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貧民街の魔少年
夜の街を逃げる男Ⅱ
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ケイト・コナーは先ほどまでの素手では無い。
拳に鉄製のナックルを嵌めていた。
メリケンサックと呼ばれる武器である。
軽いステップを踏みながら、コーザンを睨みつける女。
ケイトは本気になっていた。
女の身で命懸けの戦いを生き抜いてきたのだ。
鍛えあげた誇るべき肉体をとことん使う。
力まかせにぶん殴るチンピラ相手のケンカは終わりである。
ステップを踏み、フェイントを入れながらショートフックを敵に喰らわせる。
普通なら大したダメージにならないような軽いフックが鉄のナックルによって破壊力が上がる。
かすめただけの拳が相手の骨を折るのである。
今までも猛者を何人も倒して戦闘法だ。
ありがたいことに相手の武器は棒だった。
リーチは有るものの刃物では無い。
人間の身体ではいくら鍛えたとしても、刃物傷は致命傷になりかねない。
急所を避けても血が流れる。
血を流せば動きも鈍る。
棒の打撃ならば。
ケイトの身体は鍛えている。
相当なダメージを喰らっても倒れはしない。
ケイトには自信があった。
「……ケイトさん、やめようぜ。
わしはあんたにケガさせたくない」
コーザンは先ほどと同様に避け続ける。
円の動きで逃げるのだ。
さほど素早い動作とも見えないのに、するすると身を躱す。
おそらく相手の視線を見て、攻撃ポイントを察知しているのだ。
先読みして身を躱す。
誰にでも出来る芸当では無い。
しかし徐々にケイトの拳がコーザンを捉える。
ケイトがそれに気づきフェイントを入れているのだ。
目線は左を見ながら、右からの攻撃。
そしてかすめた拳でも鋼鉄製のナックルで打たれればダメージとなる。
コーザンはいまだにまともに反撃をしていない。
なんだこれは…………
ケイトは戸惑っていた。
身体が重いのだ。
疲れたのではない。
日々トレーニングしている。
自分の身体がどの程度の運動量でへたばるかは良く知っている。
まだこんなに身体が重く感じるハズは無い。
「……そろそろ止めないか。
疲れているんだろ」
「五月蝿いっ!」
拳を振るうがコーザンには当たらない。
そして、彼女の身体の異変がもう一つ。
下半身が熱いのだ。
ケイトは性行為に興味が無い。
男性経験は有るが、ハマることは無かった。
自分の肉体を鍛え、その肉体で敵対した男をぶちのめす快感に比べて、その快感は比較にならないくらいちっぽけだった。
ほとんど自分で意識したことも無いケイトの女性部分が反応していた。
下着がすでに濡れているのが分かる。
ホットパンツの上からも分かってしまうのではないかと気になる。
ケイトは荒い息をつく。
高い鼻梁がふくらんでいる。
その頬は紅潮し、青い目が潤んできていた。
「ふふふふ
動けないんじゃないか」
「……キサマ……
……なにかしたな……」
「気づくのが遅すぎるな。
香料だよ。
身体の動きは鈍くなるがアッチの感覚だけは異常に敏感になる。
普通の女ならとっくに夢心地の筈なんだが……
さすがに並大抵の女じゃないな」
コーザンは内心つぶやく。
この女もスゴイが、あの男もだ。
先ほどの鉄棒の手応え!
