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Scene01 七鮎川円花と俺の教室

第3話

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「何だ、キミたちは!
 一体何をしているんだ?」

ハッと驚き俺を見つめる少女。
魔犬どもも俺の方を向く。

「何ダト、ココニ入ッテクルトハ。
 結界ヲ張ッテイタハズナノニ」

そうだったのか。
しまった。
気付かなかった。
そういえば何か弱い力の抵抗を感じた気もする。
しかしカバンを取りに行かなきゃいけない。
俺は気にもせず通り過ぎたのだ。

グルグルルルゥー、グルル。
犬どもが喉の奥で唸り声を上げる。
危険な雰囲気。

「逃げて、逃げてください。
 わたしが食い止めますわ。
 貴方は逃げて」

少女が俺と魔犬の間に割り込む。
ああー、いい娘やのう。
俺は偶然の振りをして少女の肩に手を置く。

「ええっ、なんですのこれは。
 力が溢れてきますわ」

少女は自分の手を見つめる。
溢れてくる魔力。
これならば。

「クククク、大シタ供物ニハナラナソウダガ。
 供物ハ多イホドイイ。
 オマエタチ一緒ニヤッテシマエ」

三本角の言葉で魔犬は一斉に飛び掛かってくる。
凶悪な角を振りかざし。
牙を剥きだし。
唸りながら。
襲ってくる魔犬たち。

しかし。
少女は剣を正面に構え叫ぶ。

ウォーターエクスプロージョン!
聖なる水の流れよ、目の前の悪しき物を破壊せよ!

青い光が少女から放たれる。

光に触れた魔犬たちは叫びもあげず消えていく。
後に残ったのは三本角魔狼。
体中ボロボロ、ただの死骸になる寸前。

「馬鹿ナ、結果内ダ。
 ソンナ魔力ガ使エル筈ガ……」

呟きを発して魔狼は消えて行った。

少女の様子もおかしい。
フラフラッとしている。
俺は少女の腰に手を回して支える。

「大丈夫か?」

少女は幾つもケガをして血を流しているのだ。

「わたしは大丈夫ですわ。
 力を一気に放出したものですから……
 心配しないでください」

少女は俺の手を離れようとする。
男に抱かれるのがまだ恥ずかしい年齢か。
顔が赤らんでいる。

スッ。
そんな感じで少女の衣装が替わる。
破れていた衣装と金属のアーマー。
それが消え学校の制服になっている。
どうせなら目の前でゆっくり着替えて欲しかったのだが。

だけど少女はまだ顔色が悪い。

「駄目だ。
 怪我してるじゃないか。
 俺の家は近い。
 治療するから寄っていけ」

「あの貴方は……先輩ですわよね。
 あたしは七鮎川円花、2年です」
 
「草薙真悟、3年だ」

俺は魔法少女を家に連れ込んだ。
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