和泉と六郎の甘々な日々 ～実は和泉さんが一方的に六郎さんに甘えてるだけと言う説も有るけど和泉さんはそんな説にはそっぽを向いている～

『冬はコタツでみかんだよね』の章

第55話

「……そいで！俺達の父さんより年上のくせに和泉に手を出したって言うとんでもないジジィは誰だよ」

祐介と晴介、和泉さんの弟たち。

「アンタ、なんとなくスケべったらしそーだ」

上の弟、祐介は髪を軽く伸ばした男を睨みつける。
割とハンサムなのが信用ならねー。
こーゆーオトコが普段は気取ってるくせに、家ではマザコン。
マミーとか呼んじゃって、女に逆らえなかったりするんだ。
彼が睨みつけてるのは本庄猪丸

個人の意見です。
祐介青年の勝手な主張、事実とはカンケーありませんからね。


「アンタもさっき、和泉を見る目に下心が感じられたぞ」

下の弟、晴介は髪を刈りこんだオトコにアゴを突き出す。
コイツ右に整った顔立ちの少女、左に人の良さそうなお姉さんを侍らせやがって。
そんなクセしやがって、和泉が結婚したって聞いてショックを受けてたぞ。
俺たちだってショックを受けたのだ。
見間違えるワケねー。
両手に花状態でさらに和泉にもチョッカイかけようってのか。
彼が威嚇してる先は金津新平くん。

個人の意見です。
晴介青年の勝手な主張、でもこれはだいたい事実かもなー。


「うん？　オマエまさか」

綱乃ちゃんは目つきがキツクなる。
本庄猪丸、和泉に興味をもってたような。
マミーか。
この男、呼んでるかもしれないな。

「金津くん、相手は人妻ですよ」
餅子ちゃんは白い目。

違う違うー。
ワタワタと手を振る二人。
マミーなんて言った事も無い。
僕は柿崎さんの幸せを願ってるだけであって。
やましいコトは無い。
と主張する二人である。


「いい加減にしなさい！　祐介、晴介。
　失礼でしょ」

和泉さんもそろそろ声が大きくなる。

「和泉、勝手に結婚なんて」
「俺たちが許さないぜ」

「祐介、晴介。
　アンタ達に許してもらう必要は無いの」

和泉さんが答える。
何故に姉のワタシがこの弟たちに結婚の許しを貰わないといけないのか。
全く弟の思考が理解できないなー、とか思ってる。
結婚したって伝えちゃったのは誰だろう。
父さんかな。

秀瑚ちゃんはクールに言う。

「これだから。
　やっぱり兄さん達を結婚式に呼ばなかったのは正解ね」

「結婚式！」
「結婚式？」

「何だよそれ、聞いてねーぞ」
「くっ、ヒデコちゃんの仕業か」