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第一章 ハジマリの地下迷宮
第19話 アヤメの説明その3
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ケロ子とショウマは背負い袋を担いで、地下迷宮に入った。
荷物が増えたので、背負えるタイプの袋を購入している。
重いので新鮮な肉野菜をタップリとはいかないが、パンに干し肉、野菜に果物、調味料など数日は保ちそうな量を買ったのだ。
「迷宮の足元、岩にコケが生えてて滑るもんね。
両手塞いじゃダメだよ」
「ショウマさまっ、さすが良く考えてますっ」
戦闘の事はまったく考えていない。
いまだに防具一つ買っていないショウマだ。
…………
そいつは獲物を待っていた。
“闇梟”
彼と出くわした冒険者は少ない。
普段の彼は水辺にいる「ケロケロ」鳴くものを食料としている。
2本足の獲物を捕獲する必要は無い。
だが昨夜は食料を見つける事が出来なかった。
あれだけたくさんいた「ケロケロ」鳴くものの姿が無い。
彼は空腹で夜を過ごした。
彼の身体は地下迷宮の暗闇に溶け込む。
誰も見つける事は出来ない。
だが、彼からは見えるのだ。
今日は2本足の獲物が多い。
2本足の獲物は5、6体の集団となっている。
これは襲わない方が良い。
獲物の背後から襲えば、5、6体なら倒せる。
倒したことも有る。
しかし2本足の獲物は仲間を呼ぶ。
さらに獲物が増えてくるとヤッカイだ。
それに食べきれない。
1、2体のヤツらがいないだろうか。
それなら一瞬で捕獲できる。
食べるにもちょうど良い量だ。
『あーかーりー』
「見て見て! ケロ子」
「わわっ!、ショウマさまっ。
すごい大きい光の玉ですっ」
「うん。『明かり』を唱えるときに少し時間をかけてより魔力を込めて見たんだ」
昨日ショウマは魔道具、湯沸かしやコンロに魔力を込めるという事を経験した。
それを応用してみたのだ。
大きな光に警戒したのか、“吸血蝙蝠”も襲ってこない。
湖のある広い空間に出るショウマ。
「うーん。
ここにも先客がいる」
昨日は冒険者にまったく出会わなかった。
なのに今日は途中で何度も遭遇している。
いずれもショウマは足早に立ち去った。
湖の橋にも別の冒険者チームがいるのが見えた。
「どうしよう。
隠し部屋に入るところは見られるワケにいかないし」
「ショウマさまっ、
階段を下りていきますっ。
彼らが下りたらアタシたちだけですっ」
「よし。
ちょっと隠れてて、居なくなったら橋を進もう」
ショウマは身を隠しながら、考える。
『明かり』に魔力を込めたら 大きい光の玉となった。
なら『炎の玉』は?
それも大きくなるだろうか?
…………
彼は獲物を窺っていた。
ちょうど良い2体しかいない2本足の獲物が来たのだ。
しかし付近にジャマしそうな仲間がいる。
湖の上だ。
あれが居なくなった時が狙い目だ。
『ほーのーおーのー…
今だ。
湖にいたジャマ者が居なくなった。
今が襲撃のタイミング。
彼は暗闇から飛び立つ。
フクロウは狩りの名人と言われる。
彼らは音を立てず羽ばたく事が出来るのだ。
他の鳥類のようなガサツな羽音を出さない。
獲物に気付かれず背後から忍び寄る。
“闇梟”も同様であった。
巨大な体にも関わらず、一切音を立てず2体の獲物を上空から襲う。
…たーまー』
その瞬間巨大な炎がショウマの頭上で燃え上がった。
「わっ 火事ですっ?
ショウマさまっ!」
「うわ!大きくなりすぎ。
何これ?
