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押し上げていた太ももをさらに押し上げ、由郁の太ももが野端の肩に担ぎ上げられる。くの字のようにされて内臓が圧迫されると、より自分の中にある男の存在がくっきりと感じられた。目の前には汗に濡れた男の顔と、押し上げられた自分の足が見えた。がくがくと震えてピンと伸びる足が、自分のコントロールを完全に外れて快感をさらに貪ろうとしているように思えた。
「はぁんっ……」
「ほんとうに気持ちよさそうですね」
「やぁ、だめ、だめなの」
涙がボロボロとこぼれて、あ、とも、うともつかない小さな嬌声しか口からこぼれない。ぎしっと野端が動くと、どんっと体の奥が響く。快感を求めて降りてきた子宮口が野端の雄芯に吸い付いて揺らされる。
体験したことのない不思議で強烈な快感の波が由郁を襲ってくる。低く、小さく短い喘ぎ声が途切れ途切れに口から漏れるだけで、あとは野端の思うままに蹂躙された。
何度も何度も波にさらわれるような感覚が由郁を支配する。もう腕も上がらないのにそれでも、由郁は野端の肩に己の指を滑らせた。
「颯人さん、はやとさん、はや……」
「もっとですか? 由郁」
「あっん……っ。寒い、の」
汗にお互いまみれているはずなのに、思わずそう言ってしまっていた。もっと抱きしめて欲しい。そんな気持ちが伝わればいいのに、ちゃんと説明できなくて、口に出た言葉は寒いであった。
「だんだん暖かくなりますよ」
ふっと一瞬だけ動きを止めて、野端が微笑んで由郁の体を抱きしめる。
「あ、うっ……んっ。も、もっと」
とろりとまったく理性はどこかに行ってしまった瞳で野端を見上げると、なんとも言えない微笑みを浮かべた瞳とぶつかる。
ああ。もっとこの人と繋がっていたい。
どこか孤独だったことに心の奥底が気がついた。『普通』であるためにずっと由郁は努力してきた。心はついていかないのに、周りに恋人を持つ友人が増えたから。もう20代後半だし、そろそろ結婚を視野に入れた恋人を探さなくては。転勤が決まったから仕事を辞めて彼についていき、そして結婚して子供を産んで――。
『普通』のためにいつからか由郁は自分の心をどこかに置き去りにしたことに気がつく。そしてその心が寂しくて寂しくて、悲鳴も上げれずに涙を流していることに今さら気がついたのだ。
「ああ。もっと……」
もっと私をいじめてください。そう続けたかった。
野端に抱かれて、なにかを超えていければ、いつかまた自分の心と結びつくような気がした。
「ひっ」
野端が自分を見ろというように強く腰を押し付けてくる。鋭い痛みのような快感が一直線に走って、体がのけぞった。
「ああ。そうやって欲しいものに手を伸ばそうとする君は、とても素直で綺麗ですね。もっと欲しいですか」
そういってぎしぎしと音を立てながら野端は由郁を追い詰める。蜜口の周りをぐるりと指で辿り、やわらかなひだを撫でる。
「次から次に蜜を溢れさせて、私を搾り取ろうとしているのがわかりますか」
「はうっ……。お願い、もっと抱きしめて……」
ちゅっと暖かく濡れた肉厚のやわらかなものが再び口内に忍び込んで言葉を塞がれる。野端のキスが好きだと改めて思った。唇が離れたとおもったら、敏感な肉芽に指を当てられて押し付けられた。
「――っ!」
まっ白く視界が塗りたくられて、由郁の意識はそこで途切れてしまった。
「はぁんっ……」
「ほんとうに気持ちよさそうですね」
「やぁ、だめ、だめなの」
涙がボロボロとこぼれて、あ、とも、うともつかない小さな嬌声しか口からこぼれない。ぎしっと野端が動くと、どんっと体の奥が響く。快感を求めて降りてきた子宮口が野端の雄芯に吸い付いて揺らされる。
体験したことのない不思議で強烈な快感の波が由郁を襲ってくる。低く、小さく短い喘ぎ声が途切れ途切れに口から漏れるだけで、あとは野端の思うままに蹂躙された。
何度も何度も波にさらわれるような感覚が由郁を支配する。もう腕も上がらないのにそれでも、由郁は野端の肩に己の指を滑らせた。
「颯人さん、はやとさん、はや……」
「もっとですか? 由郁」
「あっん……っ。寒い、の」
汗にお互いまみれているはずなのに、思わずそう言ってしまっていた。もっと抱きしめて欲しい。そんな気持ちが伝わればいいのに、ちゃんと説明できなくて、口に出た言葉は寒いであった。
「だんだん暖かくなりますよ」
ふっと一瞬だけ動きを止めて、野端が微笑んで由郁の体を抱きしめる。
「あ、うっ……んっ。も、もっと」
とろりとまったく理性はどこかに行ってしまった瞳で野端を見上げると、なんとも言えない微笑みを浮かべた瞳とぶつかる。
ああ。もっとこの人と繋がっていたい。
どこか孤独だったことに心の奥底が気がついた。『普通』であるためにずっと由郁は努力してきた。心はついていかないのに、周りに恋人を持つ友人が増えたから。もう20代後半だし、そろそろ結婚を視野に入れた恋人を探さなくては。転勤が決まったから仕事を辞めて彼についていき、そして結婚して子供を産んで――。
『普通』のためにいつからか由郁は自分の心をどこかに置き去りにしたことに気がつく。そしてその心が寂しくて寂しくて、悲鳴も上げれずに涙を流していることに今さら気がついたのだ。
「ああ。もっと……」
もっと私をいじめてください。そう続けたかった。
野端に抱かれて、なにかを超えていければ、いつかまた自分の心と結びつくような気がした。
「ひっ」
野端が自分を見ろというように強く腰を押し付けてくる。鋭い痛みのような快感が一直線に走って、体がのけぞった。
「ああ。そうやって欲しいものに手を伸ばそうとする君は、とても素直で綺麗ですね。もっと欲しいですか」
そういってぎしぎしと音を立てながら野端は由郁を追い詰める。蜜口の周りをぐるりと指で辿り、やわらかなひだを撫でる。
「次から次に蜜を溢れさせて、私を搾り取ろうとしているのがわかりますか」
「はうっ……。お願い、もっと抱きしめて……」
ちゅっと暖かく濡れた肉厚のやわらかなものが再び口内に忍び込んで言葉を塞がれる。野端のキスが好きだと改めて思った。唇が離れたとおもったら、敏感な肉芽に指を当てられて押し付けられた。
「――っ!」
まっ白く視界が塗りたくられて、由郁の意識はそこで途切れてしまった。
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