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第三章 亜人の村はサワガシイ
第161話 門番と指輪その4
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エリカに案内して貰って、ショウマはベオグレイドの街を歩いてる。
女冒険者エリカと魔術師にして商人のミチザネは元々ベオグレイドの住人。
街には詳しいのだ。
「アナタ、けっこうやるじゃない。
帝国兵に頭を下げさせるなんて」
「うーむ、ホウガン一族の紋章入り指輪ならなんとかなると思いましたが……
まさかあそこまでとは。
ミチザネも驚きましたな」
ショウマが一番驚いてるのだ。
建物はほとんどが石造り。
整然と石造りの建造物が立ち並んでいる。
迷宮都市は木造と石造りが半々くらいだったろうか。
亜人の村は全て木造だった。
門から入ってメインストリートを歩いていく。
初めての帝国の街を観察するショウマ。
迷宮都市に比べて建築能力は上なのかな。
迷宮都市はほとんどが平屋。
たまに二階建て、三階建てを見かける程度。
こちらは5階建てを越えるような建物がごろごろ有る。
「どうキレイな街でしょ」
エリカが自慢するように言う。
「みんなは迷宮都市から来たんだっけ?
アタシ迷宮都市は行った事無いの。
そっちはどんな雰囲気なの」
「そうだな、迷宮都市は石造りの建物と、木造の物と半々くらいだったか。
この街の方がキレイだが、活気は迷宮都市の方が有った気がするな」
「そうですね。この街の方がキレイで整然としています。
迷宮都市の方がゴミゴミしていましたが、
住人たちは活き活きとしていました」
ハチ子とハチ美が似たようなことを言う。
何故整然とした印象を受けるのかショウマには分かった。
道路がキレイに直線なのだ。区画が整理されてる。無駄な空き地というモノが無い。
空間のスミに造られた変な形の建物が存在しないのだ。そう思って見ると、露店商や屋台も存在しない。だから人が多いのに、迷宮都市ほど活気ある雰囲気に見えないのだろう。迷宮都市はもっと雑然としていた。所せましと無理やり立てたような建物が並び、木造の物も石造りの物も入り混じってた。
「ベオグレイドが新宿西口のオフィス街。
都庁が有る辺りみたいなカンジ。
迷宮都市は上野のアメ横かな」
「……?……
どこよ、それ」
エリカにはまったく伝わらない事を言うショウマだ。
「あそこで待ち合わせましょう」
エリカは食堂を待ち合わせ場所に選ぶ。
エリカは自宅へ行くと言う。
ショウマ達は冒険者組合に行く。
ミチザネが案内してくれる。
組合で週間褒賞もらわないと。
亜人の村でザクロさんに言われたのだ。
「うん?
ショウマくん。
通知が出てる。
週間褒賞受け取ってないんじゃない」
忘れてた。
毎週金貨一枚もらえるんだっけ。
じゃあくださいと言うとザクロはしかめ面をした。
「ええー。
この貧乏組合からお金を取ろうなんて、オニ、アクマー」
どうしろと言うのだ。
「ベオグレイドの組合から貰ってよ。
あそこなら予備の費用もいっぱいあるハズだよー」
すでにショウマの手持ちは金貨40枚以上。
今となっては金貨一枚くらい、どうってコトない。
でも貰えるモノは貰っておこう。
魔法武具や、魔道具思った以上に高いみたいなのだ。
週間褒賞ください。
そういうと冒険者組合、受付の人はフリーズした。
手元の魔道具記録端末を見ながら。
口はOの字。
タップリ10秒はフリーズした。
「はっ失礼しましたっ。
チーム『天翔ける馬』の週間褒賞ですね。
そちらはリーダーのショウマ様ご本人でお間違いないですね」
「では今ご用意いたしますので……
少々お待ちを」
ベオグレイドの冒険者組合受付の人はやたら丁寧。
迷宮都市のアヤメとはエライ違いだ。
ここの人はなんだかショウマに向かって最敬礼でもしそうな勢い。
裏に褒賞を取りに行ったかと思ったら、小走りで戻って来た。
「大変お待たせしました。
どうぞお受け取り下さい」
受付の対応に周りの人も驚いてる。
何だコイツ?
どこかの王族か、貴族か。
そんな視線。
「ショウマさん?
またなにか騒ぎを起こされたのですか」
ミチザネまで訊いてくる。
またって何さ。
僕は一度も騒ぎなんて起こしてないよ。
ベオグレイドか迷宮都市かの違いじゃない。
この受付の人の対応が変なのだ。
もしかして、門の処での軍の騒ぎがもう伝わってる?
うん?
