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貧民街の魔少年

廃墟で戦う男Ⅰ

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俺はサメ女に襲われ、マフィアに襲われ、坊主に襲われる。
ツイてなさ過ぎるだろう。
廃墟に逃げ込んだ俺を今度は幼い少女がベッドで襲う。
俺にロリコン趣味は無い。
無いったら無いんだ!



少女の手が身体に触れると魔法のように俺の身体からは衣服がはぎとられていた。
俺は全く抵抗できないでくの棒になっていた。

人形の様だった少女が、今は男の性を吸い取って生きるサキュバスのように感じられた。

細い指先が這うのだ。
俺の胸元を、腹を、背筋を……
俺は少女の指先を感じるだけの生き物になっていた。

俺は自分の身体の異変を感じる。
下半身が熱い。
自分の男が猛り狂っているのだ。

……こんなバカな……

俺は子供と寝たいと思ったことは一度も無い。
少女は日本であれば手を出すとお巡りさんが飛んでくる年齢だ。

俺はベッドから抜け出そうとするが、全く力が入らない。
筋肉など一切ついていないように見える少女の手は無限の力を持って俺を征服した。

少女の華奢腕から伸びる細い指先。
薄暗がりの中白く光るそれが……伸びる先は俺の下半身……
その指が辿り着いた瞬間、どのような快楽が待っているのか。
俺はそれを想像して身を震わせる。

……いけない!……

…………グッ!
身体を痛みが駆け抜けるとともに、俺は魔法から解き放たれていた。

少女の手を抑える。
先ほどまでが嘘のように少女の手には力が無い。
弱々しい腕をつかみ少女をベッドに寝かせ、その小さい身体を毛布で覆い隠す。

俺はベッドから身を起こす。
テーブルに有った酒瓶を掴み、窓際に行って飲み干す。
意識がハッキリしてくるのを感じる。

……待てよ!

「酒には薬を入れてないだろうな!」


美少年は肩をすくめてみせた。

「入れてないよ。
 ……オジサンさっき何をしたの?」
「俺はここに来て食べても呑んでもいないぞ。
 ……香料か?」

「自分の胸をナイフで刺したように見えたよ。
 何のトリック?」

そう、俺はナイフで自分の胸を刺していた。
即引き抜いたし一瞬で傷も治ったから、少年には何が起きたか分からなかった筈だ。

その瞬間身体に回っていた毒だか薬の効果も消えた。
効果が消えればなんてことは無い。

相手はただの子供だ。
先ほどまで魔的な魅力で俺を惹きつけた妖女はもういない。
ベッドに居るのは病的に白い肌、痩せっぽちの少女だ。
その様子は俺の中の子供に対する保護欲を呼び覚ました。



「下でパレードでもやってるんじゃないか?
 参加しなくていいのか」

怪しむ様に俺の様子を窺っている少年に語り掛ける。
別に注意を逸らそうとデタラメを言ったんじゃない。

本当に少し前から階下が五月蝿いのだ。
喋り声とかそういう程度の物では無い。


「あの……大変なんだ!」

子供が一人2階へ上がってくる。
怯えるような様子。
普段2階に上がるなと言われているのかもしれない。

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