30 / 102
その2 護衛団のマイペースな人々
第29話 ナシール副団長
しおりを挟む
「良いか、ステュティラ。
アザム団長に迷惑をかけるんじゃないぞ」
ステュティラちゃんに注意してるのはそのお父さんね。
ターヒルさんだったかしら。
武術道場の先生なんて言うから、どんな大男かと思うと優しい顔の男の人なの。
でも剣を握ると豹変するらしいわ。
ステュティラちゃんは剣を持たせるとアクマになるだなんて言ってる。
「エステルさん、貴方も頑張って下さい。
いつもステュティラが迷惑かけます。
馬鹿なマネしていたら叱ってやってください」
「はい、ターヒル先生。
あっ、いいえ。
むしろわたしがステュティラちゃんにはお世話になってるんです」
「もー、父さん。
話が長い。
遅くなっちゃうわよ」
遅くなったのはステュティラちゃんが寝ていて、起こしに来たアレシュ青年をタコ殴りにしていたからにゃんだけど。
エステルちゃんとステュティラちゃんは坂道を登っていく。
行く先は護衛団の建物ね。
「父さん、最近ホントウにうるさいわ。
アザム団長に迷惑をかけるんじゃない、って何回言えば気が済むのかしら」
「ターヒル先生、団長さんと知り合いなんだね」
「うん、なんだか恩義が有るらしいわ。
父さん、元護衛団だったんだけど。
退団する時に素直に辞めさせてくれて、あの道場を出す時に護衛団の新人を斡旋してくれたのが団長らしいわ」
「へー、団長さんいい人」
「逆に副団長のナシールとは仲が悪いらしいわ。
勝手な都合で団を抜けたって父さんに言ってるし、ものすごく厳しいらしいわよ」
「ナシール副団長、聞いた事あるわ。
鬼のナシールって有名じゃない。
強いし、頭も良い、オマケにハンサムってウワサね」
にゃーにそれ、完璧超人じゃにゃい。
逆に胡散臭いわ。
「ハンサム?
気になっちゃうわー。
父さんも気を付けろとは言ってたけど。
でも悪い人間じゃないんだと言ってたわね」
ステュティラちゃんはそう言うけど。
人間てそんにゃに完璧じゃにゃいものよ。
ナシール副団長、要注意ね。
わたしは二人に気付かれにゃいよう、建物の上を歩いてるの。
屋根の上をお散歩ね。
すると見えて来る建物。
この街には派手な色、白を基調に青や金色の派手な色で塗られた建物が多いんだけど、地味なレンガ色。
あれね、護衛団の本部。
高台から街を見守りつつ、何か有ったらすぐ出動出来るようにしているのね。
アザム団長に迷惑をかけるんじゃないぞ」
ステュティラちゃんに注意してるのはそのお父さんね。
ターヒルさんだったかしら。
武術道場の先生なんて言うから、どんな大男かと思うと優しい顔の男の人なの。
でも剣を握ると豹変するらしいわ。
ステュティラちゃんは剣を持たせるとアクマになるだなんて言ってる。
「エステルさん、貴方も頑張って下さい。
いつもステュティラが迷惑かけます。
馬鹿なマネしていたら叱ってやってください」
「はい、ターヒル先生。
あっ、いいえ。
むしろわたしがステュティラちゃんにはお世話になってるんです」
「もー、父さん。
話が長い。
遅くなっちゃうわよ」
遅くなったのはステュティラちゃんが寝ていて、起こしに来たアレシュ青年をタコ殴りにしていたからにゃんだけど。
エステルちゃんとステュティラちゃんは坂道を登っていく。
行く先は護衛団の建物ね。
「父さん、最近ホントウにうるさいわ。
アザム団長に迷惑をかけるんじゃない、って何回言えば気が済むのかしら」
「ターヒル先生、団長さんと知り合いなんだね」
「うん、なんだか恩義が有るらしいわ。
父さん、元護衛団だったんだけど。
退団する時に素直に辞めさせてくれて、あの道場を出す時に護衛団の新人を斡旋してくれたのが団長らしいわ」
「へー、団長さんいい人」
「逆に副団長のナシールとは仲が悪いらしいわ。
勝手な都合で団を抜けたって父さんに言ってるし、ものすごく厳しいらしいわよ」
「ナシール副団長、聞いた事あるわ。
鬼のナシールって有名じゃない。
強いし、頭も良い、オマケにハンサムってウワサね」
にゃーにそれ、完璧超人じゃにゃい。
逆に胡散臭いわ。
「ハンサム?
気になっちゃうわー。
父さんも気を付けろとは言ってたけど。
でも悪い人間じゃないんだと言ってたわね」
ステュティラちゃんはそう言うけど。
人間てそんにゃに完璧じゃにゃいものよ。
ナシール副団長、要注意ね。
わたしは二人に気付かれにゃいよう、建物の上を歩いてるの。
屋根の上をお散歩ね。
すると見えて来る建物。
この街には派手な色、白を基調に青や金色の派手な色で塗られた建物が多いんだけど、地味なレンガ色。
あれね、護衛団の本部。
高台から街を見守りつつ、何か有ったらすぐ出動出来るようにしているのね。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる