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Scene17 水着女性と俺の冬の海辺
第106話
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俺は石で出来た建造物の前に立って観察する。
スペース刑事ゲンと名乗った男も一緒だ。
スペース刑事。
俺の感覚だとカッコ良くない響きなのだが。
俺もその手のセンスに自信が有る訳じゃ無い。
今度、ウツに訊いてみよう。
「地下に向かって続いてるな」
男の言う通り、入口から通路は下へ向かっていく。
通路には蝋燭が飾られ、見えてはいるが奥の方までは見通せない。
水着を着た女性もおっかなびっくり覗き込んでいる。
そう言えばまだ、名前を知らないな。
「あの、俺は草薙真悟と言います。
高校三年生です」
「あっ、あのアタシ。
えーと、その…………」
女性はアタフタしてる。
慌てるさまも少し可愛い。
俺より年上だと思うが、少し抜けたお姉さんと言ったところか。
「何慌ててるんだ、オマエ」
「うるさいわね、現地人と接触するのに慣れて無いの。
それにこんな露出の多い格好だし」
「やっぱ、その服装変なんじゃないか。
この少年、お前の恰好気にしてるぞ」
「ええっ!
ちゃんと調べたのよ。
この辺に来る若い女性の服装。
画像で調べるとこんな服装が一番多かったの」
女性が自分の服装を見回す。
明るい色のビキニ。
ピンクの入った赤。
上からライトグレーのパーカーを羽織ってる。
なかなか似合う。
海辺にはピッタリだ。
季節が夏ならば。
現在は冬の海辺、風は冷たい。
哀しい事だが水着で出歩く女性はいないだろう。
「いいえ、お姉さんの服装は素敵です。
自分は素敵なスタイルだなと思って見惚れていただけです」
俺はテレもせず言う。
本当に思っていた事だ。
口に出すのに遠慮は無い。
「そうなの、えへへ。
ありがと」
女性は少し照れた風。
俺に笑いかける。
「あたし、キャンディーよ。
そう呼んで」
「俺の助手だ。
スペース刑事見習いだな」
「分かりました。
スペース刑事キャンディーさんですね」
男は見習いと言っていたが、俺はその言葉を外して呼びかける。
だいたいの人間は実際より上のポジションで呼びかけられて、悪い気はしない物だ。
キャンディーと言う女性は機嫌良さそう。
うむ。
これで水着を着替える事は無かろう。
殺風景な冬の海辺。
やはり水着姿の女性は欲しいよな。
スペース刑事ゲンと名乗った男も一緒だ。
スペース刑事。
俺の感覚だとカッコ良くない響きなのだが。
俺もその手のセンスに自信が有る訳じゃ無い。
今度、ウツに訊いてみよう。
「地下に向かって続いてるな」
男の言う通り、入口から通路は下へ向かっていく。
通路には蝋燭が飾られ、見えてはいるが奥の方までは見通せない。
水着を着た女性もおっかなびっくり覗き込んでいる。
そう言えばまだ、名前を知らないな。
「あの、俺は草薙真悟と言います。
高校三年生です」
「あっ、あのアタシ。
えーと、その…………」
女性はアタフタしてる。
慌てるさまも少し可愛い。
俺より年上だと思うが、少し抜けたお姉さんと言ったところか。
「何慌ててるんだ、オマエ」
「うるさいわね、現地人と接触するのに慣れて無いの。
それにこんな露出の多い格好だし」
「やっぱ、その服装変なんじゃないか。
この少年、お前の恰好気にしてるぞ」
「ええっ!
ちゃんと調べたのよ。
この辺に来る若い女性の服装。
画像で調べるとこんな服装が一番多かったの」
女性が自分の服装を見回す。
明るい色のビキニ。
ピンクの入った赤。
上からライトグレーのパーカーを羽織ってる。
なかなか似合う。
海辺にはピッタリだ。
季節が夏ならば。
現在は冬の海辺、風は冷たい。
哀しい事だが水着で出歩く女性はいないだろう。
「いいえ、お姉さんの服装は素敵です。
自分は素敵なスタイルだなと思って見惚れていただけです」
俺はテレもせず言う。
本当に思っていた事だ。
口に出すのに遠慮は無い。
「そうなの、えへへ。
ありがと」
女性は少し照れた風。
俺に笑いかける。
「あたし、キャンディーよ。
そう呼んで」
「俺の助手だ。
スペース刑事見習いだな」
「分かりました。
スペース刑事キャンディーさんですね」
男は見習いと言っていたが、俺はその言葉を外して呼びかける。
だいたいの人間は実際より上のポジションで呼びかけられて、悪い気はしない物だ。
キャンディーと言う女性は機嫌良さそう。
うむ。
これで水着を着替える事は無かろう。
殺風景な冬の海辺。
やはり水着姿の女性は欲しいよな。
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