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Scene08 高天原宇宙と俺のベッドルーム

第49話

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「わたし、上の保健室で寝ようかしら」

円花が言う。

地下施設にはベッドルームは一つ。
サイズはキングサイズを越える。
全員で寝れない事も無い。
七鮎川円花、五古河逆、高天原宇宙、俺。

しかしウツは言う。

「他の人と一緒に寝るのは僕には無理だね。僕はこっちのソファーで良いよ。
 円花ちゃん達、ベッドを好きに使って」

そう言われた円花はベッドルームで寝る気にならなかったらしい。

「高天原さんのベッドでしょう。
 貴方が使って下さい。
 わたしは結構です」

挙句、上の保健室で寝ると言う。

「危険だぞ」

保健室の窓は防犯ガラス。
だが、現在は壊されてる。
侵入するため逆が壊したのだ。

「あの程度の穴、塞いでおけばいい。
 ゾンビが入れるサイズじゃない。
 七鮎川のが行くなら、仕方ない。
 オレも保健室で寝よう」

逆も行くつもりの様だ。
保健室のベッドは四つ。
一つにはネコ耳メイドだったモノが置かれてる。

「わたし今日はネコの隣で寝ます。
 彼女はわたしが六歳の頃から一緒に暮らしていたんです」

あいつ何歳だったんだ。
そこまで年上だと思ってなかったのだが。

「ネコが高校生になったばかりの時からウチに来てくれました」

って事は九年程年上か。
程よく熟れた身体だった。
勿体無い。


円花と逆が保健室へ上がっていく。
残されたのは俺とウツ。

「俺もシャワーを浴びて来る」
「待って、真悟くん」

ウツは俺に身をよせる。

「安心するなぁ、真悟くんの匂い。僕少しばかり匂いフェチの気が有るんだよね。
 くんくん、くぅーん、なんちゃってね」

俺の革ジャンに頭を突っ込み匂いを嗅ぐ真似をしていた彼女。
そのまま、犬マネの様に鳴いてペロリと舌を出す。
あざとい。
さては昼間発散した俺があまりその気になってない事がバレてる。

「ギャラリーフェイクってマンガ有るじゃない?真悟くんに読ませたっけ、まだかだったかい。今度読ませなきゃイケナイね。あれにジャン・ポール・香本って香水の調香師が出て来るんだ。それがヒロイン、サラちゃんの全身の香りを嗅ぐシーンが有ってね。興奮したなぁ。
 うん?!なんだか匂いがするよ。女性の匂い。それも昨夜じゃない、もっと近い時間今日の昼から夕方にかけて。
 この香水の香りはもしかしてあのネコ耳メイドじゃないの」
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