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『秋は栗なのか芋なのか』の章
第24話
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本庄猪丸。
ルックスはまあまあいいとは思うんだけどな。
髪かき上げたりするのがイモっぽいと思う餅子ちゃん。
金津新平。
何となく仔犬っぽい後輩キャラ。
短く刈り上げたイガグリ頭。
芋と栗だな。
失礼な感想を抱く餅子ちゃん。
現在、イモとクリが和泉さんの隣に我先にと話かけてるのだ
綱乃ちゃんはと言うと周りを気にせず、ビールを飲み干してる。
「金津くん、俺と柿崎はベテランじゃないと分からない難しい仕事の話してるから」
「本庄先輩、僕と柿崎さんはいつも一緒に仕事してますから。
本庄先輩には分からない話も多いと思います」
和泉さんは何だこれと思ってる。
仲が良いのは良い事だけれども。
アタシを間に挟んで二人で話されてもな。
男同士で話してくんないかな。
和泉さんは「ちょっと失礼」とスマホに電話がかかって来たフリ。
一度店を出ていく和泉さん。
残された本庄猪丸と金津新平はジト目で睨み合う。
「「フン」」
「金津くん、金津くん」
餅子ちゃんは新平くんのところへ。
「なんでそんなに和泉さん好きになっちゃったの?」
ブッ!
ビールを吹き出す新平くん。
「いやその、僕はですね。
好きと言いますか。
尊敬してると言いますか」
「この間『柿崎さんが好きです』って言ってたじゃない」
「そうなのか?」
「へー、金津やるじゃん」
「すごーい、年上上司に告白!」
辺りのメンバーは騒然。
金津新平くんは思わず否定。
「違いますっ。柿です、柿、果物の柿。
柿が好きだと言ったんです」
和泉さんは店を出たついでに六郎さんに電話。
用件が有る訳じゃ無いのだけど、ついアドレスを押すコト有るよね。
「プルル・プルル・プッ・・和泉さんですか」
いつもの六郎さんの優しい声。
声を聞いたら凄く顔も見たくなってしまう和泉さん。
「どうしました?」
「あの、そろそろ帰りますので……」
「ああ、分かりました」
……六郎さん機嫌は?
態度が変だったのは治りました?
そんな事を言いそうになる和泉さん。
駄目ダメ、いきなりそんなセリフ電話で言ったら失礼だよ。
そうだ。
和泉さんが悩み事が有る時は六郎さんがいつも「どうしました?」と優しい声で言って聞いてくれた。
和泉さんも六郎さんの話を聞いてあげるべきなのでは。
帰ったらそうしよう。
和泉さんが出せる一番優しい声で「六郎さん、どうしました?」と聞いてみよう。
そんな事を考える和泉さん。
すると。
「どうしました、六郎さん。いえ電話です。誰からです?。いや電話中ですよテルコ、待ちなさい・プツッ」
スマホの先で六郎さん以外の人の声。
何か口論してるような。
そしてスマホ通話は切れてしまった。
和泉さんは呆然。
だって。
今の声。
若い女性の声だった。
ルックスはまあまあいいとは思うんだけどな。
髪かき上げたりするのがイモっぽいと思う餅子ちゃん。
金津新平。
何となく仔犬っぽい後輩キャラ。
短く刈り上げたイガグリ頭。
芋と栗だな。
失礼な感想を抱く餅子ちゃん。
現在、イモとクリが和泉さんの隣に我先にと話かけてるのだ
綱乃ちゃんはと言うと周りを気にせず、ビールを飲み干してる。
「金津くん、俺と柿崎はベテランじゃないと分からない難しい仕事の話してるから」
「本庄先輩、僕と柿崎さんはいつも一緒に仕事してますから。
本庄先輩には分からない話も多いと思います」
和泉さんは何だこれと思ってる。
仲が良いのは良い事だけれども。
アタシを間に挟んで二人で話されてもな。
男同士で話してくんないかな。
和泉さんは「ちょっと失礼」とスマホに電話がかかって来たフリ。
一度店を出ていく和泉さん。
残された本庄猪丸と金津新平はジト目で睨み合う。
「「フン」」
「金津くん、金津くん」
餅子ちゃんは新平くんのところへ。
「なんでそんなに和泉さん好きになっちゃったの?」
ブッ!
ビールを吹き出す新平くん。
「いやその、僕はですね。
好きと言いますか。
尊敬してると言いますか」
「この間『柿崎さんが好きです』って言ってたじゃない」
「そうなのか?」
「へー、金津やるじゃん」
「すごーい、年上上司に告白!」
辺りのメンバーは騒然。
金津新平くんは思わず否定。
「違いますっ。柿です、柿、果物の柿。
柿が好きだと言ったんです」
和泉さんは店を出たついでに六郎さんに電話。
用件が有る訳じゃ無いのだけど、ついアドレスを押すコト有るよね。
「プルル・プルル・プッ・・和泉さんですか」
いつもの六郎さんの優しい声。
声を聞いたら凄く顔も見たくなってしまう和泉さん。
「どうしました?」
「あの、そろそろ帰りますので……」
「ああ、分かりました」
……六郎さん機嫌は?
態度が変だったのは治りました?
そんな事を言いそうになる和泉さん。
駄目ダメ、いきなりそんなセリフ電話で言ったら失礼だよ。
そうだ。
和泉さんが悩み事が有る時は六郎さんがいつも「どうしました?」と優しい声で言って聞いてくれた。
和泉さんも六郎さんの話を聞いてあげるべきなのでは。
帰ったらそうしよう。
和泉さんが出せる一番優しい声で「六郎さん、どうしました?」と聞いてみよう。
そんな事を考える和泉さん。
すると。
「どうしました、六郎さん。いえ電話です。誰からです?。いや電話中ですよテルコ、待ちなさい・プツッ」
スマホの先で六郎さん以外の人の声。
何か口論してるような。
そしてスマホ通話は切れてしまった。
和泉さんは呆然。
だって。
今の声。
若い女性の声だった。
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