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3話
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俺は朝を迎える。
随分と、気持ちが良い。
これが、セックスの夜明けか。
ベットには、フレアも気持ちよさそうに寝ている。
ちなみに全裸である。
昨日は、着衣セックスだったので、全裸にした覚えはない。
寝相でも悪いのだろうか?
そんなことを考える。
いや、今はどうでもいいだろう。
この寝顔を堪能する方が先だ。
悪魔だが、何の穢れもない・・・。
そうでもないか、昨日、俺が穢したか。
でも、綺麗な寝顔である。
「可愛いやつだな」
俺はほっぺをつっつく。
柔らかく、男の肌とは違うものを感じる。
「んん・・・」
このまま、襲ってしまおうか。
そんな気分に駆られる。
けれど、眠ったまま襲うのは何だか卑怯な気がするのでやめる。
「おい、朝だぞ、起きろよ」
「もう少し、お母さん」
「こいつ、いつもお母さんに起こしてもらってるな。
残念だが、今日は俺が起こすぞ」
俺は揺さぶる。
「朝だぞ、そのまま起きないと、まんこにちんこツッコむぞ。
いいのか、気持ちいい目覚めになるぞ・・・。
それはそれで、ありだな」
俺は自分に都合のいい解釈をし、彼女に馬乗りになる。
「はわぁ!」
フレアは目を覚ます。
「おはよう、フレア」
「シロウ様、おはようございます・・・じゃなくて、降りてください!」
「昨日、セックスをしちまって、俺は感動した。
それはまさしく、俺は肉の味を覚えたハイエナだぜ?
目の前に肉があって我慢しろって方が酷だろ」
「シロウ様、怖いです!」
フレアが泣き出しそうだったので、俺は仕方なくフレアから降りた。
「おはよう、フレア」
「毎回、こんな起こされ方をされるのであれば、身が持ちそうにありません」
フレアは遠い目をする。
「なんだよ、一緒にした仲じゃないか」
「そうですけど、節度ってものがあるじゃないですか」
「節度・・・?難しい話は俺には分からない」
「私にも我慢の限界があるんです!」
「分かった、分かった、もう襲わない」
俺は彼女をなだめる。
まぁ、気が変わるかもしれないが。
山の天気とちんこの気持ちは良く変わると言うしな。
仕方ない。
「それでいいんです」
フレアは納得してくれたようだ。
「とりあえず、服を着たらどうだ?」
「あぁ、恥ずかしい」
フレアは顔を真っ赤にして、急いで着替える。
といっても、あのサキュバス衣装だが。
「肌面積がほとんど下着と変わらないのに、恥ずかしいんだ」
「気持ちの問題です。女性器をさらけ出して歩くのと、多少は隠してるのでは意味が違うでしょう?」
「それもそうか」
俺は納得した。
「分かっていただいて、なによりです」
フレアは得意げだった。
「それでだ、これからどうするんだ?」
俺は尋ねる。
「どうするとは?」
フレアは疑問を浮かべた顔をする。
「いや、家にずっと泊まり続けるのか。
それとも、何処か別の場所に泊まるのか」
「それには心配及びません」
「それはどうして?」
「ボクはサキュバスの森に帰るんですから」
フレアは胸を張っていた。
「なんでまた」
「サキュバスは性行為を終えたら森に帰還するんですよ」
「ほぉ、それはいつ頃?」
「ですから、性行為を終えたら・・・」
フレアは自分で言って、その矛盾に気づいたようだ。
「俺が寝てる間とかに帰れば良かったのに」
「あれぇ、可笑しいなぁ」
「誰か迎えがくるとか?」
「いえ、その、少しづつ透明になっていって、消える手筈なんですが・・・」
フレアはそう言うが、彼女の身体は透明にはなってなかった。
「何処も透けてないぞ」
俺はスカートをめくる。
「パンツは透明にはなりませんから!」
フレアは口で抗議する。
「なんだ残念」
俺はパッと離れる。
「でも、なんでぇ?」
フレアは疑問に満ちた表情だった。
「魔方陣の上じゃないからとか?」
俺は軽い気持ちで言った。
「きっと、そうです!」
けれど、フレアはマジでそう思ったらしくダッシュで行く。
俺も魔方陣部屋へと向かっていった。
「どうだ?」
紙の上にエッチな格好のサキュバスが居る。
うーん、これはこれでエッチだな。
と、凄くどうでもいいことを考えていた。
「全然、消えないです。
どうして、帰れないの?」
フレアは涙目になってる。
「落ち着けって、何か原因があるはずだろ。
ゆっくり、考えるんだ。
別に今すぐ帰らなければならない事情が
あるわけでもないんだろ?」
「それは、そうかもしれませんが。
けれど、帰りが遅いとお母さんが心配します」
その言葉に、俺は少し引っ掛かる。
「お父さんは?」
「分かりません」
「分からないのか」
これは、少し失礼なことを聞いたか?
