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第一章 ハジマリの地下迷宮
第2話 序章その2
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白い空間の上に浮いている美青年。
彼が橘翔馬に向かって言う。
「僕はマイケルくんだよ~」
「キタ!キタキタ! 転生キター!」
金髪の美青年は翔馬の叫びを気にせずに説明し始める。
「そうなんだ。
君の転生の相談だよ
君の魂そろそろ一万年越えてるんだよね。
一万年くらい越えたら、そろそろこの世界離れて異次元も経験しといていい時期なんだ。
でもさ~。
いきなり異世界送ると傷ついちゃうヤツがけっこういて、
混沌の海に還っちゃう魂とか多いんだよね~」
うん。
何を言ってるのか分からない。
「だから僕が調整してるワケ。
ほら補助輪付きを外して自転車に乗り出すとき、お父さんが体を持ってあげたりするだろう。
そんなカンジ~」
翔馬はすでに青年の説明とは別の事を考えていた。
だいたい翔馬は自転車に乗った事が無いのだ。
そんな説明しても分かるワケが無い。
「ちゃんとその人に合わせて説明してよ。」
翔馬は心の中で文句を言う。
「まずなんでオトコなの?
そりゃ金髪で美青年で浮いてて天使みたいでカッコ良いけど。
ここは女神じゃないの、それもドジっ娘ぽいヤツ」
「ああ、女性形がいいのかな?」
「!」
翔馬はまた声に出していた。
「あんまり評判良くないんだけどな~」
いきなり美青年が光に包まれた。
と思うとそこには若い美女が浮いていた。
金髪に青い瞳、高い鼻梁、通常出会う事が無い美人である。
「どうかな?これで。ミッシェルさんて呼んでね」
「キタ!キタキタ! キィータァー!」
翔馬は心の中で叫び声を上げる。
「ただこのスタイルだとね~……。
男はだいたいわたしの前だとどんな風に転生したいか、口に出すのを躊躇っちゃうのよね」
美女が言う。
どんな風に転生?
「ええと、それは転生先の世界や自分の能力を選べるって意味ですか?」
「そうよ。
そう言わなかった?
全て願望通りとは言わないけど、あなたの魂のカルマ値によってだいたい希望に近いカンジにしてあげるわ~」
金髪の天使風美女に微笑まれながら言われて、翔馬はうつむく。
こんな美女に微笑まれた経験なんか無いのだ。
顔を上げて美女を見るだけで無理ゲーである。
今、美女天使はなんと言った?
希望に近い世界に転生してあげると言ってなかったか
「そう、なんでもイイワケじゃないわ。
『金持ちにしてくれー』とか『王様になりたいんじゃー』なんてのは簡単ね。
世界自体は今いる世界と大して変わらない既存の世界で、
金持ちや王族の子に生まれ変わらせればいいだけだから」
「他にも
『モテモテになりたい』
『史上最高の天才』
とかそういう類は要するに金持ちの子にすれば良いだけ。
だいたい金!
ほとんど金!
世の中金でかたづくわ!」
いやそんな、天使のような美女が天使のスマイルで「金!金!」連呼しないで欲しい。
「ただ、やっぱり一部の人のニッチな願望ってのが有るものね」
『人間型ロボット兵器で戦争を続けている世界で、唯一の天才パイロットになりたい』
とかいう場合、
まず人間型兵器で戦争をしている世界を探さないと」
「その位なら良いんだけど。
『ライバルは仮面の美青年。その世界では強い方なんだけど、自分にはギリギリ敵わない』
ここまで言い出されると調整がむずかしいわ。
大変なの~。
カルマ値が足りないって言って適当にごまかすんだけど……」
ゴマカスって言った!
今、ゴマカスって言った!
「後はね。
『人間のいない辺境宇宙で兵器として改造されたエイリアンに生まれ変わりたい。
エイリアン同士で壮絶なバトルロワイヤルを繰り広げて、最終勝者は自分』
とか言われると、
イチから世界を創造しなきゃイケナイし、
ワタシじゃ無理ね~。
カルマ値も足りないし~」
「イチから世界を創るの?」
とゆーか願った人間いるの?
