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Scene28 悶える闇の妖精と俺の湖の畔
第165話
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俺は高校に向かっていた。
保健室に高天原宇宙の地下ルームが有る。
シアカテルはジージーマインに預けた。
グッタリ倒れ伏した闇の妖精。
集中力を使い果たしたのだ。
「オマエラ、もう帰ったらどうだ?
既に分かっただろう。
ここはお前らの世界じゃない」
「それはお前も同じだろ。
お前が居るのも似合うとは思えないぜ」
サイツォンが返す。
「まぁ、正直俺はどうでもいいんだ。
アンタが帰る気無いのならそれはそれで構わん。
むしろシアカテルを説得する方法考えてくれ。
この女が納得しない限り終わらんぜ」
そうサイツォンは言っていた。
ふむ。
シアカテルに諦めさせる方法か。
「じゃあな。
今日はご苦労だった。
シアカテルにも伝えてくれ」
「あいよ」
「アリガタキオ言葉」
サイツォンとジージーマインは山の中のねぐらとやらに帰るようだ。
ミクトランテクゥトは倒れたまま、放置されてる。
うむ、トーゼンだな。
キャンディーに頼んだのだ。
円花たちのいる小学校に戻る前に少し高校に寄れないか。
「高校とやらに行ってどうすんの」
「知り合いに少し報告をな」
上手く行けば東京周辺に雨が振る。
『Glaaki』の呪いに対抗する雨。
夜、活動しているゾンビに降り注げば。
棘の効力が消え、タダの死体と化す。
元に戻る人間もいるかもしれない。
そこまで上手くいかなくとも、ゾンビ集団の増加に歯止めをかけるくらいは出来そうだ。
品川周辺から円花のいる神奈川方向へゾンビが大量に移動してると言う。
雨がちょうど、そいつらに降り注いでくれると良いんだがな。
まあその辺は天候任せ。
俺にこれ以上出来る事は無い。
しばらくウツの顔も拝んでいない。
報告くらいは直に顔をだしてやろう。
その後は小学校に戻る。
円花や、由羅達とクリスマス会だ。
対ゾンビ戦争になってしまう可能性も有るのだ。
「んじゃ、一時間ね。
高校の上空に一時間留めとくわ。
それ以上経ったら、ほっといて帰っちゃうわよ」
「いいぞ」
俺は見慣れた高校の校庭に降り立つ。
校庭は真っ暗、小雨がチラついてるな。
ゾンビ達の時間。
しかし周囲のゾンビの動きがおかしい。
数日前、高校に大量にいたゾンビども。
雨を浴びて倒れているのだ。
グギャギャ。
ガ……グゥ……ギャ。
呻き声を上げてるのも居る。
どうやら上手くいったか。
『Glaaki』の棘への対抗。
俺は倒れたゾンビを横目に保健室へと向かう。
窓が閉まってるな。
当たり前か。
衛星通信スマホを取り出しウツにかける。
中から開けて貰おう。
だがスマホを取り出した俺の腕を何者かが掴む。
夜の暗がりから姿を現す。
スーツを着た女性。
「必ずここには戻ってくると思っていた。
待っていたよ。
『魔王』」
その女はそう言った。
大人の女性。
俺の知っている女。
保健室に高天原宇宙の地下ルームが有る。
シアカテルはジージーマインに預けた。
グッタリ倒れ伏した闇の妖精。
集中力を使い果たしたのだ。
「オマエラ、もう帰ったらどうだ?
既に分かっただろう。
ここはお前らの世界じゃない」
「それはお前も同じだろ。
お前が居るのも似合うとは思えないぜ」
サイツォンが返す。
「まぁ、正直俺はどうでもいいんだ。
アンタが帰る気無いのならそれはそれで構わん。
むしろシアカテルを説得する方法考えてくれ。
この女が納得しない限り終わらんぜ」
そうサイツォンは言っていた。
ふむ。
シアカテルに諦めさせる方法か。
「じゃあな。
今日はご苦労だった。
シアカテルにも伝えてくれ」
「あいよ」
「アリガタキオ言葉」
サイツォンとジージーマインは山の中のねぐらとやらに帰るようだ。
ミクトランテクゥトは倒れたまま、放置されてる。
うむ、トーゼンだな。
キャンディーに頼んだのだ。
円花たちのいる小学校に戻る前に少し高校に寄れないか。
「高校とやらに行ってどうすんの」
「知り合いに少し報告をな」
上手く行けば東京周辺に雨が振る。
『Glaaki』の呪いに対抗する雨。
夜、活動しているゾンビに降り注げば。
棘の効力が消え、タダの死体と化す。
元に戻る人間もいるかもしれない。
そこまで上手くいかなくとも、ゾンビ集団の増加に歯止めをかけるくらいは出来そうだ。
品川周辺から円花のいる神奈川方向へゾンビが大量に移動してると言う。
雨がちょうど、そいつらに降り注いでくれると良いんだがな。
まあその辺は天候任せ。
俺にこれ以上出来る事は無い。
しばらくウツの顔も拝んでいない。
報告くらいは直に顔をだしてやろう。
その後は小学校に戻る。
円花や、由羅達とクリスマス会だ。
対ゾンビ戦争になってしまう可能性も有るのだ。
「んじゃ、一時間ね。
高校の上空に一時間留めとくわ。
それ以上経ったら、ほっといて帰っちゃうわよ」
「いいぞ」
俺は見慣れた高校の校庭に降り立つ。
校庭は真っ暗、小雨がチラついてるな。
ゾンビ達の時間。
しかし周囲のゾンビの動きがおかしい。
数日前、高校に大量にいたゾンビども。
雨を浴びて倒れているのだ。
グギャギャ。
ガ……グゥ……ギャ。
呻き声を上げてるのも居る。
どうやら上手くいったか。
『Glaaki』の棘への対抗。
俺は倒れたゾンビを横目に保健室へと向かう。
窓が閉まってるな。
当たり前か。
衛星通信スマホを取り出しウツにかける。
中から開けて貰おう。
だがスマホを取り出した俺の腕を何者かが掴む。
夜の暗がりから姿を現す。
スーツを着た女性。
「必ずここには戻ってくると思っていた。
待っていたよ。
『魔王』」
その女はそう言った。
大人の女性。
俺の知っている女。
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