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Scene02 七鮎川円花と俺の部屋

第11話

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バタン!

部屋の扉を内に開く。
二階の通路は狭く、階段はすぐそこ。
ゾンビ、配達員の服装の男が階段の下に落ちていた。
円花のウォーターエクスプロージョンが効いたのか。
体が濡れ半分以上崩れている。
さらに配達員の下にもう一人。
女性。
オバサンらしき遺体が転がっている。
しかし先ほど一階に来た時、家政婦の死体は台所近くだった。
階段の下ではない。
配達員ゾンビが動かした?
いや、これはもしかして。
体の崩れた配達員ゾンビが跳ね飛ばされる。
下にいた家政婦の死体が押しのけたのだ。
そこに居たのはウチの家政婦のオバサン。
首の骨が折れ、頭が横を向いている。
首から肩にかけ食いちぎられたような跡が有り血まみれだ。

家政婦のオバサンがゾンビとなって立っていた。

ああ、やっぱりそうだった。
二階でドスンドスンと扉にぶつかる音。
あれは配達員ゾンビだけじゃなかったのだ。
家政婦もゾンビと化していたのだ。
二体のゾンビが扉を開けようとしていた
だから音が大きくなっていたのだ。

家政婦とは親しい間ではなかった。
俺も彼女も軽く頭を下げるくらいの挨拶で世間話すらまともにしていない。
しかしほぼ毎日俺の夕食を作ってくれた人なのだ。
挨拶程度とはいえ毎日顔を合わせている。
そんな人が死体となった。
しかも動く死体、ゾンビとなって目の前に立っている。

さすがに俺は少し動揺した。

「草薙先輩、大丈夫ですの」

円花が訊いてくる。
俺の顔に動揺が表れていたのか。

俺はバットを家政婦に叩きつけた。

「ええええー!」

円花が奇声を上げる。

「どうした、円花」
「どうしたって、先輩ー」

「下働きの方がゾンビ化してショックを受けたんじゃなかったのですか」

ガンッ。
俺はさらに家政婦を殴りつける。
いや、家政婦と呼ぶと女性を殴ってるようで嫌だな。
ゾンビを殴りつける。
胸の骨が折れて上半身がグチャグチャになってるがまだゾンビは動く。

「うん、ショックだ。
 名前も知らないけど、毎日会っていた女性だからな。
 目の前で死なれてゾンビになってしまうなんて」

そのまま俺はゾンビの足をバットで打つ。
グギッと音がして足の骨が折れる。
そのままバンバンとバットで打ち付ける。
左足の腿が脛が、右足の付け根が膝が折れてメチャクチャな方を向く。
ゾンビは抵抗していたが、すでにまともに立ち上がれない。
足の骨がグチャグチャなのだ。
どうやっても立てない。
手で動こうと腕を上げたりするので、さらに左腕右腕もボコボコに叩きまくる。
ゾンビはまともに動けなくなった。
口だけパクパクしてるが四肢の骨がバラバラなのだ。
身動き取れるハズがない。

「不憫だからな、速やかに楽にしてあげたい」
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