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第二章カスヤロウあがき編
あがき8:カスヤロウ、天使の父を名のる
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私の名はクレイム、この国で一番頭が良く、今日はラッコなので交渉とかは娘に任せ…なーい!何故なら私はラッコマン。この姿を恥じる事など何もナッシン。
「お父様!私が話をするから下がっていて!」
「ラッコ一本背負い!」
「ギャー」
マリアを投げ捨ていざキャバクラ。
「契約者殿!今の貴方はバーサーカーラッコと化してますぞ!大人しくするですぞ!」
「シェルクラッシャー!」
「ぞー!」
必殺のシェルクラッシャーでマーガレットをダウンさせる。シェルクラッシャーは相手の頭を私のお腹に押し付け、後頭部を石で殴り続けるラッコ奥義だ。さあ、邪魔者は排除した。各国のギルドに送った文面を見てここまで来た最初の同士は、果たしてどんな奴だろうか。
私はVIPルームの扉をノックして中に入る。
「マリアのお父さん…?」
「テスタメント殿下…?」
わたしはしょうきにもどった!
どうやら、強いショックを受けるとラッコマンは解除される様だ。
「「何でここにいるの?とっくに死んだものと思ってたのに??」」
テスタメント殿下、私が教育し、私の計画を台無しにし、国外追放となった元王太子。魔物にやられるか、強盗にやられるか、何らかの形で自滅するかで死んでるだろうと思っていた殿下は、どっこい生きていた。しかも、スキル試用者が座っているはずの席で私を待っていた。
「そっか、マリアもお父さんもまだ逮捕とかされてないんだ。良かったー、俺はさ、お父さんは斬首、マリアは鉱山送りぐらいになってると思ってた」
「ふっふっふ、私はしぶといのですよ。殿下もご無事で何よりです。試用者の契約により今日まで生き長らえたのですね?」
「よく分かったな」
私ガカマをかけると、殿下は肯定した。そうだ。馬鹿で雑魚で金持ちで魔王退治が目標の殿下がこの一年間無事でいるはずが無い。多分今までに三回、いや、五回は死んで自動復活の世話になっているのだろう。
「殿下、改めてご無事で何よりです」
「ありがと。で、あの張り紙はお父さんが書いたの?」
「はい。私もつい数日前に天使と契約し、スキル試用者となりまして」
「うん」
「聖女マリアに仕える四戦士を名乗り仲間を揃える事としたのです」
「うん?」
殿下は首を傾げた。横にいる女、多分殿下と契約した天使も首を傾げていた。
「スキル試用者が全部で四人居るのはご存知ですよね?」
「いや、正確な数は今知った。俺とお父さんいれて四人?」
やれやれ、どうやら殿下はあまり天使から情報を得ていない様だ。相変わらず、周りが見えていない。だからこそ利用しやすいが、少し目を離すと何をするか分からない人だ。
「ならば、最初から説明しましょう」
私はマーガレットと契約を交わし、そこから得た情報に聖女降臨の嘘を上書きして拡散した事を話した。
「既にこのアーモンド王国内では聖女会は活動を再開し、聖女マリアから力を与えられた四人の戦士が魔王を倒すという教えが広まりつつある訳です」
「お父さん、何でマリア巻き込む必要あるの?」
「私が儲かるから…、というのは理由の一つに過ぎません。ですから、殿下もヒースさんもそんな目で私を見ないで下さい」
実際、スキルとして分割された聖女の力を集めて魔王を倒しに行くだけなら、マリアが聖女とする嘘は必要ではない。私が王に頭を下げれば、試用者も集まり魔王のいる島へ行く船も用意できるだろう。しかし、それでは私達の罪は晴れない。
「殿下、そもそもの話として私達親子と貴方は聖女システムを破壊してしまった大罪人です」
「や、やっぱりそうやったんかい!今までの会話からそんな気はしとったけど!マジか…マジなんか…アタシら神様をブチ切れさせた人間相手に契約してしまってたんかー」
ヒースが顔を青ざめさせているが、今は気にしていられない。
「世間に顔が割れておらず、ただの冒険者として振る舞える殿下はともかく、私とマリアはいつどこで誰に刺されてもおかしくない立場なのです。ですから、マリアが居るから力のある者が纏まり魔王に挑むことが出来ると主張するのです。スキルと自動復活を持つ私と違い、マリアを己の身を守る手段がありません」
「そう、だな。俺もマリアには無事で居て欲しい」
「娘を守るには、殺してはならぬ存在にするしか無い。そして、この嘘は私達試用者が黙っていれば真実になります」
「分かったよ。頭の良いお父さんが考えた案なら、きっとそれが一番マリアが助かる可能性がある手段なんだろう」
私は殿下と握手した。これにて聖女の四戦士の内半分が揃った事となる。その後、この部屋に駆け込んできたマリアとマーガレットにも殿下との約束について話した。二人共本当に嫌そうな顔をしていたが、現状のベストがこれだと言ったら何とか納得してくれた。
「しかし、複雑な気分ですぞ。吾輩やヒース姉上は聖女システムの終了により生まれた天使。つまり…」
「うむ、私と殿下がやらかさなければ君達は生まれなかった訳だ。アイムユアファーザー」
「うっさいボケ!」
「ちょっと黙っていて欲しいですぞ」
うーむ、殿下やマリアの説得は上手くいったが、天使達の心証がかなり悪くなってしまった。今後に影響が出なければよいのだが。
「お父様!私が話をするから下がっていて!」
「ラッコ一本背負い!」
「ギャー」
マリアを投げ捨ていざキャバクラ。
「契約者殿!今の貴方はバーサーカーラッコと化してますぞ!大人しくするですぞ!」
「シェルクラッシャー!」
「ぞー!」
必殺のシェルクラッシャーでマーガレットをダウンさせる。シェルクラッシャーは相手の頭を私のお腹に押し付け、後頭部を石で殴り続けるラッコ奥義だ。さあ、邪魔者は排除した。各国のギルドに送った文面を見てここまで来た最初の同士は、果たしてどんな奴だろうか。
私はVIPルームの扉をノックして中に入る。
「マリアのお父さん…?」
「テスタメント殿下…?」
わたしはしょうきにもどった!
