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その6 危険な瞳

第77話 目

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にゃにあれ?
にゃにあれ、にゃにあれーーっ?!

気持わるっ!

目よ、大きな目玉。

水面から出てきたのは巨大な動物。
耳が有って、手足が有って大きにゃ胴体、さらに頭部からにゃがーいおはにゃが伸びてるの。
おはにゃ、お鼻ね。

そのフォルムだけ見ると象さん、お鼻のにゃがーい生き物。

だけど象さんじゃにゃいわ。
間違いにゃい。
間違いようがにゃい。

だって一つ目にゃの。
象の額からにゃがーいおはにゃまでの部分。
顔の部分に丸々目玉にゃの。
おおきにゃ一つ目。

近付いてくる象の魔物ダェーヴァ
身体を観察したら、さらに気持ち悪かった。

至る所に目があるのよ。
背にゃかに肩に、四つ足の中央にも後頭部にも、尻尾の部分にまで瞳だらけにゃの。

気持悪い、きもちわるい、キモチワルーイ!

……落ち着きましょう。
落ち着いてわたし。

野生の象さんじゃにゃいのは間違いにゃい。
魔物ダェーヴァにゃんだわ。

『百目鬼』とか言ったかしら。
水木しげるさんの妖怪絵で見た覚えの有る気がするバケモノ。
身体中に目があるの。
そんにゃのと似たバケモノね。

わたしの身体は竦んでいる。
まだこの象の魔物ダェーヴァににゃにをされた訳でもにゃいんだけど。
見ただけで身体中の毛が逆立っている。
わたしの細くて優美にゃ尻尾が膨らんじゃってる。
毛が全部立って太く見えてるの。


タウエレトにトドメを刺していた戦士たちも気が付いた。

「なんだ、アレ?!」
「なんかデッカイのが?!」

「象か、象だろ」
「こんなトコに象がいるかよ。
 もっと南の方か、ヴェーダ国の方だろ」

「でもあのサイズとあの長い鼻、象だろ」

「…………いや……
 ありゃ、タダの象じゃねえ」

「エッ?」
「じゃ、何だって言うんだよ」

「……あれは……あれは……」
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