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Scene24 地下室探偵高天原宇宙と俺の教会の部屋

第137話

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ウツの衛星スマホを机に置く。
ハンズフリーモード。

「やあやあ皆さんお揃いで。真悟くんと美女三人かい。一緒に会話してるんだから僕も含めて良いのかな。真悟くんと美女四人。男性一人に女性四人。素晴らしい男女比のグループだね。そんな男女比で戦隊もの作ってくれないかな。きっと人気出ると思うんだけど」

「魔導書、魔導書かい。みんな大好きクトゥルフ神話の魔導書。
 有名なのはやっぱり『ネクロノミコン』だよね。『死霊秘法』『アル:アジフの書』。『斬魔大聖デモンベイン』で萌少女化されちゃって以来とにかく有名になったよね。正直、聞いた事有る人のウチ半分くらいは魔導書の名前じゃなくて女の子の名前だと思ってんじゃないかな。『このネクロノミコンがやばい大賞』だよね。
 『デモンベイン』のロボットに乗り込む操縦者を美少女ちゃんがサポートするって『ファイブスター物語』を彷彿とさせないかい。そうでもないか。『冥王計画ゼオライマー』でもやってるか。最近になってくるとロボット操縦者を美少女AIがサポートなんて主にゲームに於いてありふれてるもんね」

相変わらずウツは好き勝手に喋らせると内容に取り留めが無い。


俺は放置して、シアカテルと意思を繋げる
 
「ミクトランテクゥトのヤツ、この世界に来て魔導書に手出ししてないだろうな」
「してます。
 ここに移動してすぐ、『知らない魔導書がこんなに有る。わははは夢の様だ』
 とか言いながら、かき集めてました。
 ジージーマインに協力させて片っ端から収集はじめようとしたので止めました。
 目立つことはするな、と。
 その後は図書館や博物館からの盗みはしてない筈です」
 

ウツのヤツは話を続ける。

「クトゥルフ神話の魔導書なんてやたらたくさん有るんだよ。
 『エイボンの書』に『ナコト写本』『無名祭祀書』、現存する物は少ないけどミスカトニック大学附属図書館には有るってコトになってる。
 何でも揃う夢の図書館だよね。足塚不二雄先生の『UTOPIA 最後の世界大戦』も置いてあるかな」

「手に入らない筈の魔導書なんだけど、何故か怪しいカルト団体は持ってたりするんだよね。不幸な主人公の元に何故か転がり込んだり、最後まで魔導書を読むと呪われたり邪神が現れて連れ去られるパターン。魔導書が手に入りました、則オークションで売りました、ハッピーエンド!みたいな短編無いのかな」


ウツの話を聞き流す俺。

「目立つコトはするな、と言ったんだな」
「はい。
 その後も何処かしらから魔導書は手に入れていた様です。
 ジージーマインには手伝わない様釘を刺しました。
 でもニュースにはならないような場所に眠ってる魔導書が幾らでも有るんだとミクトランテクゥトは言ってまして」
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