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その1 入団試験

第23話 試験結果

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「では今回の入団試験はこれまでとする。
 ご苦労だった。
 全員解散」

アゴヒゲで大男の団長が声を張り上げる。
戦士の赤いターバンを付けた男たちが解散していくの。

「チッ」

そのにゃかにはサイラスと呼ばれていた男もいるわ。

「ウワッ!」

「なにしてんだ、サイラス」
「なにもない所で転んでんじゃねーよ」

「うっ、うるせー。
 今なにか、足元にくろいものが……」

「なにもないってばよ」
「もうボケが来たのか」

解散していく戦士たちに笑われてるわね。
テキトーにゃセリフで、トーヤーさんやエステルちゃんを悪く言ったから、バチが当たったのね。
当てたのはわたしにゃんだけど。


「エステルくん。
 それでは試験結果をキミに伝えよう」

「えっ?」

トーヤー隊長がエステルちゃんにはにゃしてるわ。
試験結果?
アルミラージを倒して角を取りさえすれば合格じゃにゃかったの。
エステルちゃんも怪訝にゃ顔ね。
あら、団長まで慌ててるわ。

「試験結果って、トーヤー。
 もう結果は出ている、彼女は合格だぞ」

「黙れ団長。
 エステルくんの試験官は私だ。
 私が結果は決めるのだ」

黙れって、トーヤーさん。
相手は団長でしょう。
そんにゃコト言っていいの?

にゃんだかクマさんみたいにゃ大男は肩をすくめてる。
処置無しと言ったポーズ。
どうもいつものコトみたいね。

「いいか、エステルくん。
 スタートは50点、キミの行動で加点、減点され70点以上なら合格だ」

トーヤー隊長はキリっとした顔。
マジメにゃ視線でエステルちゃんを見つめるの。
エステルちゃんは背筋を伸ばして答えるわ。

「はいっ」

うん、エステルちゃん、やっぱり美少女。
マジメな表情も絵ににゃるわー。
少し焼けた白い肌と明るい色の髪の毛
白をベースに青いコントラストの入ったふわりとした衣装。
麻紐で所々を締めてるの。
護衛団から貸し出されたのかしら。
手には揃いの盾と槍を構えてる。
ステキ、もう一人前の戦士ね。

もう合格。
これだけで合格よ。
決まってるじゃにゃい。
さぁ、トーヤー隊長、今すぐ合格と言いにゃさい。
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