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第五章 アルク野獣の森
第244話 ケロ子とマリーゴールドその3
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「『身体強化』よ。
あれを使うと筋肉が普段より多くなる。
体を動かしてない時ならなんて事はないんだけど。
今みたいに戦闘で全身の筋肉使ってたら……
多分鎧がパンパンで苦しかったハズよ」
「…………」
ケロ子から全く聞いた事なかった。
いや、ケロ子なのだ。
ショウマが買った鎧に文句を言うハズが無いのだ。
「……だからマリーさんは手足出してるんですか?」
「そうよ、鎧も胴体は少し余るくらいのサイズ。
腕や足は出してるわ」
「防御に関してはあのコート。
裾が足元まで有るし、普通の布に見えるけど鋼糸も入れてある。
いきなり切りかかられても平気」
「……武道家の男が上半身ハダカになってたのって」
「そうよ。
元から筋肉多いヤロウなんかは更に太くなるみたい。
布の服なんか着てたらはじけ飛ぶわ」
そうなのだ。
以前練習試合で見た。
武闘家という男達が上半身脱いでた。
ショウマは若干イラッとしたモノだ。
何だよ。
鍛えた肉体見せびらかしたいのかよ。
貧弱な坊やとバカにされてたけど今ではこの通りってヤツ。
男達が『今ではこの通り』の肉体。
ショウマが『貧弱な坊や』状態である。
若干ムカツクものがある。
だからと言って筋トレする気なんて一切無いけど。
そんな風に思ってたけど。
そうか。
『身体強化』使った時、一瞬身体が大きくなったように見えた。
実際にも筋肉が大きくなってたのか。
普通の服を着てたらはじけ飛ぶ。
そりゃ最初から脱いどくよね。
でも、どうしよう。
ケロ子も脱がしておく。
上半身ハダカで戦う女武闘家。
それはそれでショウマ的にはオッケー。
グッドでナイスみたいな気持ちも有るのだけど。
他の冒険者達にもハダカのケロ子が見られるのだ。
やっぱダメ、明らかにナシだ。
そうだ、マリーさん。
冒険者組合の偉い人で、武闘家。
この人なら何か知らないかな。
もしも知ってたら訊きたいんだけど。
試合をした武闘家の男達。
素肌で鉄の矢を喰らってもノーダメージだった。
なにかの特技?
「素肌で矢を弾き返してた?!
それも鉄の矢。
そう、それは……」
どうしよう、教えていいのかな、あれは奥義だし。
マリーさんは口の中でブツブツ言ってる。
ショウマには少し心当たりも有るのだ。
「ひょっとして職業:修行僧とか 大地属性の魔法に関係ある?」
「……!……
どこでそれを、その男が教えたの?」
「マリーさん。
何か知ってるならケロ子に教えて上げてくれない」
「それは教団に行って修行しないとダメなの。
一応私も司教の資格は持ってるし、導師として指導出来なくもないんだけど……
やっぱり一度は大地の神は父さんだよ教団の本部に行ってからね」
「それって何処に有るの?」
「王国を南に言った山奥ね」
「山奥!」
「そう、そこまで辿り着くのも修行ってコトよ」
山登りかー。
ムリ。
どうせケーブルカーとか無いんでしょ。
何故山に登るのか、そこに山が有るからだ。
英国の登山家、ジョージ・マロリーの有名な言葉である。
ショウマに言わせればこうだろう。
何故山に登るのか、いや登りません、ケーブルカー有ったら乗ってあげてもいーよ。
不満そうな表情を表に出してるショウマ。
軽く笑うマリー。
「いくら聖者サマでもこればかりはね。
一応奥義と呼ばれてるのよ。
簡単に教える事はできないわ」
むうー。
奥義。
奥義か。
でも山登りはイヤだな。
だって僕、山の生き物じゃ無いもの。
山で生きる生物がするコトでしょ。
ケーブルカー造れないのかな。
そこまで複雑な機械じゃないと思う。
亜人の村の大工ならなんとかならない。
ケーブルカーを開発する方が登山するより遥かに大変な筈だ。
それでも自分が登山するという思考には向かわないショウマである。
みみっくちゃんがマリーに話しかけてる。
「マリーマリー、どぶろく呑みますか。村でも何人か作ってる人いるんですけど、その中でも一番美味しいヤツですよ。みみっくちゃんの保証付きです」
「ええっ、呑みたい呑みたい。
ザクロちゃんは大工の奥さんのが美味しいとか言ってたわ」
「それです。アラカワの奥さんが作ったヤツ、今が呑み頃ですよー」
「ちょうだい、頂戴!」
「ならマリー、ケロ子お姉さまに修行をつけてあげてくださいですよー」
「……えー?!」
マリーさんはさすがに渋ってる。
そりゃそうだ。
奥義だもんね。
「……本当に教えても大地の神は父さんだよ教団の本部に行かなきゃ意味無いのよ」