バカなの?
死ぬの?
もう死んでるんだった。
「わたし、今3億歳くらいなのね。
まだイチから世界創造は無理なの。
今ある世界を改造するくらいならイケルわ。
世界創造なら300億歳からかな~」
「アナタも一千万年くらい経てば高次元存在になって、世界を自由に行き来できるようになるわ~。
そのくらいのカルマ値になれば超次元存在になった方にお願いして世界創造してくれるかもよ~」
「気が長い!長い長い! なぁがぁスーギールー」
しかし、翔馬は気を取り直す。
これはアレがイケルかもしれないという事だ。
永年持ち続けた願望。
それは……。
「待って。待って待って、まぁって~」
「キミ、それ好きね~」
「やっぱり男性形にチェンジ!でお願いします」
美女に自分の願望を言うとかムリ。
顔を上げて見るだけでも無理なのに。
無理!ムリムリ! って言うか死ぬ。
「うん。そうなるかなと思った~」
美女はそう言った途端光に包まれて、もう美青年に変わっている。
「はい。マイケルくんです」
「ジャクソンさん?」
「違うよ~。
発音変えた方が良いかな~。
ポピュラーな発音にしてみたんだけど。
ミハイルくんとか、ドイツ風だとミヒャエルくんね。
ミカエルがしっくり来るのかな~」
ミカエル!
聞いたことがある名前。
天使図鑑に載ってた。
「うん。
それ、僕がモデルのなのかもねぇ」
僕に会ってあなたの生きてた世界に転生した人いるからね」
スゴイじゃん!
「それはそれとして そろそろ次の世界の希望を聞かせてよ」
「…………」
「……じゃあ……」
「モンスターと戦って、倒すと、倒したモンスターが美少女になって、倒した相手に絶対服従してくれる! そんな世界がいい!」
「……です……」
翔馬は美青年に向かって言い切った。
彼が橘翔馬に向かって言う。
「僕はマイケルくんだよ~」
「キタ!キタキタ! 転生キター!」
金髪の美青年は翔馬の叫びを気にせずに説明し始める。
「そうなんだ。
君の転生の相談だよ
君の魂そろそろ一万年越えてるんだよね。
一万年くらい越えたら、そろそろこの世界離れて異次元も経験しといていい時期なんだ。
でもさ~。
いきなり異世界送ると傷ついちゃうヤツがけっこういて、
混沌の海に還っちゃう魂とか多いんだよね~」
うん。
何を言ってるのか分からない。
「だから僕が調整してるワケ。
ほら補助輪付きを外して自転車に乗り出すとき、お父さんが体を持ってあげたりするだろう。
そんなカンジ~」
翔馬はすでに青年の説明とは別の事を考えていた。
だいたい翔馬は自転車に乗った事が無いのだ。
そんな説明しても分かるワケが無い。
「ちゃんとその人に合わせて説明してよ。」
翔馬は心の中で文句を言う。
「まずなんでオトコなの?
そりゃ金髪で美青年で浮いてて天使みたいでカッコ良いけど。
ここは女神じゃないの、それもドジっ娘ぽいヤツ」
「ああ、女性形がいいのかな?」
「!」
翔馬はまた声に出していた。
「あんまり評判良くないんだけどな~」
いきなり美青年が光に包まれた。
と思うとそこには若い美女が浮いていた。
金髪に青い瞳、高い鼻梁、通常出会う事が無い美人である。
「どうかな?これで。ミッシェルさんて呼んでね」
「キタ!キタキタ! キィータァー!」
翔馬は心の中で叫び声を上げる。
「ただこのスタイルだとね~……。
男はだいたいわたしの前だとどんな風に転生したいか、口に出すのを躊躇っちゃうのよね」
美女が言う。
どんな風に転生?
