破滅の呪文を頭の中に抱えた齢千年の魔法使いとは。
やっぱり、相当厄介なものを背負い込んだような気がする。
しかし、今は美味なピラフに懐柔されてやろう、とガッシュは思うのだった。
この家で一番座り心地の良いソファは、今、迷い猫に占領されている。
あろうことかそいつはガッシュの軍用コートにくるまって、くうくう寝息を立てているのだった。
もう少しで報告書が仕上がる。
煙草に火を点け、両脚を机の上にあげて、椅子にうんと体を預けた。少し疲れが溜まっているようだ。
ゆっくりと煙草が灰になっていくのを眺めてから、灰と吸殻を灰皿に落とし、目をしばたいた。
探偵業に不満はないが、報告書だけは、いつも骨だ。
最後の一文を仕上げて、紙をタイプライターから抜き取る。
机の中から、請求書を一枚取りだした。
こちらは定型文を、簡易印刷してもらったものだ。
ここに、請求金額と簡単な内訳を記入し、報告書と、奪還した書類と一緒に、茶色の封筒に入れた。これで仕事のひとつが終わる。
そこそこの金額が手に入るはずだが、あともう一件くらいこの手の仕事がないと、財布がだいぶ寒い事になるだろう。
ソファの上のコートがもぞっと動いた。
金髪の頭が顔を出す。
「おはよー」
少し寝ぼけた声で言うと、リドリがコートの下から這い出してきた。
「ああ。おはよう」
「おなかすいたよー」
「好きなもんを喰え」
「うんー」
素直に返事をして台所へ入っていったリドリが、ぱたぱたと戸棚を開けたり冷蔵庫を開けたりしている音が、なんとはなしに耳に入ってきた。
「食べるものがなーいっ」
「は?」
報告書も書き終わった事だし、自分も少し小腹がすいているのを感じて、ガッシュは立ち上がった。
台所へ入ってみればあちこちの戸棚が開いたままだ。
「おまえ、目はついてんのか。あるだろうが。ほれ」
ガッシュは棚からカップ麺を二つ取り出すと、キッチンテーブルに置いた。
薬缶に適当に水を入れ、ガス焜炉にかける。
ついでに冷蔵庫を開けると、ビールを二本取り出した。
「そら。飲むだろ」
リドリがじっとりとガッシュを睨む。
「なんだよ」
「こんなもの、いつも食べてるんだ」
「いいだろうが。料理の手間がはぶけて」
「だめー」
「はあ?」
「お買い物に行こう」
「なんだと?」
「食べるものを買いに行こう」
「なんだ。テイクアウトのがいいのか? 贅沢なやつだな。ま、たまにはいいか」
ビールをもう一度冷蔵庫にしまい、焜炉の火を消す。
「そこ、ビールしか入ってないね」
「他に入れるもんがない」
リドリは、ガッシュのシャツと軍用パンツを借り着していたが、どちらもサイズは十ほど違って、清潔でさえなければ、貧民街にいる浮浪児のようだ。
やれやれ、サイズの合う服も買ってやらなければならないんだろうか。とんだ物入りになったものだ。
俺はどこまで人が好いんだ、と述懐しながら、ガッシュはリドリを連れて近所の雑貨屋に足を向けた。
それが運の尽きだった。
古着屋に寄って、リドリに合うサイズの服を調達する。
そのあと雑貨屋で幾ばくかの食料品を買い込む。
リドリに言われるままに、米や脂や野菜を買い、その足で肉屋にまわって、挽肉を少しと卵も仕入れる。
ところが、帰り道の酒屋から、いきなり銃声が聞こえてきた。
通りを行き交う人が悲鳴をあげる。
こういった事件はあっという間だ。
酒屋から、覆面帽の男がふたり、飛び出してきた。
まずいことに、こちらへ向かってまっすぐにだ。
舌打ちすると、ガッシュはリドリを後ろへ押しやり、さっと拳銃お抜いた。
ほとんど流し打ちで、一発ずつ銃弾を撃ち込む。
硝煙のきな臭い煙が青く流れた。
ほどなく、巡邏の車がやってきた。
通行人の誰かが通報したのだろう。