あれマリーさんは何か教えてくれるみたい。
それでいいのか。
まあいいか。
簡単な方がいいに決まってる。
あれを使うと筋肉が普段より多くなる。
体を動かしてない時ならなんて事はないんだけど。
今みたいに戦闘で全身の筋肉使ってたら……
多分鎧がパンパンで苦しかったハズよ」
「…………」
ケロ子から全く聞いた事なかった。
いや、ケロ子なのだ。
ショウマが買った鎧に文句を言うハズが無いのだ。
「……だからマリーさんは手足出してるんですか?」
「そうよ、鎧も胴体は少し余るくらいのサイズ。
腕や足は出してるわ」
「防御に関してはあのコート。
裾が足元まで有るし、普通の布に見えるけど鋼糸も入れてある。
いきなり切りかかられても平気」
「……武道家の男が上半身ハダカになってたのって」
「そうよ。
元から筋肉多いヤロウなんかは更に太くなるみたい。
布の服なんか着てたらはじけ飛ぶわ」
そうなのだ。
以前練習試合で見た。
武闘家という男達が上半身脱いでた。
ショウマは若干イラッとしたモノだ。
何だよ。
鍛えた肉体見せびらかしたいのかよ。
貧弱な坊やとバカにされてたけど今ではこの通りってヤツ。
男達が『今ではこの通り』の肉体。
ショウマが『貧弱な坊や』状態である。
若干ムカツクものがある。
だからと言って筋トレする気なんて一切無いけど。
そんな風に思ってたけど。
そうか。
『身体強化』使った時、一瞬身体が大きくなったように見えた。
実際にも筋肉が大きくなってたのか。
普通の服を着てたらはじけ飛ぶ。
そりゃ最初から脱いどくよね。
でも、どうしよう。
ケロ子も脱がしておく。
上半身ハダカで戦う女武闘家。
それはそれでショウマ的にはオッケー。
グッドでナイスみたいな気持ちも有るのだけど。
他の冒険者達にもハダカのケロ子が見られるのだ。
やっぱダメ、明らかにナシだ。
そうだ、マリーさん。
冒険者組合の偉い人で、武闘家。
この人なら何か知らないかな。
もしも知ってたら訊きたいんだけど。
試合をした武闘家の男達。
素肌で鉄の矢を喰らってもノーダメージだった。
なにかの特技?
「素肌で矢を弾き返してた?!
それも鉄の矢。
そう、それは……」
どうしよう、教えていいのかな、あれは奥義だし。
マリーさんは口の中でブツブツ言ってる。
ショウマには少し心当たりも有るのだ。
「ひょっとして職業:修行僧とか 大地属性の魔法に関係ある?」
「……!……
どこでそれを、その男が教えたの?」
「マリーさん。
何か知ってるならケロ子に教えて上げてくれない」
「それは教団に行って修行しないとダメなの。
一応私も司教の資格は持ってるし、導師として指導出来なくもないんだけど……
やっぱり一度は大地の神は父さんだよ教団の本部に行ってからね」
「それって何処に有るの?」
「王国を南に言った山奥ね」
「山奥!」
「そう、そこまで辿り着くのも修行ってコトよ」
山登りかー。
ムリ。
どうせケーブルカーとか無いんでしょ。
何故山に登るのか、そこに山が有るからだ。
英国の登山家、ジョージ・マロリーの有名な言葉である。
ショウマに言わせればこうだろう。
何故山に登るのか、いや登りません、ケーブルカー有ったら乗ってあげてもいーよ。
不満そうな表情を表に出してるショウマ。
軽く笑うマリー。
「いくら聖者サマでもこればかりはね。
一応奥義と呼ばれてるのよ。
簡単に教える事はできないわ」
むうー。
奥義。
奥義か。
でも山登りはイヤだな。
だって僕、山の生き物じゃ無いもの。
山で生きる生物がするコトでしょ。
ケーブルカー造れないのかな。
そこまで複雑な機械じゃないと思う。
亜人の村の大工ならなんとかならない。
ケーブルカーを開発する方が登山するより遥かに大変な筈だ。
それでも自分が登山するという思考には向かわないショウマである。
みみっくちゃんがマリーに話しかけてる。
「マリーマリー、どぶろく呑みますか。村でも何人か作ってる人いるんですけど、その中でも一番美味しいヤツですよ。みみっくちゃんの保証付きです」
「ええっ、呑みたい呑みたい。
ザクロちゃんは大工の奥さんのが美味しいとか言ってたわ」
「それです。アラカワの奥さんが作ったヤツ、今が呑み頃ですよー」
「ちょうだい、頂戴!」
「ならマリー、ケロ子お姉さまに修行をつけてあげてくださいですよー」
「……えー?!」
マリーさんはさすがに渋ってる。
そりゃそうだ。
奥義だもんね。
「……本当に教えても大地の神は父さんだよ教団の本部に行かなきゃ意味無いのよ」
あれマリーさんは何か教えてくれるみたい。
それでいいのか。
まあいいか。
簡単な方がいいに決まってる。
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