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Scene28 悶える闇の妖精と俺の湖の畔
第158話
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倒れたシアカテルに俺は近づく。
闇の妖精、美しい肌を晒し苦悶の表情を浮かべる彼女。
周囲に渦巻く魔力が濃密かつ強大過ぎて立っていられないのだ。
魔力酔いとでも言えばいいだろうか。
俺は彼女の肩に手を置く。
俺の身体に張ってあった結界を彼女に軽く行き渡らせる。
本来体内の魔力を外に出さないための物だが。
外から圧をかける魔力を遮断する役にも立つだろう。
「ありがとうございます」
何が起きたのかまだ良く分かっていない表情。
だが楽にはなったのだろう。
彼女は立ち上がり礼を言う。
「いくら貴方様でも、これはあまりにも強大過ぎる……」
一体どうされたのです?」
「この世界に来られて何か、力を上げられる事でも有ったのですか」
「しかもこれまで完璧に隠しておられるとは」
ミクトランテクゥトとシアカテルが問いかける。
「ナニナニ、一体なんなのよ?!」
キャンディーが騒ぐ。
魔力など分からない筈のスペース刑事見習い。
それでも何かの気配は感じられるのだろう。
「ははぁ、以前から隠してやがったのか」
サイツォンが言う。
コイツは鋭い、獣人魔将。
「イザという時の為隠してた、自分の身を守る秘密兵器。
いや、そんなもんじゃねぇな。
ここまでの力が有っちゃあな。
全てのバランスが狂うぜ。
人間族と魔族のバランスどころじゃねえ。
全ての生物のバランス」
シアカテルが震える。
「私にまで隠し通していたのですか」
「………………
先ほど、サイツォンは或る一族は1000人分の魔力を持ってると言っていたな。
アレは嘘ではない。
だか時間の概念が抜けている」
「1000人分の魔力、それを産み出せるのは一日単位での話だ」
「!!!」
「テメェ!、何言ってやがる!?」
「1000人分を一日すると、一年間では36万人分の魔力!」
「それを蓄えて置ける、特殊な種族」
サイツォン、シアカテル、ミクトランテクゥト。
それぞれに何か理解したらしい呆然とした表情。
「勿論、そんな魔力俺に操れるモノでは無い。
俺に出来るのは体内に蓄え、外に出さない様にするので精いっぱいだ」
「ついでに言うとな。
普通に暮らすと千人分の魔力だが。
男女の交合、いわゆる子作りだな。
アレをするとその100倍くらいか。
だから10万人分くらいの魔力が発生するな」
元々はだからだろうな。
俺が子供から成人になると女性をあてがい、毎日男女の交合をさせていた。
多分、種族に代々伝わる儀式。
魔力をより生み出すための知恵。
何時からか。
有力種族とのバランスを取る政治的な意味合いも大きくなっていたが。
シアカテル、ミクトランテクゥトは俺をバケモノでも見るような表情で見ているが。
獅子の顔をした男は笑いだす。
「はははっは。
それでこそだぜ。
獣人の王である俺様が頭を下げてる存在。
それでこそ、俺様の上に立つ男だぜ」
闇の妖精、美しい肌を晒し苦悶の表情を浮かべる彼女。
周囲に渦巻く魔力が濃密かつ強大過ぎて立っていられないのだ。
魔力酔いとでも言えばいいだろうか。
俺は彼女の肩に手を置く。
俺の身体に張ってあった結界を彼女に軽く行き渡らせる。
本来体内の魔力を外に出さないための物だが。
外から圧をかける魔力を遮断する役にも立つだろう。
「ありがとうございます」
何が起きたのかまだ良く分かっていない表情。
だが楽にはなったのだろう。
彼女は立ち上がり礼を言う。
「いくら貴方様でも、これはあまりにも強大過ぎる……」
一体どうされたのです?」
「この世界に来られて何か、力を上げられる事でも有ったのですか」
「しかもこれまで完璧に隠しておられるとは」
ミクトランテクゥトとシアカテルが問いかける。
「ナニナニ、一体なんなのよ?!」
キャンディーが騒ぐ。
魔力など分からない筈のスペース刑事見習い。
それでも何かの気配は感じられるのだろう。
「ははぁ、以前から隠してやがったのか」
サイツォンが言う。
コイツは鋭い、獣人魔将。
「イザという時の為隠してた、自分の身を守る秘密兵器。
いや、そんなもんじゃねぇな。
ここまでの力が有っちゃあな。
全てのバランスが狂うぜ。
人間族と魔族のバランスどころじゃねえ。
全ての生物のバランス」
シアカテルが震える。
「私にまで隠し通していたのですか」
「………………
先ほど、サイツォンは或る一族は1000人分の魔力を持ってると言っていたな。
アレは嘘ではない。
だか時間の概念が抜けている」
「1000人分の魔力、それを産み出せるのは一日単位での話だ」
「!!!」
「テメェ!、何言ってやがる!?」
「1000人分を一日すると、一年間では36万人分の魔力!」
「それを蓄えて置ける、特殊な種族」
サイツォン、シアカテル、ミクトランテクゥト。
それぞれに何か理解したらしい呆然とした表情。
「勿論、そんな魔力俺に操れるモノでは無い。
俺に出来るのは体内に蓄え、外に出さない様にするので精いっぱいだ」
「ついでに言うとな。
普通に暮らすと千人分の魔力だが。
男女の交合、いわゆる子作りだな。
アレをするとその100倍くらいか。
だから10万人分くらいの魔力が発生するな」
元々はだからだろうな。
俺が子供から成人になると女性をあてがい、毎日男女の交合をさせていた。
多分、種族に代々伝わる儀式。
魔力をより生み出すための知恵。
何時からか。
有力種族とのバランスを取る政治的な意味合いも大きくなっていたが。
シアカテル、ミクトランテクゥトは俺をバケモノでも見るような表情で見ているが。
獅子の顔をした男は笑いだす。
「はははっは。
それでこそだぜ。
獣人の王である俺様が頭を下げてる存在。
それでこそ、俺様の上に立つ男だぜ」
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