なんだか受付が差し出した褒賞が重い。
明らかに金貨一枚じゃない。
差し出されたのは金貨が数十枚。
加えてアイテムと宝石っぽい光る石。
ずっしり重たい。
周りの冒険者達が見ている。
「おい、あのアイテム。もしかして」
「ああ、魔道核だ」
「それも普通に手に入る魔道核(下)じゃねえ」
「魔道核(中)以上、もしかしたら……」
「魔道核(上)だってのか」
ざわざわしている。
「ショウマさん、いったん出ましょう」
ミチザネはショウマを連れて組合を出ようとする。
しかし言われるまでも無く、目立たないよう逃げ出しているショウマ。
すでに建物の外に出ている。
「もういない! いつの間に?」
置いてけぼりを食ったミチザネ。
逃げる時だけは素早いショウマなのである。
女冒険者エリカと魔術師にして商人のミチザネは元々ベオグレイドの住人。
街には詳しいのだ。
「アナタ、けっこうやるじゃない。
帝国兵に頭を下げさせるなんて」
「うーむ、ホウガン一族の紋章入り指輪ならなんとかなると思いましたが……
まさかあそこまでとは。
ミチザネも驚きましたな」
ショウマが一番驚いてるのだ。
建物はほとんどが石造り。
整然と石造りの建造物が立ち並んでいる。
迷宮都市は木造と石造りが半々くらいだったろうか。
亜人の村は全て木造だった。
門から入ってメインストリートを歩いていく。
初めての帝国の街を観察するショウマ。
迷宮都市に比べて建築能力は上なのかな。
迷宮都市はほとんどが平屋。
たまに二階建て、三階建てを見かける程度。
こちらは5階建てを越えるような建物がごろごろ有る。
「どうキレイな街でしょ」
エリカが自慢するように言う。
「みんなは迷宮都市から来たんだっけ?
アタシ迷宮都市は行った事無いの。
そっちはどんな雰囲気なの」
「そうだな、迷宮都市は石造りの建物と、木造の物と半々くらいだったか。
この街の方がキレイだが、活気は迷宮都市の方が有った気がするな」
「そうですね。この街の方がキレイで整然としています。
迷宮都市の方がゴミゴミしていましたが、
住人たちは活き活きとしていました」
ハチ子とハチ美が似たようなことを言う。
何故整然とした印象を受けるのかショウマには分かった。
道路がキレイに直線なのだ。区画が整理されてる。無駄な空き地というモノが無い。
空間のスミに造られた変な形の建物が存在しないのだ。そう思って見ると、露店商や屋台も存在しない。だから人が多いのに、迷宮都市ほど活気ある雰囲気に見えないのだろう。迷宮都市はもっと雑然としていた。所せましと無理やり立てたような建物が並び、木造の物も石造りの物も入り混じってた。
「ベオグレイドが新宿西口のオフィス街。
都庁が有る辺りみたいなカンジ。
迷宮都市は上野のアメ横かな」
「……?……
どこよ、それ」
エリカにはまったく伝わらない事を言うショウマだ。
「あそこで待ち合わせましょう」
エリカは食堂を待ち合わせ場所に選ぶ。
エリカは自宅へ行くと言う。
ショウマ達は冒険者組合に行く。
ミチザネが案内してくれる。
組合で週間褒賞もらわないと。
亜人の村でザクロさんに言われたのだ。
「うん?
ショウマくん。
通知が出てる。
週間褒賞受け取ってないんじゃない」
忘れてた。
毎週金貨一枚もらえるんだっけ。
じゃあくださいと言うとザクロはしかめ面をした。
「ええー。
この貧乏組合からお金を取ろうなんて、オニ、アクマー」
どうしろと言うのだ。
「ベオグレイドの組合から貰ってよ。
あそこなら予備の費用もいっぱいあるハズだよー」
すでにショウマの手持ちは金貨40枚以上。
今となっては金貨一枚くらい、どうってコトない。
でも貰えるモノは貰っておこう。
魔法武具や、魔道具思った以上に高いみたいなのだ。
週間褒賞ください。
そういうと冒険者組合、受付の人はフリーズした。
手元の魔道具記録端末を見ながら。
口はOの字。
タップリ10秒はフリーズした。
「はっ失礼しましたっ。
チーム『天翔ける馬』の週間褒賞ですね。
そちらはリーダーのショウマ様ご本人でお間違いないですね」
「では今ご用意いたしますので……
少々お待ちを」
ベオグレイドの冒険者組合受付の人はやたら丁寧。
迷宮都市のアヤメとはエライ違いだ。
ここの人はなんだかショウマに向かって最敬礼でもしそうな勢い。
裏に褒賞を取りに行ったかと思ったら、小走りで戻って来た。
「大変お待たせしました。
どうぞお受け取り下さい」
受付の対応に周りの人も驚いてる。
何だコイツ?
どこかの王族か、貴族か。
そんな視線。
「ショウマさん?
またなにか騒ぎを起こされたのですか」
ミチザネまで訊いてくる。
またって何さ。
僕は一度も騒ぎなんて起こしてないよ。
ベオグレイドか迷宮都市かの違いじゃない。
この受付の人の対応が変なのだ。
もしかして、門の処での軍の騒ぎがもう伝わってる?
うん?
なんだか受付が差し出した褒賞が重い。
明らかに金貨一枚じゃない。
差し出されたのは金貨が数十枚。
加えてアイテムと宝石っぽい光る石。
ずっしり重たい。
周りの冒険者達が見ている。
「おい、あのアイテム。もしかして」
「ああ、魔道核だ」
「それも普通に手に入る魔道核(下)じゃねえ」
「魔道核(中)以上、もしかしたら……」
「魔道核(上)だってのか」
ざわざわしている。
「ショウマさん、いったん出ましょう」
ミチザネはショウマを連れて組合を出ようとする。
しかし言われるまでも無く、目立たないよう逃げ出しているショウマ。
すでに建物の外に出ている。
「もういない! いつの間に?」
置いてけぼりを食ったミチザネ。
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