「サキュバスという種族の所為です」
「どういうことだ?」
「ボクたち、サキュバス一族は女性しか生まれないのです」
「それは夢があるな」
「とんでもない、それはつまり、子孫を繫栄できないのですから」
「アメーバとか無性生殖って方法もあるけど」
「ボクたちはアメーバではありませんので、子孫を繁栄するには男性が必要なのです」
「・・・」
それもそうか。
アメーバは無性生殖で繁殖が可能らしい。
それはアメーバが出来るだけであって、他の生物に当てはまるわけじゃない。
つい、出来るのではないかと思った俺は馬鹿だった。
人間が、明日から男子が消えたとする。
だからといって、急に女子が男性の精液を無しで子孫繁栄できるかと言われれば無理だろうと思う。
身体の構造は急には変わらない。
「でも、森の民たちは呪われてるのか男性が生まれません。
女性だけの民族なのです」
「それだったら子孫は生まれないんじゃ」
「だからこそ、こうして呼び出されることに意味があるのです」
「不特定多数の人間の男性と性行為をすることで子孫を?」
「その通りです」
「なるほどね」
それで俺とも性行為をしてくれたわけか。
愛があってするわけじゃないよな。
「こうするしか、子孫を繁栄できないのです」
「それは少し悲しいな」
「どうしてですか?」
「頼んだ俺が言うのも変だけど、それは恋によってセックスをするのではない。
ただ、森の民の秩序を保つためにセックスをするのだから。
そこには恋の楽しさが無い」
「そうかもしれません、けれど、ボク以外の方もそうですから。
ボクが嫌だからといって、ルールを変えるわけにはいきません。
他の方が飲み込んだ不満をボクだけが解消するのはズルい・・・でしょう?」
その言葉に、彼女の優しさを感じた。
そして、サキュバスの歴史を垣間見た気がした。
それは少し寂しい話だと思った。
「フレアが帰れるように、力になるよ」
彼女がちゃんと無事に帰れるように、送り届けてあげたいと思った。
それが勝手に呼び出した側の責任だろうから。
「本当ですか?」
「あぁ、もちろんだ」
「ありがとうございます、シロウ様」
フレアは笑みを俺に見せてくれた。
とても眩しかった。
「といっても、特にアイディアがあるわけでもないんだよな」
「さっそく躓きましたね」
フレアは苦笑する。
「そうだ、いいこと思いついた」
「なんでしょうか?」
「俺だけじゃ無理なら、人の手を借りるのが一番だ。
よし、さっそくだが、出かけよう」
「今からですか?」
「思いついたなら、すぐに行動に移した方がいい。
じゃないと、忘れちゃいそうだからな」
「ふふ、そうですか」
フレアは微笑んだ。
俺はさっそく、教会へと足を運ぶ。
「おーい、誰か居るか?」
「なんだか寒気がします」
フレアは胸の前で手を組んで、寒そうにする。
「どうした、寒いのか?」
「体温的な話では無く、空気がどうにも苦手です」
「そりゃまた何で?」
「やっぱり、悪魔ですから教会とは馴染めないのかと思ってしまいます」
「あぁ・・・」
連れて来たのは不味かっただろうか。
今更ながらに思う。
けれど、よく俺の相談にのってくれる人物がここに居ることが多いのだからしょうがない。
「ううぅ、何だか浄化されそうです」
「悪いが、少し我慢してくれ」
「分かりました」
フレアは項垂れる。
「遠路はるばる、ようこそ、親愛なる友よ」
俺よりも巨躯なる男がずいと、立ちふさがる。
「来たぜ、ジン」
「この場では、その名で呼ぶなと・・・今日は珍しいな。
変わった来訪者が居る」
ジンはフレアの方を見る。
「あ、あの、どうも初めまして神父様、フレアと申します」
彼女はぺこりと挨拶する。
「悪魔か」
ジンはすぐに彼女の正体に気づく。
「神父様、分かるんですか?」
「雰囲気が人のものと違う」
ジンは答える。
「すぐに悪魔みたいな存在を信じるんだな、ジン」
「神を信仰してるのだ、超常現象をすんなりと受け入れる心はあるさ」
「言われてみればそうだな」
俺はジンの言うことに納得する。
「それにしても憑かれたのか、親愛なる友よ」
ジンは俺の方を見る。
「そうじゃねぇって、俺がフレアを呼び出したんだ。
彼女は悪い人間・・・悪魔か?まぁ、ともかく悪いやつじゃない」
悪魔なのに悪くないとは矛盾してるようにも思える。
が、実際、そんなに悪人だとは思えなかったから、素直に思ったことを言う。
「性行為をしたがっていたが、まさか悪魔を呼び出してするとはな。
