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第三章 亜人の村はサワガシイ
第199話 亜人の村の日々その7
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ショウマは自分の家に戻って来た。
聖者サマの御殿だ。
ここは良い家なんだけど3階まで上がらなきゃイケナイ。
エレベーターつけてくんないかな。
「ああー、疲れた。
今日は良く働いた」
散歩してただけだろう。
見ていた人がいたら言うトコロだ。
留守番してたみみっくちゃんが出迎える。
彼女は村の人の陳情や報告を聞いてる。
ミチザネと合わせて村長代理みたいな役をやってる。
彼女の足元に仔犬みたいなのが着いてくる。
「その仔、どうしたの?」
「狼の仔ですよ。なんだかみみっくちゃんに懐いちゃいました。家から追い出しても着いてくるんです。ご主人様、飼ってもいいですか?」
狼?!
まさか、埋葬狼だったりして。
「どうも、そのまさかみたいなんですよ。埋葬狼の子供に懐かれたと言う事は……みみっくちゃんそのうちに従魔師になれるかもしれないですよー」
ほえー。
従魔師か。
それも面白いのかもしれない。
「カワイイッ」
ケロ子が頭を撫でようとすると、仔オオカミはみみっくちゃんの後ろに隠れる。
ショウマが近付いても逃げる。
みみっくちゃんにしか懐かないみたい。
「昔、嫌な思い出でもあるのかもしれないですね。言うじゃ無いですか。いじめられた動物はまた人間を信用するようになるまで時間がかかるって……。まあ小さい仔です。やがて嫌な記憶は忘れますよ」
そんなものかな。
「ご主人様、いろいろ順調ですよ。褒めてくださいですよ」
「何かあったの?」
「水道ですね。水の供給が形になりました」
「あの湖から川を引き込むってヤツ?」
「アレは大がかりすぎるんでちょっとストップです。
今は山の方に沸いてる湧水を村まで流れるようにしました。
各家庭で使って、余った分は溜めて農業用水ですね」
「へー」「みみっくちゃんとケロ子が明日戦士達と『野獣の森』に行く予定だよね」
「そうですっ。
ショウマさまっ」
「キバトラさんにキャンセルって伝えておいて」
「あれどうしたです、ご主人様。もしかしてついについにやる気になったですか」
「うん、明日はみんなで迷宮探索に行こう」
ショウマと従魔少女だけで行こう。
“鋼鉄蛞蝓”探して、経験値マシマシ。
一気にLVアップ狙い。
「分かりましたっ。
言ってきますっ」
「ケロ子お姉さま、まだキバちゃん達出かけてますよ。
エリカにも声かけて私達の替わりに村の戦士チームに加わって貰いましょう」
「タマモちゃんはどうします? ご主人様」
「うーん、連れていきたいね。
コノハさんは薬作り有るし、
タマモだけ連れてって大丈夫じゃないかな」
ショウマはしばらく迷宮探索する気にならなかった。
【クエスト:埋葬狼に攫われたコノハの母親を救い出せ】
も完了させたのだ。
休んでもいいじゃん。
ショウマは気絶した状態で『野獣の森』にいたのだ。
みみっくちゃんが連れて帰ってきてくれた。
ぼうーっとしてるタマモ、コノハ、サツキさん。
ショウマも含めて四人も連れて帰ってきたのだ。
みみっくちゃんは独力でイタチから逃げ出したらしい。
イタチは行方不明だ。
どこかに逃げたのか。
でも荷物や、金は置いて行った。
『野獣の森』に落ちていたらしい。
みみっくちゃんが呑み込んで来た。
イタチ本人だけがいない。
「多分、迷宮の魔獣にやられたんですよ」
みみっくちゃんはそう言っていた。
イタチは驚くほどお金を持ってた。
200万Gほど、日本円換算で2億円。
遊んで暮らせるじゃん。
元々女性達を売って得た金だろう。
女性達に返すのが筋。
でも女性達は要らないと言う。
亜人の村でお金あってもあまり用途が無いしね。
ベオグレイドまで行かなきゃお店も無い。
女性達はベオグレイドに行きたくないのだ。
村の発展費用にバンバン使ってる。
いろいろモノ要りは多い。
一般の冒険者の宿舎とか食事処の準備。
女性達の生活の場にも家具はいる。
薬作りだって道具が必要。
みみっくちゃんとミチザネが買いに行けば税金はかからない。
あの時ティアマーと一つになったショウマ。
全てが見えてた。
どうすればいいか何もかも。
もうほとんど覚えていない。
でも『野獣の森』と山に有る別の迷宮がぶつかってた。
そんな事はちょっと覚えてる。
それをどうしたらいいのかはサッパリだ。
だいたいそんなのショウマが考えるコトじゃないじゃん。
まぁでも『野獣の森』には行こう。
“森の精霊”様に逢ってみよう。
『野獣の森』のラスボス=“森の精霊”
それがショウマの予想。
ラスボスじゃないとしても、ラスボス目指してれば逢えそう。
さあ翌日『野獣の森』入り口前。
集合している。
ショウマ、ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美、タマモ。
チーム『天翔ける馬』
「んじゃ行ってみようか」
「はいっ、ショウマ様っ」
「ご主人様、もっと気合入れてくださいですよ」
「うむ、ショウマ王。行くぞ」
「はい、ショウマ王。行きましょう」
「おう、ご主人。オレ始めてだから楽しみ」
ショウマと従魔少女達は進むのだ。
聖者サマの御殿だ。
ここは良い家なんだけど3階まで上がらなきゃイケナイ。
エレベーターつけてくんないかな。
「ああー、疲れた。
今日は良く働いた」
散歩してただけだろう。
見ていた人がいたら言うトコロだ。
留守番してたみみっくちゃんが出迎える。
彼女は村の人の陳情や報告を聞いてる。
ミチザネと合わせて村長代理みたいな役をやってる。
彼女の足元に仔犬みたいなのが着いてくる。
「その仔、どうしたの?」
「狼の仔ですよ。なんだかみみっくちゃんに懐いちゃいました。家から追い出しても着いてくるんです。ご主人様、飼ってもいいですか?」
狼?!
