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その2 護衛団のマイペースな人々

第31話 エラティ隊長

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あら、アレシュ青年がいるわ。
護衛団の建物に戻ったわたし。
そこに見知った青年がやってきたの。

「おや、アレシュ、今日は非番じゃなかった?」
「あっ、エラティ隊長。
 そうなんです。
 非番なんですがナシール副団長に急に呼び出されたんです」

アレシュ青年がエラティと呼んだのはさっきの男の人。
わたしの動きについて来た美少年。
ふーん、若いのに隊長なんだ。

アレシュ青年はその姿を見て首を傾げる。

「エラティさん、また猫抱いてますね。
 ネコ好きですよね……って。
 そのネコ、男爵?」

そうにゃの。
わたしは現在エラティと呼ばれた男の人の腕のにゃか。
抱かれてるの。

普段、ヘレーナさんかエステルちゃん以外の人に気安く抱かれたりしにゃいわたし。
にゃんだけど、干し魚も貰っちゃったし。
この男の子、にゃかにゃか美少年だし。
たまにはいいじゃにゃいよ。

「アレシュの猫なの?」
「いえ、知ってる人の飼い猫にそっくりで……
 違うかな、おーい男爵」

アレシュ青年が呼びかけるけど、わたし男爵ってにゃまえ気に入ってにゃいの。
みゃーって素敵なにゃまえがあるんだからね。
そっぽを向いて反応しにゃいわたしにゃの。

「あれ……やっぱり違うのかな。
 でも似てると思うんだけど」

「アレシュ、ナシールさんに呼ばれてるんじゃないの?
 遅れたらまた怒鳴られるよ」

「ナシールさん、すぐ怒鳴りますからね。
 でも大丈夫です。
 新人の見習いを学問部屋に連れて来いって言われてるんです。
 副団長はそっちで待ってるらしくて」


そう言ってるうちに、姿を現す二人。
白い肌、ショートカットでウェーブのかかった明るい色の髪。
美少女、エステルちゃん。
健康そうに日焼けした肌。
相変わらずオヘソを覗かせてるわね。
元気少女、ステュティラちゃん。

「あ、エステル……さん。
 次は学問部屋に行くよ。
 俺が案内する」 
 
「アレシュ、何やってんの?
 今日は非番だって言ってたじゃない」

反応したのはステュティラちゃんね。
エステルちゃんは寧ろ、わたしの方を見てるわ。

「うるさいな……
 仕方ないだろ。
 俺は副団長の信用が厚いからな。
 呼び出されたんだ。
 俺にしか出来ない用事が有るって」

ホントウかしら。
エステルちゃんの前で見栄を張ってるんじゃにゃいの。
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