メテオ?」
『LVが上がった』
『ショウマは冒険者LVがLV12からLV13になった』
『ケロコは冒険者LVがLV1からLV3になった』
声が鳴り響く。
「今、何かあった?」
「ショウマさまっ、
ケロ子れべるがあがりましたっ。
これでお役にたてますかっ?」
気が付くとショウマのポケットには銀貨が数枚入っている。
アヤメは落ち込んでいる。
初心者説明を初めて行ったのに半分も説明できていない。
チーム登録の仕組みも冒険者チームの順位発表も伝えていない。
「キキョウ主任に言ったら怒られるー」
「なんだよ。
アヤメ、元気ないじゃんか」
「誰のせいだと思ってんですかー」
と言ってもカトレアには強く言えない。
彼女はアヤメがクレーマー冒険者に絡まれてると思って助けに来てくれたのだ。
組合の受付は気の荒い冒険者に絡まれる事も有り得る職場なのだ。
カトレアのように頼れる女性は大事。
「チッ、ショウマのヤツ。
明日見つけたら箱詰めして村に送り返してやる」
「カトレアさんに弟さんがいたなんて知りませんでした」
「ああ、サボリ魔の不出来なヤツだからね。
誰にも言ってないよ。
アイツ絶対なんか勘違いしてる。
冒険者は大変な職業なんだ。
ショウマなんかに出来るもんか」
「ケロ子、明日は下の階に行ってみようか」
「地下2階ですねっ。
2階に行くの初めてですっ」
ショウマとケロ子は夕飯を食べながら相談している。
ちなみにケロ子はショウマのリクエストでさっそくチアガール風衣装に着替えている。
動くとシャツのすそからおへそが見える。
ショウマはご飯を食べながらハラチラを盗み見しているのである。
「うん。地上の街に行く日、迷宮探索の日を交替でやって行こうかなって思ってる。
本当は休みの日もいれて3交替にしたいけど。
まだ迷宮収入と生活必需品購入、収支のバランスが分からないんだよね」
「さすがですっ。
ショウマさま、考えてますっ」
ケロ子にショウマにツッコミを入れるという選択肢は無い。
だけど周りに常識有る冒険者がいたなら切れていたであろう。
「武器!防具! 彼女まだなんの装備もしてないから!
薬草も毒消しも何の準備もしてないから! オマエも布の服しか着てないから!」
残念ながら周りにはツッコミ役が誰もいない。
【次回予告】
『地下迷宮』『野獣の森』『不思議の島』
人は三大迷宮と呼ぶ。
現在人間が辿り着く事の出来るダンジョンはこの3つだけなのだ。
だがしかし…
「はいっ。ケロコ、シカクですっ」
次回、『地下二階へ』
ケロ子が何かを拾い上げる。
(ボイスイメージ:銀河万丈(神)でお読みください)
荷物が増えたので、背負えるタイプの袋を購入している。
重いので新鮮な肉野菜をタップリとはいかないが、パンに干し肉、野菜に果物、調味料など数日は保ちそうな量を買ったのだ。
「迷宮の足元、岩にコケが生えてて滑るもんね。
両手塞いじゃダメだよ」
「ショウマさまっ、さすが良く考えてますっ」
戦闘の事はまったく考えていない。
いまだに防具一つ買っていないショウマだ。
…………
そいつは獲物を待っていた。
“闇梟”
彼と出くわした冒険者は少ない。
普段の彼は水辺にいる「ケロケロ」鳴くものを食料としている。
2本足の獲物を捕獲する必要は無い。
だが昨夜は食料を見つける事が出来なかった。
あれだけたくさんいた「ケロケロ」鳴くものの姿が無い。
彼は空腹で夜を過ごした。
彼の身体は地下迷宮の暗闇に溶け込む。
誰も見つける事は出来ない。
だが、彼からは見えるのだ。
今日は2本足の獲物が多い。
2本足の獲物は5、6体の集団となっている。
これは襲わない方が良い。
獲物の背後から襲えば、5、6体なら倒せる。
倒したことも有る。
しかし2本足の獲物は仲間を呼ぶ。
さらに獲物が増えてくるとヤッカイだ。
それに食べきれない。
1、2体のヤツらがいないだろうか。
それなら一瞬で捕獲できる。
食べるにもちょうど良い量だ。
『あーかーりー』
「見て見て! ケロ子」
「わわっ!、ショウマさまっ。
すごい大きい光の玉ですっ」
「うん。『明かり』を唱えるときに少し時間をかけてより魔力を込めて見たんだ」
昨日ショウマは魔道具、湯沸かしやコンロに魔力を込めるという事を経験した。
それを応用してみたのだ。
大きな光に警戒したのか、“吸血蝙蝠”も襲ってこない。
湖のある広い空間に出るショウマ。
「うーん。
ここにも先客がいる」
昨日は冒険者にまったく出会わなかった。
なのに今日は途中で何度も遭遇している。
いずれもショウマは足早に立ち去った。
湖の橋にも別の冒険者チームがいるのが見えた。
「どうしよう。
隠し部屋に入るところは見られるワケにいかないし」
「ショウマさまっ、
階段を下りていきますっ。
彼らが下りたらアタシたちだけですっ」
「よし。
ちょっと隠れてて、居なくなったら橋を進もう」
ショウマは身を隠しながら、考える。
『明かり』に魔力を込めたら 大きい光の玉となった。
なら『炎の玉』は?