どうやら、強いショックを受けるとラッコマンは解除される様だ。
「「何でここにいるの?とっくに死んだものと思ってたのに??」」
テスタメント殿下、私が教育し、私の計画を台無しにし、国外追放となった元王太子。魔物にやられるか、強盗にやられるか、何らかの形で自滅するかで死んでるだろうと思っていた殿下は、どっこい生きていた。しかも、スキル試用者が座っているはずの席で私を待っていた。
「そっか、マリアもお父さんもまだ逮捕とかされてないんだ。良かったー、俺はさ、お父さんは斬首、マリアは鉱山送りぐらいになってると思ってた」
「ふっふっふ、私はしぶといのですよ。殿下もご無事で何よりです。試用者の契約により今日まで生き長らえたのですね?」
「よく分かったな」
私ガカマをかけると、殿下は肯定した。そうだ。馬鹿で雑魚で金持ちで魔王退治が目標の殿下がこの一年間無事でいるはずが無い。多分今までに三回、いや、五回は死んで自動復活の世話になっているのだろう。
「殿下、改めてご無事で何よりです」
「ありがと。で、あの張り紙はお父さんが書いたの?」
「はい。私もつい数日前に天使と契約し、スキル試用者となりまして」
「うん」
「聖女マリアに仕える四戦士を名乗り仲間を揃える事としたのです」
「うん?」
殿下は首を傾げた。横にいる女、多分殿下と契約した天使も首を傾げていた。
「スキル試用者が全部で四人居るのはご存知ですよね?」
「いや、正確な数は今知った。俺とお父さんいれて四人?」
やれやれ、どうやら殿下はあまり天使から情報を得ていない様だ。相変わらず、周りが見えていない。だからこそ利用しやすいが、少し目を離すと何をするか分からない人だ。
「ならば、最初から説明しましょう」
私はマーガレットと契約を交わし、そこから得た情報に聖女降臨の嘘を上書きして拡散した事を話した。
「既にこのアーモンド王国内では聖女会は活動を再開し、聖女マリアから力を与えられた四人の戦士が魔王を倒すという教えが広まりつつある訳です」
「お父さん、何でマリア巻き込む必要あるの?」
「私が儲かるから…、というのは理由の一つに過ぎません。ですから、殿下もヒースさんもそんな目で私を見ないで下さい」
実際、スキルとして分割された聖女の力を集めて魔王を倒しに行くだけなら、マリアが聖女とする嘘は必要ではない。私が王に頭を下げれば、試用者も集まり魔王のいる島へ行く船も用意できるだろう。しかし、それでは私達の罪は晴れない。
「殿下、そもそもの話として私達親子と貴方は聖女システムを破壊してしまった大罪人です」
「や、やっぱりそうやったんかい!今までの会話からそんな気はしとったけど!マジか…マジなんか…アタシら神様をブチ切れさせた人間相手に契約してしまってたんかー」
ヒースが顔を青ざめさせているが、今は気にしていられない。
「世間に顔が割れておらず、ただの冒険者として振る舞える殿下はともかく、私とマリアはいつどこで誰に刺されてもおかしくない立場なのです。ですから、マリアが居るから力のある者が纏まり魔王に挑むことが出来ると主張するのです。スキルと自動復活を持つ私と違い、マリアを己の身を守る手段がありません」
「そう、だな。俺もマリアには無事で居て欲しい」
「娘を守るには、殺してはならぬ存在にするしか無い。そして、この嘘は私達試用者が黙っていれば真実になります」
「分かったよ。頭の良いお父さんが考えた案なら、きっとそれが一番マリアが助かる可能性がある手段なんだろう」
私は殿下と握手した。これにて聖女の四戦士の内半分が揃った事となる。その後、この部屋に駆け込んできたマリアとマーガレットにも殿下との約束について話した。二人共本当に嫌そうな顔をしていたが、現状のベストがこれだと言ったら何とか納得してくれた。
「しかし、複雑な気分ですぞ。吾輩やヒース姉上は聖女システムの終了により生まれた天使。つまり…」
「うむ、私と殿下がやらかさなければ君達は生まれなかった訳だ。アイムユアファーザー」
「うっさいボケ!」
「ちょっと黙っていて欲しいですぞ」
うーむ、殿下やマリアの説得は上手くいったが、天使達の心証がかなり悪くなってしまった。今後に影響が出なければよいのだが。
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