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その1 入団試験

第26話 大量の魔物《ダェーヴァ》

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「じゃあ、エステルちゃん。
 明日護衛団の本部で。
 場所は分かるな?」

「はいっ、街の高台にある建物です」

クマさんみたいにゃ団長とエステルちゃんがはにゃしてる。
わたしは陰で見守ってるわ。

「団長、タイヘンだ!」
「来てくれ、信じられないコトが起きてる!」

そこに現れたのは街へ帰って行こうとしてた護衛団の人たち。
赤いターバンを巻いた戦士たちがみんにゃ慌ててるわ。
ああ。
やっとあれを見つけたのね。

「なんだ、どうしたんだ」

「アンズーだ!」
「鳥の魔物ダェーヴァが大量に」

「なんだと!
 すぐ行く」

団長の身体に緊張が走るわ。
温和な顔が一気に変わってる。
にゃんて言えばいいのかしら。
クマの〇ーさんがいきなり本物の熊に変ったみたいだわ。

「アンズーが大量に現れたのか?!」

フラフラしてたトーヤーさんも真顔ににゃるの。
その顔してればカッコイイ女戦士にゃのに。
相手は一羽で熟練の戦士三人いなければ戦えない魔物ダェーヴァ
緊急事態と思ってるみたい。

「ああ、心配するコトは無いぜ」
「みんな倒されてるんだ、十羽以上はいるかな」

「……どーゆーコトだ?」


団長やトーヤーさん、エステルちゃんみんにゃが向かった先は街の前。
街を覆う壁が有ってそこに積み重にゃってるの。
にゃにが?って。
トーゼン、倒されたアンズーたちの身体よ。

「これは一体?!」

倒されたアンズーたちを見て団長はボーゼンとしてるわ。

「何体の魔物ダェーヴァが倒されたって言うんだ」

ひぃふぅみぃ、トーヤーさんは指を折って数え始める。
覚えてにゃいわ。
10羽~15羽くらいかしら。

「いつむぅ……えーとむぅの次って何だっけ」
「トーヤー隊長、七つです」

「そうか、ありがとう。
 なな、やあ……えーとあれは数えたかな」

「全部で17体ですね。
 17体のアンズーが倒されてます」

トーヤーさんがマゴマゴしてる間にエステルちゃんが数えたみたい。
さすがね。

「17体のアンズーだと!」
「普通に考えたら戦士たちが50人はいなければ倒せない数じゃないか」
「一体全体何が有ったんだ?!」

護衛団の人たちはみんなザワついてる。

「うーん、見当もつかないが……
 女神ニャーヒード様の加護だろうか。
 そうとしか言いようが無いな。
 実のところ試験中も少し不思議なコトが起きたんだ……」
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