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第三章 亜人の村はサワガシイ
第193話 亜人の村の日々その1
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「ショウマさまっ。
朝ごはんですっ。
もうみんな集まってますよっ」
ケロ子の声で目覚める。
「分かった、今行くよ。
先食べててー」
あくびをしながら返事をするショウマ。
ズルズルと体をベットから引っ張り出す。
二人は優に寝れるダブルベッド。
木製の土台は大工さんに作ってもらった。
アラカワさんだったかな。
上に獅子山羊の毛を使った布団。
シーツは土蜘蛛の糸製。
極上のシロモノだ。
……昨日は誰と寝たんだっけ。
ケロ子だな。
彼女は朝早い。
全員分の朝ご飯作るのだ。
すでにショウマはコノハの家からは出ている。
自分の家を建てたのだ。
というか個人の家レベルじゃない。
お城みたいになってる。
村の人には聖者サマの御殿と言われてるのだ。
村の大工というアラカワさんが作った。
「アラカワ、今日中に造るですよ。みみっくちゃん達が住むんです。
イメージとしては3階建てです。1階は入り口、お役所みたくするです。
2階は聖者サマとの謁見の間です。豪華に作るです。といってもゴテゴテ派手にしちゃダメですよ。
質素におごそかに、それでいて趣味が良く上等の品を並べてまとめるです。
3階がご主人様とみみっくちゃん達の生活の場です。
ちゃんと生活しやすいようにするですよ。ベッドは特別製で、お風呂も必要です……」
「うるせえ。
何言ってんだ、お前。
そんなの1日で出来る訳ねーだろ」
「アラカワなら出来るですよ。不眠不休で働くです。
夜の24時までなら今日中に作ったと認めてあげてもいいですよ」
「あのなぁ……」
「戦士達は何人でも借りられるです。キバちゃんにはもう許可もらったですよ。
女手も手を貸してくれる人たちがたくさんいます。
聖者サマに恩返ししたい人だらけなんですよー」
「許可ってオマエ……
オレに言いに来る前にもう手を回してるんじゃねーかよ」
「あれ、アラカワ。聖者サマに逆らうですか?」
「分かった、もういい。
やるよ。
やりゃーいいんだろ」
コノハさんの家には母親サツキさんが一緒に住んでる。
ユキトの家も同じ、ユキト、イチゴ、ナデシコさん。
本来の住人に戻ったのだ。
エリカ、ミチザネ、コザルは別に家を作った。
エリカの寝室には鍵が掛るようにしたらしい。
「なんかちょっと寂しいわね」
エリカはブツブツ言っていた。
コノハさんの家にたまに泊まりに行ったりしてるらしい。
ショウマのとこはダメ。
昼遊びにくるくらいならいいけど、夜は大人の時間なのだ。
夜の話か。
タマモはキレイだった。
白い髪の毛から覗く金色の瞳がショウマを見つめる。
口を開けるとキバのような八重歯。
赤い舌がチロチロ覗く。
その舌でショウマの全身を舐め上げたのだ。
いや夜の話はまた今度。
今は朝、朝食の時間。
ショウマが居間に行くと人が大勢いた。
ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美。
ショウマと一緒に住んでる従魔少女達。
タマモもゴハンを食べてる。
タマモは基本的にコノハの家。
“妖狐”として住んでる。
コノハさんにはどこで正体を明かしたもんだろう。
コノハさんはあの夜夢うつつの状態だった。
目の前で美少女スタイルのタマモが“妖狐”になったのを見たハズ。
どこまで覚えているのか。
ショウマはまだちゃんと確認していない。
コノハさんからもツッこんでこないし。
何となくあいまいな状態。
その5人の他に何故かエリカ達までゴハンを食べてる。
「だって、ケロコさんのご飯美味しいんだもの」
「しかしエリカ様、さすがに毎日食べに来てるのはどうかと」
「いいよっ、材料はちゃんと貰ってるしっ。
それにアタシだけで造ったんじゃないよっ。
そこの煮物はサツキさんにも手伝ってもらったのっ」
ケロ子は料理の腕もレパートリーも上昇してる。
コノハの母親サツキさん、ユキトの母親ナデシコさんと一緒に料理してるのだ。
お互いのキッチンを行き来してる。
ショウマの家のキッチンが新品で一番広い。
結果ショウマの家のキッチンに3人で集まる事が多くなってる。
ナデシコさんとイチゴちゃんはショウマが石化から回復させた。
『野獣の森』でランク5の魔法を使ってしまった。
それもコノハさんやタマモのいる前で。
みみっくちゃんは何だか既に知っていた。
「ご主人様。やらかしたって事はもうカクゴが出来たってことですよね。
聖者サマとして名が知られてしまってもいいよと仰せですね。
だったらみみっくちゃんも遠慮しません。聖者サマ御殿作りましょう」
いや覚悟なんて何もしてないよ。
でもまぁみみっくちゃんがナニカすると言うならそれはそれでおまかせしよう。
石化はなりかけならランク4で回復できるらしい。
『回復の湖』を二人に使った。
石化が進行してるナデシコさんにはアレをやってみた。
『かーいーふーくーのーみーずーうーみ』
唱える時により魔力を込めるヤツ。
前『炎の玉』で試したことある魔法の使い方。
『炎の玉』は通常より大きい火となり攻撃力も上がる。
ティアマーは何と言っていたかな。
魔法の効果上限とか言っていた。
おそらくこの時間をかけて魔力を込める行為はその上限を突破するワザ。
イチゴちゃんはすぐ治ったし、ナデシコさんも二回で回復した。
複数回魔法を唱えるのと、一回の魔法に複数分魔力を込めるのとどちらが効率良いのか。
