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その2 護衛団のマイペースな人々
第40話 神々
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にゃにかしら?
エステルちゃんが中年男にはにゃしかけてる。
「あの少しだけ伺っても良いですか?」
アントナンさんは戸惑いながらも頷いてるわ。
「え、ええ。
エステルさんでしたっけ。
年齢は離れてますけど、同じ新入りですし。
そんなにかしこまらなくても良いですよ」
と言いつつ、アントナンさんも敬語じゃにゃいのよ。
「エウロペの方たちから見るとホルムスの神々は魔物に見えるってホントウですか?」
「その…………
少し書物で読んだんですけど、中でもルドラ神は邪神として恐れられてるって」
「うん、ああ、神々ね。
私たちの国では神は一人だけなんだ。
イェホヴァ神。
それ以外は邪教の神なんて言われてるね」
「けど私も船乗りだ。
いろんな国を見ている。
魔物だなんて思ったりはしないよ。
それで……
なんだっけルドラ神?
すまないが、その区別までつかない」
「はい。
風の神ルドラ様。
12大神の一員で三つの貌を持つと言われています」
「ああ、船乗りが良く言うね。
風のルドラ様、良い風を吹かせてください、って。
でも。
確かに三つの貌か。
身体から三個も頭が生えてるのは確かに私たちから見ると気持ち悪いかな」
「……そうですか」
「分かりました。
ありがとうございます」
エステルちゃんが頭を下げて、アントナンさんが帰っていくわ。
「あれっ、ここ何処?
アタシのベッドじゃないの?」
ステュティラちゃんが起きたみたい。
まだ寝ぼけてるわね。
「ステュティラちゃん、もう帰るよ。
しっかりして」
わたしってば大分寝ちゃったみたい。
ステュティラちゃんを笑えにゃいわね。
「もうお仕事終わりの時間かな。
ボクも隊舎に帰って寝ようかな」
エラティさんは腕を上げて伸びをしている。
エラティさん、まだ寝るの。
さっきまで充分寝てたじゃにゃいの。
「エラティ、そんなトコロに居たのか!
探したんだぞ。
早く降りて来い」
樹の下から声がして。
見て見ると長い黒髪の男の人。
ナシール副団長ね。
普段から鋭い目つきが更に吊り上がってる。
エラティさんに怒ってるのかしら。
横には体格の良い男性。
クマさんみたい。
団長さんね。
名前はアザムさんだったかしら。
「はーい。
ゴメンなさーい」
エラティ隊長はそう言って。
枝の上から飛び降りる。
結構な高さだってのにやるわね。
枝と枝を足場にして、スタッと地面に着地。
猫みたいじゃにゃいの。
エステルちゃんが中年男にはにゃしかけてる。
「あの少しだけ伺っても良いですか?」
アントナンさんは戸惑いながらも頷いてるわ。
「え、ええ。
エステルさんでしたっけ。
年齢は離れてますけど、同じ新入りですし。
そんなにかしこまらなくても良いですよ」
と言いつつ、アントナンさんも敬語じゃにゃいのよ。
「エウロペの方たちから見るとホルムスの神々は魔物に見えるってホントウですか?」
「その…………
少し書物で読んだんですけど、中でもルドラ神は邪神として恐れられてるって」
「うん、ああ、神々ね。
私たちの国では神は一人だけなんだ。
イェホヴァ神。
それ以外は邪教の神なんて言われてるね」
「けど私も船乗りだ。
いろんな国を見ている。
魔物だなんて思ったりはしないよ。
それで……
なんだっけルドラ神?
すまないが、その区別までつかない」
「はい。
風の神ルドラ様。
12大神の一員で三つの貌を持つと言われています」
「ああ、船乗りが良く言うね。
風のルドラ様、良い風を吹かせてください、って。
でも。
確かに三つの貌か。
身体から三個も頭が生えてるのは確かに私たちから見ると気持ち悪いかな」
「……そうですか」
「分かりました。
ありがとうございます」
エステルちゃんが頭を下げて、アントナンさんが帰っていくわ。
「あれっ、ここ何処?
アタシのベッドじゃないの?」
ステュティラちゃんが起きたみたい。
まだ寝ぼけてるわね。
「ステュティラちゃん、もう帰るよ。
しっかりして」
わたしってば大分寝ちゃったみたい。
ステュティラちゃんを笑えにゃいわね。
「もうお仕事終わりの時間かな。
ボクも隊舎に帰って寝ようかな」
エラティさんは腕を上げて伸びをしている。
エラティさん、まだ寝るの。
さっきまで充分寝てたじゃにゃいの。
「エラティ、そんなトコロに居たのか!
探したんだぞ。
早く降りて来い」
樹の下から声がして。
見て見ると長い黒髪の男の人。
ナシール副団長ね。
普段から鋭い目つきが更に吊り上がってる。
エラティさんに怒ってるのかしら。
横には体格の良い男性。
クマさんみたい。
団長さんね。
名前はアザムさんだったかしら。
「はーい。
ゴメンなさーい」
エラティ隊長はそう言って。
枝の上から飛び降りる。
結構な高さだってのにやるわね。
枝と枝を足場にして、スタッと地面に着地。
猫みたいじゃにゃいの。
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