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Scene.EX03 五古河逆と俺のいない小学校

第169話

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「大変だ!
 ゾンビが現れた」

楽しいクリスマス会はその声で様子を変える。
表で見張りをしていたヤツが声を上げたのだ。

カエル人間ども。
ウツによるとインスマス人だったか。
そいつらの親玉は円花や草薙のが倒したらしい。
しかし生き残りがいないとも限らない。
ゾンビだってこの辺には少ないとは言え居る事は居るのだ。
もちろん入り口付近には見張りを立ててる。

見張りの男が言う。

「大変なんだ。
 今まで見た事の無い位のゾンビの群れだ。
 大量のゾンビが押し寄せてる」


オレは入り口の方へと走る。

「クソッ。
 話が違うぜ。
 この辺にゾンビはほとんどいないんじゃなかったのかよ」

「ホントウよ。
 今までゾンビなんて2,3体しか見た事無いわ」

答えたのは速見佐緒里。
しっかりした小学生女子だ。

「ハイ、あたしもです。
 一度に何体ものゾンビが襲ってくるなんて初めてです」

続けたのは炎城寺由羅。
まだオレはちゃんと見て無いのだが。
どうやら円花と同じ魔法少女になって戦えるらしい。

「わたしと逆が先頭で戦うわ。
 由羅ちゃんは、後方でフォローして」

円花が走りながら言う。
腕に着けてるブレスレットを前方に差し出す。
身体が煌めきだす。

既に見慣れた光景だが。
やはりマンガみたいだ。

そこに居たのは碧い光を纏う魔法少女。
剣を持ち、ゾンビの群れへと疾走する。

「えっ、でも……」

由羅はオレの顔を見て戸惑っている。
コイツの前でオレはまだ戦う姿を見せて無かったな。

「任せろ。
 オレを誰だと思ってる」

オレは五古河逆。
バケモノだらけの五古河の人間なのだ。

オレはスッと武器を取り出す。

佐緒里がギョッとしたような顔。
何処から取り出したんだと思ってるのだろう。
ナイショ。
企業秘密ってヤツだな。

先端の尖った金属。
縄鏢。
棒手裏剣なんて呼ばれたりもする。
柄の部分に縄が付いてそこを持てば滑りにくくなる。
一般的なヤツより先端部が長いのを選んできた。
実家に行けばこんな凶器は山ほど有るのだ。

円花の横を走るオレ。
視界に入るゾンビの頭部に凶器を突き立てる。
一瞬で抜き取り、さらに次のゾンビを狙う。
あっという間にゾンビは倒れる。
瞬く間にオレは四体のゾンビを倒して見せた。

後ろで佐緒里の声がする。

「スッゴイ、逆さん。
 カッコイイ」

まあな。
オレは五古河逆だぜ。
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