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その2 護衛団のマイペースな人々

第35話 美しくて聡明な……

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「じゃあ、新入りのみなさーん。
 アタシが5番隊の隊長 バゼルさんよー。
 ハッキリ言ってアタシ女の子キライだから、あんま近づいて来ないでね」
「バゼルさんー。
 エステル……さんもステュティラも女の子ですよ。
 そんな挨拶は無いです」

「えー、ホントウのコトだもんー。
 アタシ、ウソも嫌いなのー」
「もう少しやる気出してくださいよー」

バゼル隊長が挨拶してるけど。
もうムチャクチャね。
アレシュ青年がにゃんとかしようと焦ってるわ。


「だって、今回の新入りって女の子2人に、オッサン1人よ。
 どうやってやる気出せってゆーのよ」

その言葉でわたしは生徒側に座った人を観察する。
エステルちゃん、いつも可愛いわー。
姿勢よく机に座ってるのが似合う。
文学少女風ね。
隣にはステュティラちゃん。
目を広げて、面白そうにバゼルさんを見てる。

「エステル、エステル。
 アレってばウワサに聞くオカマさんじゃないの?
 心は女なのに男に産まれちゃったって言う……」
「しーっ、。
 声が大きい、聞こえるよ」

さらにもう一人、男の人。
見習いにゃんて年齢じゃにゃいわ。
30代くらいかしら。
金髪を短めに剃った白い肌の男の人。
この辺の国の人じゃにゃいわね。


「アナータ、今ナニカとんでもない事言ったわね」

あら、バゼルさんがステュティラちゃんに迫ってるわ。
さっきまで教壇に居たハズの隊長。
現在はステュティラちゃんの横、前かがみになって顔を近づけてるわ。

少し垂れ目だけど、睫毛からブラウンの瞳が見えてる。
下まで睫毛が長いのね。
鼻筋はクッキリと高い。
なかなかの美形。

ステュティラちゃんはハンサムな顔が近付いてきてタジタジね。

「いえ、何も言ってないわよ」

「聞こえたのーよ!
 イイコト、アナータ!」

ビシっとひとさし指を指すバゼル隊長。
突き出す先はステュティラちゃん。

「アターシは男。
 間違いなく男、紛れもなく男。
 美しくて聡明でカッコ良くて力強い。
 そんな素敵な男性なーの。
 それ以外では有り得ないわ。
 それを……
 オカマですってーーーー!!!
 アイツラは敵よっ!
 せっかく美しくて聡明でカッコ良いオトコに産まれついたって言うのに。
 醜くて、他人に媚を売る事しか考えないカッコ悪いイキモノ、オンナになりたがる、キモチ悪いぶわぁか。
 それがオカマよ。
 なんでアタシがそんなのと一緒にされなきゃいけないのよっ!」

あいたたた。
聴覚を良くし過ぎたかしら。
バゼル隊長の声が耳に響く。
これが金切り声ってヤツにゃのね。
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