ケイトに驚き、コーザンは逃げるジェイスンに手加減が出来なかった。
殺した場合と捕まえた場合じゃ賞金が倍以上違う。
殺ってしまった、と思った。
それが既にこの場にいない。
逃げおおせている。
ケイトは膝を地面についていた。
後ろから近づいたコーザンが彼女を抱きしめる。
筋肉女は振りほどこうとするが力が出ない。
「ははははははは
男が欲しいとオマエの身体中が言っているぞ」
「バ、バカな……
アタシは男なんか……」
コーザンがケイトの胸に手を伸ばす。
「何というオッパイだ」
コーザンがシャツをまくり上げる。
みごとに割れた腹筋の上に胸筋が続き、さらに突き出た胸部があらわになる。
「これだけデカイのにたるみが一切ない。
美しい、美しいぞ」
「バカ……やめろ……
……ううっ」
「体はやめろと言っていないぞ」
コーザンが下半身に手を伸ばす。
そこはすでに男を迎え入れる準備ができている
「男女の交わりこそ神から全ての生物への贈り物よ。
ケイト、神の快楽を感じるが良い」
拳に鉄製のナックルを嵌めていた。
メリケンサックと呼ばれる武器である。
軽いステップを踏みながら、コーザンを睨みつける女。
ケイトは本気になっていた。
女の身で命懸けの戦いを生き抜いてきたのだ。
鍛えあげた誇るべき肉体をとことん使う。
力まかせにぶん殴るチンピラ相手のケンカは終わりである。
ステップを踏み、フェイントを入れながらショートフックを敵に喰らわせる。
普通なら大したダメージにならないような軽いフックが鉄のナックルによって破壊力が上がる。
かすめただけの拳が相手の骨を折るのである。
今までも猛者を何人も倒して戦闘法だ。
ありがたいことに相手の武器は棒だった。
リーチは有るものの刃物では無い。
人間の身体ではいくら鍛えたとしても、刃物傷は致命傷になりかねない。
急所を避けても血が流れる。
血を流せば動きも鈍る。
棒の打撃ならば。
ケイトの身体は鍛えている。
相当なダメージを喰らっても倒れはしない。
ケイトには自信があった。
「……ケイトさん、やめようぜ。
わしはあんたにケガさせたくない」
コーザンは先ほどと同様に避け続ける。
円の動きで逃げるのだ。
さほど素早い動作とも見えないのに、するすると身を躱す。
おそらく相手の視線を見て、攻撃ポイントを察知しているのだ。
先読みして身を躱す。
誰にでも出来る芸当では無い。
しかし徐々にケイトの拳がコーザンを捉える。
ケイトがそれに気づきフェイントを入れているのだ。
目線は左を見ながら、右からの攻撃。
そしてかすめた拳でも鋼鉄製のナックルで打たれればダメージとなる。
コーザンはいまだにまともに反撃をしていない。
なんだこれは…………
ケイトは戸惑っていた。
身体が重いのだ。
疲れたのではない。
日々トレーニングしている。
自分の身体がどの程度の運動量でへたばるかは良く知っている。
まだこんなに身体が重く感じるハズは無い。
「……そろそろ止めないか。
疲れているんだろ」
「五月蝿いっ!」
拳を振るうがコーザンには当たらない。
そして、彼女の身体の異変がもう一つ。
下半身が熱いのだ。
ケイトは性行為に興味が無い。
男性経験は有るが、ハマることは無かった。
自分の肉体を鍛え、その肉体で敵対した男をぶちのめす快感に比べて、その快感は比較にならないくらいちっぽけだった。
ほとんど自分で意識したことも無いケイトの女性部分が反応していた。
下着がすでに濡れているのが分かる。
ホットパンツの上からも分かってしまうのではないかと気になる。
ケイトは荒い息をつく。
高い鼻梁がふくらんでいる。
その頬は紅潮し、青い目が潤んできていた。
「ふふふふ
動けないんじゃないか」
「……キサマ……
……なにかしたな……」
「気づくのが遅すぎるな。
香料だよ。
身体の動きは鈍くなるがアッチの感覚だけは異常に敏感になる。
普通の女ならとっくに夢心地の筈なんだが……
さすがに並大抵の女じゃないな」
コーザンは内心つぶやく。
この女もスゴイが、あの男もだ。
先ほどの鉄棒の手応え!
ケイトに驚き、コーザンは逃げるジェイスンに手加減が出来なかった。
殺した場合と捕まえた場合じゃ賞金が倍以上違う。
殺ってしまった、と思った。
それが既にこの場にいない。
逃げおおせている。
ケイトは膝を地面についていた。
後ろから近づいたコーザンが彼女を抱きしめる。
筋肉女は振りほどこうとするが力が出ない。
「ははははははは
男が欲しいとオマエの身体中が言っているぞ」
「バ、バカな……
アタシは男なんか……」
コーザンがケイトの胸に手を伸ばす。
「何というオッパイだ」
コーザンがシャツをまくり上げる。
みごとに割れた腹筋の上に胸筋が続き、さらに突き出た胸部があらわになる。
「これだけデカイのにたるみが一切ない。
美しい、美しいぞ」
「バカ……やめろ……
……ううっ」
「体はやめろと言っていないぞ」
コーザンが下半身に手を伸ばす。
そこはすでに男を迎え入れる準備ができている
「男女の交わりこそ神から全ての生物への贈り物よ。
ケイト、神の快楽を感じるが良い」
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