車から降りてきた鬼人の警官が、ぎろりと黄色い目をガッシュに向けた。
「とうとう酒屋強盗したか、ガッシュ?」
「俺じゃあない」
「ならその荷物はなんだ」
「買物だよ」
相棒の方が酒屋をのぞく。
「その中から銃声がして、俺が通りかかった時にこいつらが飛び出してきたんだ。こっちへまっすぐにな。俺にどうしろっていうんだ?」
「気質の人間みたいに、逃げるか道路に伏せてりゃいいだろうが」
「いやだね。服が汚れる」
「気取るような服装かよ」
じろじろと自分を見つめる警官に、ガッシュは肩をそびやかした。
「携行許可証」
ガッシュは溜息交じりに財布を抜き出し、拳銃の携行許可証を見せた。退役した時、車の免許証ともども、民用のライセンスに書き換えたものだ。
何度も見た事があるくせに、警官はそれを念入りにチェックしてから返してよこした。
「あとで詳しい話を聞くからな」
「詳しいもなにも、本当にさっきので全部だ」
「いつかその許可証を取り上げてやる」
やっと放免だと見なして、ガッシュはリドリをせかすと、家に戻ろうとした。
「ちょっと待て、ガッシュ」
「なんだ。まだ用があるのか」
「その子供は?」
ひやりと背中に冷たい汗が流れた。
何か、感づかれたのだろうか?
「遠縁の子を預かっているんだ。親が離婚争議中でね」
「子供の身元を証明できるものはあるんだろうな」
まずい。
その時、にこにこしながらリドリが抱きついてきた。
「ぼく、リドリっていうんだ。ガッシュはおじさんなんだ。パパやママのとこには当分帰らないからねっ。喧嘩ばかりしていて、こっちまでぎすぎすしてきちゃうんだ」
警官はまだガッシュとリドリをじろじろと見ていた。
「……ほんとかどうか怪しいもんだ。が、まあいいだろう。おかしなまねをするんじゃないぞ」
冷や汗を三筋も垂らしながらその場を離れると、少ししてリドリがガッシュを見あげた。
「警官と仲悪いんだ?」
「探偵だからな」
「ふうん」
「そういうもんだ」
警官と探偵の仲が余り良くないのはほんとうだ。
特に、ガッシュのように荒事専業の探偵は、警官に目を付けられやすい。
法律違反すれすれの事もやるからだ。
けれども、リドリの事は大丈夫だろうか。
児童拉致とは思われなくてすんだはずだが、リドリにまともな出生証明書があるとは思えない。
用心しなくてはなるまい。
あとで、リドリとも口裏をあわせておかねば。
家に帰るとさっそくリドリが買い物袋を抱えて台所を占領した。
「ビール、邪魔なんだけど」
冷蔵庫に食糧を入れ要としたリドリが文句を言う。
「少し場所を空かせてやるよ」
缶ビールを一本だけ取って、口をあけた。
ぷしゅっと炭酸が散り、ビールのほのかな香りが顔にあたる。
冷えたビールを喉に流し込みながら、手際よく料理するリドリをガッシュは眺めていた。
埃まみれだったフライパンをきれいに洗い、棚の隅から塩や胡椒を探し出し、これだけは綺麗に研いであったキッチンナイフを使って、野菜を幾つか刻んでいく。
ほどなく良い匂いが漂い始めた。
美味しそうなピラフを差し出されて、ガッシュは舌なめずりした。
「器用だな、おまえ」
「千年も生きてれば、料理くらいできるようになるよ」
「そんなもんか」
「うん、そんなもん」
ピラフを口に運びながら、テーブルの対面でピラフを頬張っているリドリをガッシュは眺めた。
どう見ても、細っこいミドルティーンの少年にしか見えない。
これが、破滅の呪文を頭の中に抱えた齢千年の魔法使いとは。
やっぱり、相当厄介なものを背負い込んだような気がする。
しかし、今は美味なピラフに懐柔されてやろう、とガッシュは思うのだった。
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