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Scene19 シスター・クリスティーナと俺の海底神殿

第113話

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「超電磁原子核融合殺戮剣!」
スペース刑事ゲンが鉄の扉を焼き切る。
恐ろしく頑丈そうな扉だったが『プラズマソード』の前には一瞬の障害にしかならなかった。

俺は扉に隠された階段を上っていく。
神殿のような建物を体感ではかなり登って来た。
表の広場から見ると神殿は上部が海の中へ続いていた。
そろそろ海の中なのではないか。

七鮎川円花【ななあゆかわまどか】、炎城寺由羅【えんじょうじゆら】は不気味な男達を追って行ったまま帰ってこない。
Deep Onesの所へ連れて行かれたらしい。
Deep Onesとやらは海底に棲む水棲人。
あまり行きたくは無いが、行くしか無いだろう。

階段の先に扉が見えて来る。
先程の頑丈そうな鉄扉じゃない。
木製の簡単な物。
そこから人の声がする。
女性の声。

「あっ、やめて。
 やめなさい」
「ククク、止メルモノカ。
 貴様ニハ我ラノ子ヲ産ンデモラウノダ」

俺は木の扉の隙間から覗く。
何だか唾を呑み込む音が聞こえる。
スペース刑事ゲン。
ゲンも音を立てない様に隙間にかじりついてる。

そこには修道服姿の女性。
女性にまとわりつく不気味な姿の男たち。
男達がシスターを襲っているのだ。

あれはシスター・クリスティーナ。
昨夜から行方不明だと聞いた。
やはりインスマスどもに攫われていたのか。

「クッ。
 神は許しませんよ。
 その手をお話しなさい」
「クククDeep Ones様ノ御下ガリジャナイ女ヲ抱ケルノハ久シブリダ」
「存分ニ楽シマセテモラオウ」

シスターは男達の手から逃れようとする。
だが男達は複数、ナイフでシスターの修道服を切り裂く。
刃物を持つ男にシスターは抵抗を封じられている。

黒い修道服が切り裂かれ、下着が見えて来る。
純白。
華美なモノでは無いが、女性のプロポーションと合わせて美しい。
破られた黒い服と白い下着。
背徳的な美しさ。

男達も魅せられたのか。
シスター・クリスティーナの形の良い胸に、長く伸びた足に手を伸ばす。

「ちょっと、いつ迄見てんのよ。
 とっとと助けなさいよ」

スペース刑事見習いキャンディーがゲンを小突く。
キャンディーの言う事ももっとも。
見物してる場合では無い。
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