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その6 危険な瞳

第78話 ヴィルーパークシャ

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泉から現れた目玉だらけの怪物。
象に似た魔物ダェーヴァ
ヴィルーパークシャ。

戦士たちは怯えてるわ。
わたしも正直、怖いと言うか。
にゃによりキモチワルイ。
だって。
身体中目だらけにゃのよ。
たまにまばたきしたり、睫毛もちゃんと生えてるのがますますブキミ。
あまり見たくにゃいわ。
観察してたらアタマがおかしくにゃりそう。


「チッ、バカでかいし、気持ち悪いけどよ。
 目が多いだけだろ。
 目なんて弱点の代表みたいなモンじゃねーか。
 どこを攻撃したって、目に刺さる。
 そうしたらアイツ大ダメージだぜ。
 楽勝じゃねーか」

乱暴なコトを言い出したのはサイラスね。
性格悪そうな目つきの細身で背の高い男。

 
「そうだね、戦わないワケに行かない。
 ならシラスくんの言った通り、目を狙うべきだろうな」

うーん。
確かに目玉と言えば柔らかいし、刺されたら大ダメージ。
もし人間がやられたら視界も失うし、反撃どころじゃにゃい。
だけど。
相手はヴィルーパークシャ。
『ありとあらゆる目を持つ者』
『おぞましき目をした怪物』
身体中に目玉の付いてるバケモノよ。

わたしはにゃんだか近寄るべきじゃにゃい。
そんにゃ気がしてしょうがにゃい。

でもにゃー。
この泉や森。
ニャーヒード様の泉を魔物ダェーヴァだらけにしてしまった、その原因。
それこそ、あの目玉だらけの象にありそう。
そんにゃコトも感じているの。

泉の方角から感じていた黒い瘴気。
現在は泉からと言うよりも。
あの魔物から噴き出してくる。
そんにゃ風に感じられるの。


「俺が突っ込みます。
 仕留めたら、俺の手柄にしてくださいよ」

そんにゃセリフを言ってるのはサイラスね。
さっきタウエレトに槍を壊されてたけど。
誰かから借りたのかしら。
別の槍を構えてる。

「サイラス、大丈夫か?」

「なら、弓で援護するぜ」

サイラスはエラティ隊長に確認を取ってる。

「良いですか?
 エラティ隊長」

「良いよー。
 でも。
 危なくなったら、ちゃんと逃げるんだよ」

エラティさんは軽く応える。
そんにゃ簡単にオーケーしちゃって良いの?
わたしスゴク嫌な予感がしてるのよ。
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