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Scene29 女教師と俺の校舎脇
第179話
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「分かるはずよ。
アナタはもう私の物」
確かに感じていた。
俺の心、自意識。
それが何かに囚われる。
魅了されたのか。
目の前の危険な女が恐ろしく魅惑的な絶対者の様に見えて来る。
そう、この女性に仕えるのだ。
この方の為に奉仕する事こそが我が喜び。
「まずはこの世界よ。
この世界を丸ごと私の物に。
ここにいる歪んだ欲望を抱えた男どもから私がどの位力を貰えたか分かるかしら。
アナタなら分かるでしょう。
次が懐かしいあの世界だよ」
俺の意識が薄れる。
俺の、異世界の『魔王』だった俺、草薙真悟の中に産まれた俺。
そんな俺の意識が無くなっていく。
「ダメ! ダメだよ、真悟くん」
誰かが語りかける。
誰だっけ。
真悟くん。
俺はそんな名前だったか。
俺に名前など要らない。
俺は目の前の方。
美しい女性。
この方に身も精神も捧げた奴隷なのだから。
「違う、キミは自由だ。
そんな女の所有物でなどある物か。
キミは僕のご主人様だ。
高天原宇宙をチリ紙の様に扱う。
世界でただ一人の人間だ」
ウツ。
そんなヤツがいたな。
余計な知識ばかりのチリ紙女。
そうか。
俺はこの女の所有物になってはいけないのか。
女が訝しむ。
「おかしい。
私のモノになった。
そう感じたのに。
まだ抵抗するの。
さすが『魔王』だからかしら。
そこらの男とはワケが違うのかしらね」
俺は応えず、別の事を言う。
「俺は『魔王』などと呼ばれているが弱い。
大した魔術も使えない」
「ああ、知っているわ。
身体に蓄えた魔力は膨大。
膨大過ぎてそれを自在に扱う事は誰にも出来ない。
魔術師に魔力を分け与えるだけなんでしょう」
勇者が応える。
知っていたか。
「だけど、どうかしらね。
私は魔術師でも有るの。
子供の頃から弱い魔力を扱って来たわ。
男を知る様になって、経験して生まれた巨大な魔力を私は操って来たわ。
そんな私なら。
誰も操れない様な膨大過ぎる魔力、それをも扱えるかもしれない。
そう思わない?」
「そうかもしれんな。
なら試してみるか」
俺の中に眠るナニカ。
高濃度に押し込まれた圧縮されたそれ。
夕方奥多摩湖で使ってはしまったが。
まだ残ってるそれを開放する。
圧縮されたモノの解凍。
「バカな、ミクトランテクゥトから聞いてるよ。
アナタの膨大な魔力。
天文学的なそれは今日使い果たしたって」
だからこのタイミングで待っていたのか。
「圧縮されたファイルだよ。
高密度に圧縮すればするほど、解凍するのに時間がかかるだろう」
パソコンの話だが。
俺の内部も同じ。
高密度に圧縮されたそれは通常の状態に戻すのに時間がかかる。
俺の中で力が渦巻く。
俺と女は体を密着させている。
俺の中にある魔力が女の身体に音を立てて雪崩れ込む。
「あひゃっ!
あひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
女が喘ぎ声とも叫び声ともつかない声を上げる。
女の中にも眠る魔力。
多数の男と寝て来た、その度に発生して来た魔力が有る。
俺のそれに比べれば微々たる量だが。
通常の魔術師では扱いきれない位の量。
ミクトランテクゥトが後退る。
「これは、夕方見たモノと同じ。
いやもしかしたらそれ以上の魔力」
強大にして高密度な魔力に恐れをなしたのか。
死霊術師は恐れの声を洩らす。
「しかしあの時調整をこなしたシアカテルはここにはいない。
こんな量の力。
誰もコントロール出来ない。
このままでは……」
「そうだ。
暴発するだろう。
中心に居る俺もこの女も粉々。
魂も残らんだろうよ。
ミクトランテクゥト、お前がいくらアンデッドでも危険だ。
逃げておけ」
「魔王様。
どうするおつもりなのです」
「シアカテルに伝えろ。
俺は居なくなったと。
勇者も道連れだ。
あの世界に戻って上手くやれ」
死霊術師は一目散に逃げだした。
アンデッドとして相当の年月生きて来た男だが。
まだ生きていたいと見える。
「ヒッ、ひぎいぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいい」
俺の上でまだ叫んでる女。
「俺はこの三年、たっぷりと楽しんだ。
王としての責も立場も逃れて。
楽しかったぞ。
女とは本当に可愛いモノだな。
王の嫁として差し出された女どもに愛しい等と思った事も無かった。
自分一人になって、口説いて手に入れる女は本当に魅力的で可愛い]
「クッ! ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい」
俺の言葉を聞いているのか。
教師の姿をした女は悶える。
「お前も楽しんだはずだ。
もう良かろう」
「ああ、ああ!、あああああああああああああああ」
女は暴れる。
俺は知っている。
俺と女教師は週に一回の逢瀬を楽しんでいた。
俺が別の日に他の女性と逢っていたように。
この女も他の男と関係を持っていた。
男子生徒を幾人も玩具にしていたのだ。
濃密な力が暴発する。
俺と俺にくっついた女、両方とも吹き飛ぶだろう。
跡形も残らないハズ。
スペース刑事ゲン。
あの男もこんな気分だったろうか。
俺はあの男を馬鹿だと考えていた。
自分が死んでは何にもならない。
自己犠牲。
言葉だけは美しいかもしれないが。
自分があってこその世界だ。
俺と言う意識は自分があってこそ世界を感じる事が出来る。
自分がいない世界などなんの意味も無い。
だが。
俺と女と二人とも吹っ飛ぶ。
跡形も無く消え失せる。
俺はそのつもりでいた。
その覚悟は衝動的と言っていい。
目の前の狂った女。
こいつの欲望は誰にも止められない。
この女はこの場で消し飛ばすのが正しい。
自分を無くしても。
この世界にいる誰か。
あの女がいるのだからこの世界は狂った欲望に晒してはおけない。
そう思った瞬間、覚悟は決まった。
そうか、そんな風に思ってしまう事が有るのだな。
俺は納得する。
ゲンも、猫屋敷三毛寝子も同じようだっただろうか。
理屈では無い。
大切な存在のため。
身体が勝手に動く。
その覚悟で校舎を背にした俺。
だがしかし。
校舎内から音がする。
窓ガラスを叩くような音。
振り返った俺。
その目に飛び込んだものは。
病的に白い肌の少女。
高天原宇宙。
俺は瞬間、息が詰まった。
ウツ、何故ここに。
カメラ。
監視カメラが至る所に仕掛けられてる。
何処かに引っかかったのか。
バカ、何故上がってくる。
そのまま地下に隠れていれば良いものを。
