ゾンビと魔法少女と外宇宙邪神と変身ヒーローと弩級ハッカー、あと俺。

くろねこ教授

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Scene14 シアカテルと俺の助手席

第79話

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横須賀駅が見える位置で車を止める。
通り沿いに大きい公園。
円花によると夏は薔薇が咲いて美しいらしいが、今は冬。
海沿いの公園は閑散として人影も無い。

ところどころに赤黒い液体が散らばってるのが彩りとも言える。
人間の血だろうな。
肉片や人体の欠片は見当たらない。
犬でも食べたのだろうか。

そう言えば犬はゾンビ化しないのか。
ゾンビ犬にゾンビ猫。
映画ではゾンビドッグも出て来た気がするな。
しかしそう考えると何だってそうだ。
ゾンビ鴉にゾンビ鼠。
さらにはゾンビ蠅、ゾンビ蚊、ゾンビゴキブリ。
ゾンビゴキブリは恐ろしく始末に負えなさそうだな。

原因がウイルスでなく邪神による物だった事だし、人間以外被害は無いという事でいいだろう。
多分。


「じゃあ、行ってくるぜ」

逆が車を降りる。
ここから海を見て左に行けば自衛隊、右に行けば米軍基地。

逆は手ぶら。
トレーニングウェアを着て、何の荷物も持たない。
しかし事が起きれば、凶器を何処かから取り出す女。
変った特技だ。

「逆、気を付けてくださいね。
 15時に又会いましょう」

「ああ、円花も気を付けろ。
 草薙の、時間が無いんだからな、
 二人きりだからって、
 円花とイチャつこうなんて考えるんじゃないぞ」

逆は軽やかに走り去っていった。
何故、俺の考えてる事が分かるんだ。


俺の向かう海岸は逆方向。
俺は公園に乗り入れ、車の進行方向を変える。

時間は予想より30分近く早い。
邪魔する車両が居なかったので早めに着いたのだ。
何処かで軽く運転休憩もしたいし、昼飯も食べたい

「ステーキハウスが有るな。
 ゾンビを追い出せば、上等なステーキ肉食べ放題になるんじゃないか」
「ゾンビがうろついた後のキッチンに置いてあった生肉ですか?
 わたしは遠慮したいですわ」

贅沢なお嬢様だ。

仕方ない。
俺は運転しながらカロリーバーを齧る。
紙パックのコーヒーで胃の中に放り込む。

「その辺の大型デパートを散策してみるか。
 上の方の階なら無事な場所もありそうだ」

生き残りの人間も居そうだな。
普通の人間達とのバトルロワイアルが勃発しそうな嫌な予感もするが。

「時間の有る時にしましょう。
 今は約束の時間までに人探しをしないと」
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