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Scene.EX01 華沢香奈と俺のいない夜の屋上
第35話
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EX EPISODE 06
僕らは寝る事にした。
夜、救助が来る可能性は低そう。
明日に備えて眠っておいた方がいい。
僕は制服のズボンを香奈さんに貸す。
やっぱり足を出してるのは寒いだろう。
替わりに僕が生足になるけど、僕のコートは大きい。
なんとかコートで我慢しよう。
だけど。
多分香奈さんは嘘をついてた。
大人しそうな女子は噛まれてたんだと思う。
香奈さんはそれを言えなかった。
言ったら彼女を屋上から突き落とす事になる。
僕に近付いたのはそれを相談する為だったかもしれない。
けど僕は気づけなかった。
明け方僕が目を覚ますともう…
大人しそうな女子はゾンビになってた。
部長の肌も蒼黒い。
ミリオタまで蒼黒くて目が赤い。
チキショウ。
なんでこんな。
香奈さんが僕に縋り付く。
僕は寝ぼけてたけど、体を無理やり動かして逃げる。
屋上の逆側。
戦ってるのは柔道男。
男は金網の扉が開いてる場所に近付く。
ゾンビを誘い込んで突き落とす作戦か。
僕も加勢するべきだ。
だけど。
柔道男が戦ってるのは。
部長、ミリオタ。
どちらも僕の親しい人。
その二人を屋上から突き落とす?
僕は足が動かない。
柔道男の戦いを見守る。
彼は本当に強い。
柔道で全国大会まで行ってるのはハンパじゃない。
ミリオタの足を払う。
足元を蹴られ、バランスを崩したミリオタを金網の外へ放り投げる。
ミリオタ!
姿が見えなくなる。
屋上から迷彩帽を被った男が落ちて行く。
部長は横幅がデカイ。
柔道男でも簡単には投げられない。
男は張り手の様に部長を叩いて金網の開いてる場所へ押し出す。
その間に女子ゾンビが柔道男に近付く。
部長ゾンビと女子ゾンビに囲まれる柔道男。
ピンチだ。
女子ゾンビが柔道男の背中に飛び掛かる。
だが、柔道男はその女子ゾンビを捕まえて投げる。
部長に向かって。
部長にぶつかり、金網から落ちそうになる女子ゾンビ。
柔道男が後ろから思いっきり蹴る。
二体のゾンビは屋上から落ちて行った。
「ハッハッ、ハッ」
柔道男は荒い息。
僕らの方を睨む。
「ゴメン、助けられなかった」
僕は謝る。
助けようと思った。
思ったけど足が動かなかった。
カッコ悪い言い訳だ。
とにかく頭を下げる。
「へへへ、ハハハハハ。
やられたぜ」
柔道男が笑う。
どうしたの?
「噛まれちまった、ヤツらによ」
柔道男の後ろの首筋に歯の跡。
さっき女子ゾンビが背中に飛び掛かった時か。
僕らは寝る事にした。
夜、救助が来る可能性は低そう。
明日に備えて眠っておいた方がいい。
僕は制服のズボンを香奈さんに貸す。
やっぱり足を出してるのは寒いだろう。
替わりに僕が生足になるけど、僕のコートは大きい。
なんとかコートで我慢しよう。
だけど。
多分香奈さんは嘘をついてた。
大人しそうな女子は噛まれてたんだと思う。
香奈さんはそれを言えなかった。
言ったら彼女を屋上から突き落とす事になる。
僕に近付いたのはそれを相談する為だったかもしれない。
けど僕は気づけなかった。
明け方僕が目を覚ますともう…
大人しそうな女子はゾンビになってた。
部長の肌も蒼黒い。
ミリオタまで蒼黒くて目が赤い。
チキショウ。
なんでこんな。
香奈さんが僕に縋り付く。
僕は寝ぼけてたけど、体を無理やり動かして逃げる。
屋上の逆側。
戦ってるのは柔道男。
男は金網の扉が開いてる場所に近付く。
ゾンビを誘い込んで突き落とす作戦か。
僕も加勢するべきだ。
だけど。
柔道男が戦ってるのは。
部長、ミリオタ。
どちらも僕の親しい人。
その二人を屋上から突き落とす?
僕は足が動かない。
柔道男の戦いを見守る。
彼は本当に強い。
柔道で全国大会まで行ってるのはハンパじゃない。
ミリオタの足を払う。
足元を蹴られ、バランスを崩したミリオタを金網の外へ放り投げる。
ミリオタ!
姿が見えなくなる。
屋上から迷彩帽を被った男が落ちて行く。
部長は横幅がデカイ。
柔道男でも簡単には投げられない。
男は張り手の様に部長を叩いて金網の開いてる場所へ押し出す。
その間に女子ゾンビが柔道男に近付く。
部長ゾンビと女子ゾンビに囲まれる柔道男。
ピンチだ。
女子ゾンビが柔道男の背中に飛び掛かる。
だが、柔道男はその女子ゾンビを捕まえて投げる。
部長に向かって。
部長にぶつかり、金網から落ちそうになる女子ゾンビ。
柔道男が後ろから思いっきり蹴る。
二体のゾンビは屋上から落ちて行った。
「ハッハッ、ハッ」
柔道男は荒い息。
僕らの方を睨む。
「ゴメン、助けられなかった」
僕は謝る。
助けようと思った。
思ったけど足が動かなかった。
カッコ悪い言い訳だ。
とにかく頭を下げる。
「へへへ、ハハハハハ。
やられたぜ」
柔道男が笑う。
どうしたの?
「噛まれちまった、ヤツらによ」
柔道男の後ろの首筋に歯の跡。
さっき女子ゾンビが背中に飛び掛かった時か。
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