まさか、埋葬狼だったりして。
「どうも、そのまさかみたいなんですよ。埋葬狼の子供に懐かれたと言う事は……みみっくちゃんそのうちに従魔師になれるかもしれないですよー」
ほえー。
従魔師か。
それも面白いのかもしれない。
「カワイイッ」
ケロ子が頭を撫でようとすると、仔オオカミはみみっくちゃんの後ろに隠れる。
ショウマが近付いても逃げる。
みみっくちゃんにしか懐かないみたい。
「昔、嫌な思い出でもあるのかもしれないですね。言うじゃ無いですか。いじめられた動物はまた人間を信用するようになるまで時間がかかるって……。まあ小さい仔です。やがて嫌な記憶は忘れますよ」
そんなものかな。
「ご主人様、いろいろ順調ですよ。褒めてくださいですよ」
「何かあったの?」
「水道ですね。水の供給が形になりました」
「あの湖から川を引き込むってヤツ?」
「アレは大がかりすぎるんでちょっとストップです。
今は山の方に沸いてる湧水を村まで流れるようにしました。
各家庭で使って、余った分は溜めて農業用水ですね」
「へー」「みみっくちゃんとケロ子が明日戦士達と『野獣の森』に行く予定だよね」
「そうですっ。
ショウマさまっ」
「キバトラさんにキャンセルって伝えておいて」
「あれどうしたです、ご主人様。もしかしてついについにやる気になったですか」
「うん、明日はみんなで迷宮探索に行こう」
ショウマと従魔少女だけで行こう。
“鋼鉄蛞蝓”探して、経験値マシマシ。
一気にLVアップ狙い。
「分かりましたっ。
言ってきますっ」
「ケロ子お姉さま、まだキバちゃん達出かけてますよ。
エリカにも声かけて私達の替わりに村の戦士チームに加わって貰いましょう」
「タマモちゃんはどうします? ご主人様」
「うーん、連れていきたいね。
コノハさんは薬作り有るし、
タマモだけ連れてって大丈夫じゃないかな」
ショウマはしばらく迷宮探索する気にならなかった。
【クエスト:埋葬狼に攫われたコノハの母親を救い出せ】
も完了させたのだ。
休んでもいいじゃん。
ショウマは気絶した状態で『野獣の森』にいたのだ。
みみっくちゃんが連れて帰ってきてくれた。
ぼうーっとしてるタマモ、コノハ、サツキさん。
ショウマも含めて四人も連れて帰ってきたのだ。
みみっくちゃんは独力でイタチから逃げ出したらしい。
イタチは行方不明だ。
どこかに逃げたのか。
でも荷物や、金は置いて行った。
『野獣の森』に落ちていたらしい。
みみっくちゃんが呑み込んで来た。
イタチ本人だけがいない。
「多分、迷宮の魔獣にやられたんですよ」
みみっくちゃんはそう言っていた。
イタチは驚くほどお金を持ってた。
200万Gほど、日本円換算で2億円。
遊んで暮らせるじゃん。
元々女性達を売って得た金だろう。
女性達に返すのが筋。
でも女性達は要らないと言う。
亜人の村でお金あってもあまり用途が無いしね。
ベオグレイドまで行かなきゃお店も無い。
女性達はベオグレイドに行きたくないのだ。
村の発展費用にバンバン使ってる。
いろいろモノ要りは多い。
一般の冒険者の宿舎とか食事処の準備。
女性達の生活の場にも家具はいる。
薬作りだって道具が必要。
みみっくちゃんとミチザネが買いに行けば税金はかからない。
あの時ティアマーと一つになったショウマ。
全てが見えてた。
どうすればいいか何もかも。
もうほとんど覚えていない。
でも『野獣の森』と山に有る別の迷宮がぶつかってた。
そんな事はちょっと覚えてる。
それをどうしたらいいのかはサッパリだ。
だいたいそんなのショウマが考えるコトじゃないじゃん。
まぁでも『野獣の森』には行こう。
“森の精霊”様に逢ってみよう。
『野獣の森』のラスボス=“森の精霊”
それがショウマの予想。
ラスボスじゃないとしても、ラスボス目指してれば逢えそう。
さあ翌日『野獣の森』入り口前。
集合している。
ショウマ、ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美、タマモ。
チーム『天翔ける馬』
「んじゃ行ってみようか」
「はいっ、ショウマ様っ」
「ご主人様、もっと気合入れてくださいですよ」
「うむ、ショウマ王。行くぞ」
「はい、ショウマ王。行きましょう」
「おう、ご主人。オレ始めてだから楽しみ」
ショウマと従魔少女達は進むのだ。
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