「ええと、それは転生先の世界や自分の能力を選べるって意味ですか?」
「そうよ。
そう言わなかった?
全て願望通りとは言わないけど、あなたの魂のカルマ値によってだいたい希望に近いカンジにしてあげるわ~」
金髪の天使風美女に微笑まれながら言われて、翔馬はうつむく。
こんな美女に微笑まれた経験なんか無いのだ。
顔を上げて美女を見るだけで無理ゲーである。
今、美女天使はなんと言った?
希望に近い世界に転生してあげると言ってなかったか
「そう、なんでもイイワケじゃないわ。
『金持ちにしてくれー』とか『王様になりたいんじゃー』なんてのは簡単ね。
世界自体は今いる世界と大して変わらない既存の世界で、
金持ちや王族の子に生まれ変わらせればいいだけだから」
「他にも
『モテモテになりたい』
『史上最高の天才』
とかそういう類は要するに金持ちの子にすれば良いだけ。
だいたい金!
ほとんど金!
世の中金でかたづくわ!」
いやそんな、天使のような美女が天使のスマイルで「金!金!」連呼しないで欲しい。
「ただ、やっぱり一部の人のニッチな願望ってのが有るものね」
『人間型ロボット兵器で戦争を続けている世界で、唯一の天才パイロットになりたい』
とかいう場合、
まず人間型兵器で戦争をしている世界を探さないと」
「その位なら良いんだけど。
『ライバルは仮面の美青年。その世界では強い方なんだけど、自分にはギリギリ敵わない』
ここまで言い出されると調整がむずかしいわ。
大変なの~。
カルマ値が足りないって言って適当にごまかすんだけど……」
ゴマカスって言った!
今、ゴマカスって言った!
「後はね。
『人間のいない辺境宇宙で兵器として改造されたエイリアンに生まれ変わりたい。
エイリアン同士で壮絶なバトルロワイヤルを繰り広げて、最終勝者は自分』
とか言われると、
イチから世界を創造しなきゃイケナイし、
ワタシじゃ無理ね~。
カルマ値も足りないし~」
「イチから世界を創るの?」
とゆーか願った人間いるの?
バカなの?
死ぬの?
もう死んでるんだった。
「わたし、今3億歳くらいなのね。
まだイチから世界創造は無理なの。
今ある世界を改造するくらいならイケルわ。
世界創造なら300億歳からかな~」
「アナタも一千万年くらい経てば高次元存在になって、世界を自由に行き来できるようになるわ~。
そのくらいのカルマ値になれば超次元存在になった方にお願いして世界創造してくれるかもよ~」
「気が長い!長い長い! なぁがぁスーギールー」
しかし、翔馬は気を取り直す。
これはアレがイケルかもしれないという事だ。
永年持ち続けた願望。
それは……。
「待って。待って待って、まぁって~」
「キミ、それ好きね~」
「やっぱり男性形にチェンジ!でお願いします」
美女に自分の願望を言うとかムリ。
顔を上げて見るだけでも無理なのに。
無理!ムリムリ! って言うか死ぬ。
「うん。そうなるかなと思った~」
美女はそう言った途端光に包まれて、もう美青年に変わっている。
「はい。マイケルくんです」
「ジャクソンさん?」
「違うよ~。
発音変えた方が良いかな~。
ポピュラーな発音にしてみたんだけど。
ミハイルくんとか、ドイツ風だとミヒャエルくんね。
ミカエルがしっくり来るのかな~」
ミカエル!
聞いたことがある名前。
天使図鑑に載ってた。
「うん。
それ、僕がモデルのなのかもねぇ」
僕に会ってあなたの生きてた世界に転生した人いるからね」
スゴイじゃん!
「それはそれとして そろそろ次の世界の希望を聞かせてよ」
「…………」
「……じゃあ……」
「モンスターと戦って、倒すと、倒したモンスターが美少女になって、倒した相手に絶対服従してくれる! そんな世界がいい!」
「……です……」
翔馬は美青年に向かって言い切った。
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