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貧民街の魔少年
ギルドで飯を食う男Ⅰ
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俺は次々に襲われる。
サメ女、怪しい坊主、マフィア。
挙句の果ては奴隷狩りと来たもんだ。
何てツイてないんだ。
俺の前には、先日俺とアリスを襲ったマントの奴が立っていた。
「……サマラ!」
「サマラちゃん」
「サマラが来てくれた」
「良かった~」
子供達が歓声を上げる。
泣きそうになってる子供までいる。
サメ女を恐れて泣いてるワケじゃなさそうだ。
喜びと安堵の涙。
どうやら既知の仲らしい。
サマラと呼ばれた奴は狂犬の様だった。
頭まで隠すマントの中から、怒りに燃えた眼差しが奴隷狩りの男どもを睨む。
真っ直線に走り出す。
その速度を乗せて、山刀が振るわれるのだ。
立ちふさがる者を容赦なく切り捨てていく。
凄まじい速度で男どもが山刀で切り殺されていく。
なんだか、映像の早送りでも見てるみたいだな。
ノンキな感想を抱いてた俺にまで、その凶器が向けられる。
マントの中から光る目が俺を捉えるのである。
「…………キサマ!
……どこかで見た覚えがあるな」
俺は内心ずっこけた。
昨日、俺とアリスはこの女に殺されかけたのだが、サメ女は覚えてないらしい。
「待って! サマラ」
「その人は僕たちを助けてくれたよ」
幼い子供達が口々に叫ぶ。
ありがたいねぇ。
しかしサマラは俺を睨みながら迷っている様子だ。
俺を狙って憩いの広場を流血の大惨事にした女だ。
見境という物があるだろうか。
しかたないので俺も剣を構える。
「……駄目だ、サマラ!
その人は敵じゃない」
銀髪の美少年の声だった。
「サマラ、敵はあっちだ!」
奴隷狩りを指して言う。
「……その人は恩人だ。
殺しちゃダメだ」
「デミアンが言うなら……分かった」
サマラは俺を睨むのを止めてくれた。
その物騒な凶器は奴隷狩りの男どもへと向かう。
どうやら俺は美少年に認められるのに成功したらしい。
その後はサメ女の独壇場だった。
俺も無論加勢したし、子供達もダーツでフォローしたが……必要無かったかもしれない。
そのくらいあっけなく男たちは片付いた。
相手が剣を構えていようが、迷いなく突っ込むサマラの気力が半端な奴隷狩りを圧倒したのである。
俺はサマラに切られたヤツを縛り上げ、逃げないようにするくらいしかする事が無かった。
「僕は感動しました。
あなたはスゴイ人だ。
死ぬような傷を受けながら、たった一人で闘い続けた」
「……初めて会った子供たちのために命懸けで闘う。
おとぎ話の英雄以外そんなコトありえないと思ってた。
……あなたは僕の英雄です」
「おいおい……
やめてくれよ。
いくら何でも褒めすぎだ。
おれはマヌケな冒険者で通ってるんだぜ。
少しばかり痛みに鈍感なだけだよ」
銀髪の美少年が俺に礼を言い、手放しで褒めてくる。
照れるがまぁいいだろう。
このところ苦難の連続なのだ。
たまには誰かに褒めてもらわなきゃやってられない。
俺の方も少年に言わなきゃならない事が有る。
「デミアン……でいいのか?」
「はい、僕の名です」
「デミアン。
今後は妹に躰を売らせるな!」
「は……はい」
「金を工面する方法なら俺も協力する」
「あの……妹は清い身体です」
「……?……」
少年は薬でぼーっとした男をさらに酔わせて来たらしい。
酩酊した男たちは妹を犯してるつもりで……近所の犬相手に腰を振ってるワケ。
デミアンは笑いながら説明した。
俺は自分にロリコンの気が無かったことに感謝した。
一歩間違えれば、犬相手に交尾してる姿をデミアンに見られていたかもしれない。
サメ女、怪しい坊主、マフィア。
挙句の果ては奴隷狩りと来たもんだ。
何てツイてないんだ。
俺の前には、先日俺とアリスを襲ったマントの奴が立っていた。
「……サマラ!」
「サマラちゃん」
「サマラが来てくれた」
「良かった~」
子供達が歓声を上げる。
泣きそうになってる子供までいる。
サメ女を恐れて泣いてるワケじゃなさそうだ。
喜びと安堵の涙。
どうやら既知の仲らしい。
サマラと呼ばれた奴は狂犬の様だった。
頭まで隠すマントの中から、怒りに燃えた眼差しが奴隷狩りの男どもを睨む。
真っ直線に走り出す。
その速度を乗せて、山刀が振るわれるのだ。
立ちふさがる者を容赦なく切り捨てていく。
凄まじい速度で男どもが山刀で切り殺されていく。
なんだか、映像の早送りでも見てるみたいだな。
ノンキな感想を抱いてた俺にまで、その凶器が向けられる。
マントの中から光る目が俺を捉えるのである。
「…………キサマ!
……どこかで見た覚えがあるな」
俺は内心ずっこけた。
昨日、俺とアリスはこの女に殺されかけたのだが、サメ女は覚えてないらしい。
「待って! サマラ」
「その人は僕たちを助けてくれたよ」
幼い子供達が口々に叫ぶ。
ありがたいねぇ。
しかしサマラは俺を睨みながら迷っている様子だ。
俺を狙って憩いの広場を流血の大惨事にした女だ。
見境という物があるだろうか。
しかたないので俺も剣を構える。
「……駄目だ、サマラ!
その人は敵じゃない」
銀髪の美少年の声だった。
「サマラ、敵はあっちだ!」
奴隷狩りを指して言う。
「……その人は恩人だ。
殺しちゃダメだ」
「デミアンが言うなら……分かった」
サマラは俺を睨むのを止めてくれた。
その物騒な凶器は奴隷狩りの男どもへと向かう。
どうやら俺は美少年に認められるのに成功したらしい。
その後はサメ女の独壇場だった。
俺も無論加勢したし、子供達もダーツでフォローしたが……必要無かったかもしれない。
そのくらいあっけなく男たちは片付いた。
相手が剣を構えていようが、迷いなく突っ込むサマラの気力が半端な奴隷狩りを圧倒したのである。
俺はサマラに切られたヤツを縛り上げ、逃げないようにするくらいしかする事が無かった。
「僕は感動しました。
あなたはスゴイ人だ。
死ぬような傷を受けながら、たった一人で闘い続けた」
「……初めて会った子供たちのために命懸けで闘う。
おとぎ話の英雄以外そんなコトありえないと思ってた。
……あなたは僕の英雄です」
「おいおい……
やめてくれよ。
いくら何でも褒めすぎだ。
おれはマヌケな冒険者で通ってるんだぜ。
少しばかり痛みに鈍感なだけだよ」
銀髪の美少年が俺に礼を言い、手放しで褒めてくる。
照れるがまぁいいだろう。
このところ苦難の連続なのだ。
たまには誰かに褒めてもらわなきゃやってられない。
俺の方も少年に言わなきゃならない事が有る。
「デミアン……でいいのか?」
「はい、僕の名です」
「デミアン。
今後は妹に躰を売らせるな!」
「は……はい」
「金を工面する方法なら俺も協力する」
「あの……妹は清い身体です」
「……?……」
少年は薬でぼーっとした男をさらに酔わせて来たらしい。
酩酊した男たちは妹を犯してるつもりで……近所の犬相手に腰を振ってるワケ。
デミアンは笑いながら説明した。
俺は自分にロリコンの気が無かったことに感謝した。
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