それも大きくなるだろうか?
…………
彼は獲物を窺っていた。
ちょうど良い2体しかいない2本足の獲物が来たのだ。
しかし付近にジャマしそうな仲間がいる。
湖の上だ。
あれが居なくなった時が狙い目だ。
『ほーのーおーのー…
今だ。
湖にいたジャマ者が居なくなった。
今が襲撃のタイミング。
彼は暗闇から飛び立つ。
フクロウは狩りの名人と言われる。
彼らは音を立てず羽ばたく事が出来るのだ。
他の鳥類のようなガサツな羽音を出さない。
獲物に気付かれず背後から忍び寄る。
“闇梟”も同様であった。
巨大な体にも関わらず、一切音を立てず2体の獲物を上空から襲う。
…たーまー』
その瞬間巨大な炎がショウマの頭上で燃え上がった。
「わっ 火事ですっ?
ショウマさまっ!」
「うわ!大きくなりすぎ。
何これ?
メテオ?」
『LVが上がった』
『ショウマは冒険者LVがLV12からLV13になった』
『ケロコは冒険者LVがLV1からLV3になった』
声が鳴り響く。
「今、何かあった?」
「ショウマさまっ、
ケロ子れべるがあがりましたっ。
これでお役にたてますかっ?」
気が付くとショウマのポケットには銀貨が数枚入っている。
アヤメは落ち込んでいる。
初心者説明を初めて行ったのに半分も説明できていない。
チーム登録の仕組みも冒険者チームの順位発表も伝えていない。
「キキョウ主任に言ったら怒られるー」
「なんだよ。
アヤメ、元気ないじゃんか」
「誰のせいだと思ってんですかー」
と言ってもカトレアには強く言えない。
彼女はアヤメがクレーマー冒険者に絡まれてると思って助けに来てくれたのだ。
組合の受付は気の荒い冒険者に絡まれる事も有り得る職場なのだ。
カトレアのように頼れる女性は大事。
「チッ、ショウマのヤツ。
明日見つけたら箱詰めして村に送り返してやる」
「カトレアさんに弟さんがいたなんて知りませんでした」
「ああ、サボリ魔の不出来なヤツだからね。
誰にも言ってないよ。
アイツ絶対なんか勘違いしてる。
冒険者は大変な職業なんだ。
ショウマなんかに出来るもんか」
「ケロ子、明日は下の階に行ってみようか」
「地下2階ですねっ。
2階に行くの初めてですっ」
ショウマとケロ子は夕飯を食べながら相談している。
ちなみにケロ子はショウマのリクエストでさっそくチアガール風衣装に着替えている。
動くとシャツのすそからおへそが見える。
ショウマはご飯を食べながらハラチラを盗み見しているのである。
「うん。地上の街に行く日、迷宮探索の日を交替でやって行こうかなって思ってる。
本当は休みの日もいれて3交替にしたいけど。
まだ迷宮収入と生活必需品購入、収支のバランスが分からないんだよね」
「さすがですっ。
ショウマさま、考えてますっ」
ケロ子にショウマにツッコミを入れるという選択肢は無い。
だけど周りに常識有る冒険者がいたなら切れていたであろう。
「武器!防具! 彼女まだなんの装備もしてないから!
薬草も毒消しも何の準備もしてないから! オマエも布の服しか着てないから!」
残念ながら周りにはツッコミ役が誰もいない。
【次回予告】
『地下迷宮』『野獣の森』『不思議の島』
人は三大迷宮と呼ぶ。
現在人間が辿り着く事の出来るダンジョンはこの3つだけなのだ。
だがしかし…
「はいっ。ケロコ、シカクですっ」
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