俺は体から溢れだすナニカの放出を無理やり停止する。
そのまま、女と俺の体を校舎から離す。
「捉えたぞ、捉えた『魔王』を」
女が囁く。
先程まで苦悶の叫びを上げていた狂った女。
その間も俺の隙を、逆転のチャンスを狙っていたのか。
女教師の肉体は膨大過ぎる魔力のせいか、焼けただれた様に崩れつつある。
しかし目だけはギラリと光る。
「ダメだ。
この女の体はもう役に立たない。
クッ。
元の世界に呼び戻される。
もう少し楽しみたかっただろう。
私もさ。
この世界は面白かった。
歪んだヤツばっかりでさ。
だけど、残念だ。
これでお終いみたい。
ここまでよ。
『魔王』アナタも連れていくよ」
「どうなるんだ」
「あの世界で、懐かしい腐った世界で。
封印されてるアナタの身体。
そこにアナタの意識も魂も戻るのさ。
その魔力もね。
その全てが私のモノ」
その瞬間、俺の意識が消える。
全てが暗転する。
アナタはもう私の物」
確かに感じていた。
俺の心、自意識。
それが何かに囚われる。
魅了されたのか。
目の前の危険な女が恐ろしく魅惑的な絶対者の様に見えて来る。
そう、この女性に仕えるのだ。
この方の為に奉仕する事こそが我が喜び。
「まずはこの世界よ。
この世界を丸ごと私の物に。
ここにいる歪んだ欲望を抱えた男どもから私がどの位力を貰えたか分かるかしら。
アナタなら分かるでしょう。
次が懐かしいあの世界だよ」
俺の意識が薄れる。
俺の、異世界の『魔王』だった俺、草薙真悟の中に産まれた俺。
そんな俺の意識が無くなっていく。
「ダメ! ダメだよ、真悟くん」
誰かが語りかける。
誰だっけ。
真悟くん。
俺はそんな名前だったか。
俺に名前など要らない。
俺は目の前の方。
美しい女性。
この方に身も精神も捧げた奴隷なのだから。
「違う、キミは自由だ。
そんな女の所有物でなどある物か。
キミは僕のご主人様だ。
高天原宇宙をチリ紙の様に扱う。
世界でただ一人の人間だ」
ウツ。
そんなヤツがいたな。
余計な知識ばかりのチリ紙女。
そうか。
俺はこの女の所有物になってはいけないのか。
女が訝しむ。
「おかしい。
私のモノになった。
そう感じたのに。
まだ抵抗するの。
さすが『魔王』だからかしら。
そこらの男とはワケが違うのかしらね」
俺は応えず、別の事を言う。
「俺は『魔王』などと呼ばれているが弱い。
大した魔術も使えない」
「ああ、知っているわ。
身体に蓄えた魔力は膨大。
膨大過ぎてそれを自在に扱う事は誰にも出来ない。
魔術師に魔力を分け与えるだけなんでしょう」
勇者が応える。
知っていたか。
「だけど、どうかしらね。
私は魔術師でも有るの。
子供の頃から弱い魔力を扱って来たわ。
男を知る様になって、経験して生まれた巨大な魔力を私は操って来たわ。
そんな私なら。
誰も操れない様な膨大過ぎる魔力、それをも扱えるかもしれない。
そう思わない?」
「そうかもしれんな。
なら試してみるか」
俺の中に眠るナニカ。
高濃度に押し込まれた圧縮されたそれ。
夕方奥多摩湖で使ってはしまったが。
まだ残ってるそれを開放する。
圧縮されたモノの解凍。
「バカな、ミクトランテクゥトから聞いてるよ。
アナタの膨大な魔力。
天文学的なそれは今日使い果たしたって」
だからこのタイミングで待っていたのか。
「圧縮されたファイルだよ。
高密度に圧縮すればするほど、解凍するのに時間がかかるだろう」
パソコンの話だが。
俺の内部も同じ。
高密度に圧縮されたそれは通常の状態に戻すのに時間がかかる。
俺の中で力が渦巻く。
俺と女は体を密着させている。
俺の中にある魔力が女の身体に音を立てて雪崩れ込む。
「あひゃっ!
あひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
女が喘ぎ声とも叫び声ともつかない声を上げる。
女の中にも眠る魔力。
多数の男と寝て来た、その度に発生して来た魔力が有る。
俺のそれに比べれば微々たる量だが。
通常の魔術師では扱いきれない位の量。
ミクトランテクゥトが後退る。
「これは、夕方見たモノと同じ。
いやもしかしたらそれ以上の魔力」
強大にして高密度な魔力に恐れをなしたのか。
死霊術師は恐れの声を洩らす。
「しかしあの時調整をこなしたシアカテルはここにはいない。
こんな量の力。
誰もコントロール出来ない。
このままでは……」
「そうだ。
暴発するだろう。
中心に居る俺もこの女も粉々。
魂も残らんだろうよ。
ミクトランテクゥト、お前がいくらアンデッドでも危険だ。
逃げておけ」
「魔王様。
どうするおつもりなのです」
「シアカテルに伝えろ。
俺は居なくなったと。
勇者も道連れだ。
あの世界に戻って上手くやれ」
死霊術師は一目散に逃げだした。
アンデッドとして相当の年月生きて来た男だが。
まだ生きていたいと見える。
「ヒッ、ひぎいぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいい」
俺の上でまだ叫んでる女。
「俺はこの三年、たっぷりと楽しんだ。
王としての責も立場も逃れて。
楽しかったぞ。
女とは本当に可愛いモノだな。
王の嫁として差し出された女どもに愛しい等と思った事も無かった。
自分一人になって、口説いて手に入れる女は本当に魅力的で可愛い]
「クッ! ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい」
俺の言葉を聞いているのか。
教師の姿をした女は悶える。
「お前も楽しんだはずだ。
もう良かろう」
「ああ、ああ!、あああああああああああああああ」
女は暴れる。
俺は知っている。
俺と女教師は週に一回の逢瀬を楽しんでいた。
俺が別の日に他の女性と逢っていたように。
この女も他の男と関係を持っていた。
男子生徒を幾人も玩具にしていたのだ。
濃密な力が暴発する。
俺と俺にくっついた女、両方とも吹き飛ぶだろう。
跡形も残らないハズ。
スペース刑事ゲン。
あの男もこんな気分だったろうか。
俺はあの男を馬鹿だと考えていた。
自分が死んでは何にもならない。
自己犠牲。
言葉だけは美しいかもしれないが。
自分があってこその世界だ。
俺と言う意識は自分があってこそ世界を感じる事が出来る。
自分がいない世界などなんの意味も無い。
だが。
俺と女と二人とも吹っ飛ぶ。
跡形も無く消え失せる。
俺はそのつもりでいた。
その覚悟は衝動的と言っていい。
目の前の狂った女。
こいつの欲望は誰にも止められない。
この女はこの場で消し飛ばすのが正しい。
自分を無くしても。
この世界にいる誰か。
あの女がいるのだからこの世界は狂った欲望に晒してはおけない。
そう思った瞬間、覚悟は決まった。
そうか、そんな風に思ってしまう事が有るのだな。
俺は納得する。
ゲンも、猫屋敷三毛寝子も同じようだっただろうか。
理屈では無い。
大切な存在のため。
身体が勝手に動く。
その覚悟で校舎を背にした俺。
だがしかし。
校舎内から音がする。
窓ガラスを叩くような音。
振り返った俺。
その目に飛び込んだものは。
病的に白い肌の少女。
高天原宇宙。
俺は瞬間、息が詰まった。
ウツ、何故ここに。
カメラ。
監視カメラが至る所に仕掛けられてる。
何処かに引っかかったのか。
バカ、何故上がってくる。
そのまま地下に隠れていれば良いものを。
俺は体から溢れだすナニカの放出を無理やり停止する。
そのまま、女と俺の体を校舎から離す。
「捉えたぞ、捉えた『魔王』を」
女が囁く。
先程まで苦悶の叫びを上げていた狂った女。
その間も俺の隙を、逆転のチャンスを狙っていたのか。
女教師の肉体は膨大過ぎる魔力のせいか、焼けただれた様に崩れつつある。
しかし目だけはギラリと光る。
「ダメだ。
この女の体はもう役に立たない。
クッ。
元の世界に呼び戻される。
もう少し楽しみたかっただろう。
私もさ。
この世界は面白かった。
歪んだヤツばっかりでさ。
だけど、残念だ。
これでお終いみたい。
ここまでよ。
『魔王』アナタも連れていくよ」
「どうなるんだ」
「あの世界で、懐かしい腐った世界で。
封印されてるアナタの身体。
そこにアナタの意識も魂も戻るのさ。
その魔力もね。
その全てが私のモノ」
その瞬間、俺の意識が消える。
全てが暗転する。
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