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『夏はビールとアイスクリーム?』の章
第15話
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「和泉、お前もう結婚しちまえよ」
「結婚?!
誰と誰が?」
「だぁー、いい加減にしろ」
「うーん、和泉さんと六郎さんの事なんですけどね」
和泉さんに綱乃ちゃんと餅子ちゃんが二人で詰め寄る。
しゅぼぼぼぼっ。
見る間に和泉さんは顔が真っ赤。
「ほら、ちゃんと意識してるんじゃないか。
あのな、子供ならまだしもオマエもう20台終わりだぞ。
分かってんのか」
「和泉先輩、今先輩は事実婚状態です。
9年間同棲してるなら事実婚と認められる可能性は高いです」
「だから事実婚の期間の収入は二人の物。
でもこの家はどうかな。
元々六郎さんの持ち物。
二人の共有財産と言うには厳しいかも。
そうだ、遺言書。
書いて貰えばこの家だって遺産相続可能ですよ、和泉先輩」
事実婚!
誰と誰が?
「餅子、お前いきなり話が飛びすぎ!
なんで遺産の話なんだよ」
「だって、先輩。
ここ○○区ですよ。
○○区で庭付きの一戸建て。
いくらの価値有ると思ってんですか」
総務の餅子ちゃん。
総務って雑用係の様に思われてたりもするけど。
実はやる事が多い。
冠婚葬祭の手続き、中元お歳暮に令状やらなんやら。
法律関係のトラブルも会社には持ち上がる。
変な事に詳しい餅子ちゃんなのだ。
「幾らって・・・」
和泉さんと綱乃ちゃんは長尾家を見回す。
古いお家だ。
築50年以上か。
修繕をしてあるとはいえ、正直ボロい。
価値が有るとは思えない。
「この家は売れないだろ」
「分かんないよ。
こんな古いの、珍しいもん。
文化的価値が有るかも」
「だーー。
こんな家は取り壊しちゃえばいいんです」
ひどいよ、餅子ちゃん。
これでも気に入ってるお家なんだよ。
「取り壊して立て替えたってそんなの大してかかりません。
ザっと〇千万円程度」
〇千万!
大金じゃない。
死ぬまでに稼げるのかな。
「それよりこの土地。
家を新築に立て替えて、この土地だったら、
時価〇億円、もしかしたら十億越えるかもしれません」
何ですと。
「マジか、餅子」
「わたしだって専門家じゃないですから、
でも会社だって土地を購入したり、ローン組んだりするんです。
その経験で言うと、〇億円以下は有り得ないです」
「それは!
六郎さんの家と土地であって、あたしには関係無いもん」
「ちょっと落ち着こうよ、みんな」
叫んじゃう和泉さん。
「そうですね、すいません。
和泉さん」
「ああ、オレも悪かったな。
ちょっと酔いが回っちまった」
「結婚?!
誰と誰が?」
「だぁー、いい加減にしろ」
「うーん、和泉さんと六郎さんの事なんですけどね」
和泉さんに綱乃ちゃんと餅子ちゃんが二人で詰め寄る。
しゅぼぼぼぼっ。
見る間に和泉さんは顔が真っ赤。
「ほら、ちゃんと意識してるんじゃないか。
あのな、子供ならまだしもオマエもう20台終わりだぞ。
分かってんのか」
「和泉先輩、今先輩は事実婚状態です。
9年間同棲してるなら事実婚と認められる可能性は高いです」
「だから事実婚の期間の収入は二人の物。
でもこの家はどうかな。
元々六郎さんの持ち物。
二人の共有財産と言うには厳しいかも。
そうだ、遺言書。
書いて貰えばこの家だって遺産相続可能ですよ、和泉先輩」
事実婚!
誰と誰が?
「餅子、お前いきなり話が飛びすぎ!
なんで遺産の話なんだよ」
「だって、先輩。
ここ○○区ですよ。
○○区で庭付きの一戸建て。
いくらの価値有ると思ってんですか」
総務の餅子ちゃん。
総務って雑用係の様に思われてたりもするけど。
実はやる事が多い。
冠婚葬祭の手続き、中元お歳暮に令状やらなんやら。
法律関係のトラブルも会社には持ち上がる。
変な事に詳しい餅子ちゃんなのだ。
「幾らって・・・」
和泉さんと綱乃ちゃんは長尾家を見回す。
古いお家だ。
築50年以上か。
修繕をしてあるとはいえ、正直ボロい。
価値が有るとは思えない。
「この家は売れないだろ」
「分かんないよ。
こんな古いの、珍しいもん。
文化的価値が有るかも」
「だーー。
こんな家は取り壊しちゃえばいいんです」
ひどいよ、餅子ちゃん。
これでも気に入ってるお家なんだよ。
「取り壊して立て替えたってそんなの大してかかりません。
ザっと〇千万円程度」
〇千万!
大金じゃない。
死ぬまでに稼げるのかな。
「それよりこの土地。
家を新築に立て替えて、この土地だったら、
時価〇億円、もしかしたら十億越えるかもしれません」
何ですと。
「マジか、餅子」
「わたしだって専門家じゃないですから、
でも会社だって土地を購入したり、ローン組んだりするんです。
その経験で言うと、〇億円以下は有り得ないです」
「それは!
六郎さんの家と土地であって、あたしには関係無いもん」
「ちょっと落ち着こうよ、みんな」
叫んじゃう和泉さん。
「そうですね、すいません。
和泉さん」
「ああ、オレも悪かったな。
ちょっと酔いが回っちまった」
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