ショウマの感触で言うと後者だ。
何度かやっていれば魔力の込め具合の調整やその効果も分かって来そう。
朝ごはんですっ。
もうみんな集まってますよっ」
ケロ子の声で目覚める。
「分かった、今行くよ。
先食べててー」
あくびをしながら返事をするショウマ。
ズルズルと体をベットから引っ張り出す。
二人は優に寝れるダブルベッド。
木製の土台は大工さんに作ってもらった。
アラカワさんだったかな。
上に獅子山羊の毛を使った布団。
シーツは土蜘蛛の糸製。
極上のシロモノだ。
……昨日は誰と寝たんだっけ。
ケロ子だな。
彼女は朝早い。
全員分の朝ご飯作るのだ。
すでにショウマはコノハの家からは出ている。
自分の家を建てたのだ。
というか個人の家レベルじゃない。
お城みたいになってる。
村の人には聖者サマの御殿と言われてるのだ。
村の大工というアラカワさんが作った。
「アラカワ、今日中に造るですよ。みみっくちゃん達が住むんです。
イメージとしては3階建てです。1階は入り口、お役所みたくするです。
2階は聖者サマとの謁見の間です。豪華に作るです。といってもゴテゴテ派手にしちゃダメですよ。
質素におごそかに、それでいて趣味が良く上等の品を並べてまとめるです。
3階がご主人様とみみっくちゃん達の生活の場です。
ちゃんと生活しやすいようにするですよ。ベッドは特別製で、お風呂も必要です……」
「うるせえ。
何言ってんだ、お前。
そんなの1日で出来る訳ねーだろ」
「アラカワなら出来るですよ。不眠不休で働くです。
夜の24時までなら今日中に作ったと認めてあげてもいいですよ」
「あのなぁ……」
「戦士達は何人でも借りられるです。キバちゃんにはもう許可もらったですよ。
女手も手を貸してくれる人たちがたくさんいます。
聖者サマに恩返ししたい人だらけなんですよー」
「許可ってオマエ……
オレに言いに来る前にもう手を回してるんじゃねーかよ」
「あれ、アラカワ。聖者サマに逆らうですか?」
「分かった、もういい。
やるよ。
やりゃーいいんだろ」
コノハさんの家には母親サツキさんが一緒に住んでる。
ユキトの家も同じ、ユキト、イチゴ、ナデシコさん。
本来の住人に戻ったのだ。
エリカ、ミチザネ、コザルは別に家を作った。
エリカの寝室には鍵が掛るようにしたらしい。
「なんかちょっと寂しいわね」
エリカはブツブツ言っていた。
コノハさんの家にたまに泊まりに行ったりしてるらしい。
ショウマのとこはダメ。
昼遊びにくるくらいならいいけど、夜は大人の時間なのだ。
夜の話か。
タマモはキレイだった。
白い髪の毛から覗く金色の瞳がショウマを見つめる。
口を開けるとキバのような八重歯。
赤い舌がチロチロ覗く。
その舌でショウマの全身を舐め上げたのだ。
いや夜の話はまた今度。
今は朝、朝食の時間。
ショウマが居間に行くと人が大勢いた。
ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美。
ショウマと一緒に住んでる従魔少女達。
タマモもゴハンを食べてる。
タマモは基本的にコノハの家。
“妖狐”として住んでる。
コノハさんにはどこで正体を明かしたもんだろう。
コノハさんはあの夜夢うつつの状態だった。
目の前で美少女スタイルのタマモが“妖狐”になったのを見たハズ。
どこまで覚えているのか。
ショウマはまだちゃんと確認していない。
コノハさんからもツッこんでこないし。
何となくあいまいな状態。
その5人の他に何故かエリカ達までゴハンを食べてる。
「だって、ケロコさんのご飯美味しいんだもの」
「しかしエリカ様、さすがに毎日食べに来てるのはどうかと」
「いいよっ、材料はちゃんと貰ってるしっ。
それにアタシだけで造ったんじゃないよっ。
そこの煮物はサツキさんにも手伝ってもらったのっ」
ケロ子は料理の腕もレパートリーも上昇してる。
コノハの母親サツキさん、ユキトの母親ナデシコさんと一緒に料理してるのだ。
お互いのキッチンを行き来してる。
ショウマの家のキッチンが新品で一番広い。
結果ショウマの家のキッチンに3人で集まる事が多くなってる。
ナデシコさんとイチゴちゃんはショウマが石化から回復させた。
『野獣の森』でランク5の魔法を使ってしまった。
それもコノハさんやタマモのいる前で。
みみっくちゃんは何だか既に知っていた。
「ご主人様。やらかしたって事はもうカクゴが出来たってことですよね。
聖者サマとして名が知られてしまってもいいよと仰せですね。
だったらみみっくちゃんも遠慮しません。聖者サマ御殿作りましょう」
いや覚悟なんて何もしてないよ。
でもまぁみみっくちゃんがナニカすると言うならそれはそれでおまかせしよう。
石化はなりかけならランク4で回復できるらしい。
『回復の湖』を二人に使った。
石化が進行してるナデシコさんにはアレをやってみた。
『かーいーふーくーのーみーずーうーみ』
唱える時により魔力を込めるヤツ。
前『炎の玉』で試したことある魔法の使い方。
『炎の玉』は通常より大きい火となり攻撃力も上がる。
ティアマーは何と言っていたかな。
魔法の効果上限とか言っていた。
おそらくこの時間をかけて魔力を込める行為はその上限を突破するワザ。
イチゴちゃんはすぐ治ったし、ナデシコさんも二回で回復した。
複数回魔法を唱えるのと、一回の魔法に複数分魔力を込めるのとどちらが効率良いのか。
ショウマの感触で言うと後者だ。
何度かやっていれば魔力の込め具合の調整やその効果も分かって来そう。
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