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貧民街の魔少年
娼館で争う男Ⅰ
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マフィアの女ボスに襲撃を受ける俺。
なんとか話をまとめ、みんな帰っていった。
俺も酒を飲んで寝よう。
独身男なのだ。
たまには女を買うのもいいじゃないか。
良いところだってのに坊主が娼館に飛び込んでくる。
……ツイてないぜ。
「ジェイスン、ずいぶん酔っているな」
僧侶姿の大男は言う。
彼を見てベッドから立ち上がってしまった、娼館の女に指を突き付ける。
「そこの娘、その客は連れていくぞ。
大人しく見ていればなにもせん」
コーザンはまだ気が付いていない。
娼館の女は僧侶の後ろに廻り、窓へと向かう退路を断つ。
「……ずいぶんじゃないか
昨日抱いた女の顔を忘れるなんて」
「むっ?!」
娼婦の声にコーザンはやっと相手が誰だか理解したらしい。
顔立ちはクッキリと整っており、美女と言えない事も無い。
しかし、その体格を見てしまったら口説く男は滅多にいないだろう。
筋肉女・ケイトだった。
隣の部屋から壁を蹴破り、アーニーが入ってくる。
部屋に入る前、俺の前を歩いていた男はコイツだ。
入り口からは黒服軍団がドヤドヤと入って来る。
俺達はサラの囮計画を実行に移したのである。
目立つように路地裏の店を何件も廻り、人気の少ない娼館へと誘いこんだ。
気付かれないようコナー・ファミリーの護衛はつけていない。
娼館以外は。
護衛をつけないで娼館に誘い込むのはのは俺のアレンジだ
この娼館だけは全てコナー・ファミリーの人間で固めておいたのである。
「アンタが気の早い男じゃ無ければ……
俺はしばらくコナーの金で豪遊し放題だったんだがな」
「ジェイスン、コナーと手を組んだか?」
「俺は冒険者だからな。
相手が誰だろうと条件次第で依頼は受けるぜ。
それが囮になれ、ってんでもな」
「一匹狼の冒険者と聞いたがな。
存外、姑息な男だな」
コーザンは偉そうな皮肉を言ってくる。
マフィアの連中に囲まれてるってのに、大した度胸だが……
「コーザン、姑息なのはどっちだい?」
「『赤いレジスタンス』に頼まれて俺を追ってると言っていたな。
むしろ逆じゃないのか。
俺を捕まえる仕事は『赤いレジスタンス』に来た依頼じゃない。
お前が勝手に貴族に売り込んだんだろう」
「貧民上がりの少年達の集まりに取り入ってどうするつもりだった?
その名前は利用しておいて、
もしもコナー・ファミリーが本気になって『赤いレジスタンス』を追ったなら、とっとと逃げ出す気だったんじゃないか」
「しかも……『赤いレジスタンス』の用心棒をやってるウチにあの薬の存在を知ったな。
レシピを盗み出したんだろう。
自分で作って裏で販売し始めた。
それも『赤いレジスタンス』の名前を使ってな。
デミアンの奴を子供と見くびり過ぎだ。
ヤツはとっくにアンタを怪しいと睨んでたぜ」
「……フフフたった一日でわしの事に随分と詳しくなったようでは無いか。
しかしまだわしを見くびってるようだな」
コーザンは男どもから逃がれ、窓へとその身を翻す。
「ここはアタシが通さない!
コーザン、ケイト・コナーを辱めたな。
その借りは返す」
ケイトの拳に鋼鉄のナックルが光る。
なんとか話をまとめ、みんな帰っていった。
俺も酒を飲んで寝よう。
独身男なのだ。
たまには女を買うのもいいじゃないか。
良いところだってのに坊主が娼館に飛び込んでくる。
……ツイてないぜ。
「ジェイスン、ずいぶん酔っているな」
僧侶姿の大男は言う。
彼を見てベッドから立ち上がってしまった、娼館の女に指を突き付ける。
「そこの娘、その客は連れていくぞ。
大人しく見ていればなにもせん」
コーザンはまだ気が付いていない。
娼館の女は僧侶の後ろに廻り、窓へと向かう退路を断つ。
「……ずいぶんじゃないか
昨日抱いた女の顔を忘れるなんて」
「むっ?!」
娼婦の声にコーザンはやっと相手が誰だか理解したらしい。
顔立ちはクッキリと整っており、美女と言えない事も無い。
しかし、その体格を見てしまったら口説く男は滅多にいないだろう。
筋肉女・ケイトだった。
隣の部屋から壁を蹴破り、アーニーが入ってくる。
部屋に入る前、俺の前を歩いていた男はコイツだ。
入り口からは黒服軍団がドヤドヤと入って来る。
俺達はサラの囮計画を実行に移したのである。
目立つように路地裏の店を何件も廻り、人気の少ない娼館へと誘いこんだ。
気付かれないようコナー・ファミリーの護衛はつけていない。
娼館以外は。
護衛をつけないで娼館に誘い込むのはのは俺のアレンジだ
この娼館だけは全てコナー・ファミリーの人間で固めておいたのである。
「アンタが気の早い男じゃ無ければ……
俺はしばらくコナーの金で豪遊し放題だったんだがな」
「ジェイスン、コナーと手を組んだか?」
「俺は冒険者だからな。
相手が誰だろうと条件次第で依頼は受けるぜ。
それが囮になれ、ってんでもな」
「一匹狼の冒険者と聞いたがな。
存外、姑息な男だな」
コーザンは偉そうな皮肉を言ってくる。
マフィアの連中に囲まれてるってのに、大した度胸だが……
「コーザン、姑息なのはどっちだい?」
「『赤いレジスタンス』に頼まれて俺を追ってると言っていたな。
むしろ逆じゃないのか。
俺を捕まえる仕事は『赤いレジスタンス』に来た依頼じゃない。
お前が勝手に貴族に売り込んだんだろう」
「貧民上がりの少年達の集まりに取り入ってどうするつもりだった?
その名前は利用しておいて、
もしもコナー・ファミリーが本気になって『赤いレジスタンス』を追ったなら、とっとと逃げ出す気だったんじゃないか」
「しかも……『赤いレジスタンス』の用心棒をやってるウチにあの薬の存在を知ったな。
レシピを盗み出したんだろう。
自分で作って裏で販売し始めた。
それも『赤いレジスタンス』の名前を使ってな。
デミアンの奴を子供と見くびり過ぎだ。
ヤツはとっくにアンタを怪しいと睨んでたぜ」
「……フフフたった一日でわしの事に随分と詳しくなったようでは無いか。
しかしまだわしを見くびってるようだな」
コーザンは男どもから逃がれ、窓へとその身を翻す。
「ここはアタシが通さない!
コーザン、ケイト・コナーを辱めたな。
その借りは返す」
ケイトの拳に鋼鉄のナックルが光る。
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