変わった親愛なる友だ」
「そうかな」
俺は首をかしげる。
「ふむ」
ジンは、フレアの方をじぃっと眺める。
「な、なんでしょう神父様」
フレアは怖がっていた。
「悪魔が親愛なる共に悪さをしてるようなら、払ってやろうかと思ったが・・・。
邪悪さは無いな、無害そうだ」
「ほっ」
フレアは安心した顔をする。
「ジン、払ってやるって具体的に何をするんだ?」
「決まってるだろう、人間に危害を加える獣は猟師の手によって殺される。
それと同じまでよ」
「あははは・・・」
フレアは恐怖で顔が引きつっていた。
「冗談・・・だよな?」
俺は真面目な顔で聞く。
「冗談だ」
すると、顔を緩めて、ジンはふっと笑って見せた。
「良かった」
フレアはホッとする。
「それで山崎、何の用でここに?」
ジンが尋ねる。
「フレアが家に帰れなくて困ってるんだ、ジンなら何か知ってるんじゃないかと思ってな」
「悪魔が帰れない?」
「あの、神父様、本当なんです。サキュバスの森に帰れるはずだったんですが・・・。
今はその、人間の世界に留まったままと言いますか」
「ふむ」
ジンは考え込む仕草をとる。
「何か分かるか、ジン」
「悪魔は何かしら人間と契約を果たすことで人間の世界にやってくる。
その契約を果たせば、定時になったら帰る社会人のように家に帰るはずなんだがな」
「サキュバスの契約って言えば・・・セックス?」
俺はその結論に行きつく。
「あの・・・でも・・・その契約は果たされました・・・」
フレアはかぁっと顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「最後までしたのか?」
ジンは冷静に言い放つ。
「最後までって、まぁ、その、挿入まで?」
俺も初体験のことを赤裸々に喋ってて少し恥ずかしい思いになる。
けれど、ジンは真面目に解決しようと話を聞いてくれるので、俺は我慢しながら昨日の出来事を会話に引き出す。
「コンドームは?」
ジンが聞いてくる。
「え、そうだな、まぁ、子供が出来たら学生なのに不味いかなって気がするし。
一応、したけど・・・それが?」
「それが原因じゃないのか?」
ジンは結論を出す。
「そんなまさか、コンドームのあるなしで、家に帰れるか帰れないのか決まるのか?
なんだか、馬鹿馬鹿しいっていうか、なぁ、フレア?」
俺は馬鹿らしいと思った、けれど、フレアはそうじゃないみたいだ。
「ありえる話かもしれません、だって、こちらに来るのは子供を作るためですから。
それが阻害されたとなれば、契約不履行として、帰れない理由になってるのかも」
フレアは真面目に考えていた。
「じゃ、なんだ、中出しすればフレアは帰れるのか?」
「自分はそう考えてる、親愛なる友よ」
ジンは言い放つ。
「答えは出ました。
シロウ様、中出しをしてください、今すぐに!」
フレアがサキュバスらしく、エッチに襲ってくる。
「そうと分かれば、いくぜ!」
俺はさっそく、戦闘態勢に入る。
女の子に襲われれば、数秒で勃起が出来るのは俺の得意技だ。
ベンチで始めようかと思ったが、ジンに止められる。
「悪いがここは教会だ、そういうのはラブホテルで行ってくれ」
俺とフレアはジンに掴まれて、宙ぶらりんになる。
中々の力持ちである。
「ありがとうな、ジン、お陰で答えが、見つかったぜ」
「答えが見つかったのならば良かった、迷える子羊を導くのが神父としての役目だろうからな」
ジンは俺たちのことを地面におろした。
そして、微笑む。
「ありがとうございます、神父様、最初は怖い人かと思いましたが・・・。
とても優しい人で良かった」
「それなら良かった、悪魔の少女よ」
「はい、神父様」
フレアは笑った。
俺たちは、教会を後にした。
そして、住宅街を歩く。
「さて、これから中出しをするわけだが」
「どんと来てください、いつでも待ってます」
フレアは、ウェルカムといった感じだった。
「まぁ、待て、せっかく人間界に来たんだから、もう少しゆっくりしていけよ。
別にいますぐ帰らなければならないってほど緊急でもないんだろ?」
「まぁ、それはそうですが」
「なら、決まりだな」
「それでは何をしましょう?」
フレアは尋ねてくる。
「そうだな、デートをしよう」
「デートですか?」
「短い間だが、少しでも俺のことを好きになってくれた方がセックスも楽しいだろ?」
「そうですね、嫌悪感の強い人とするというのは中々の苦行ですから」
「そこでだ、デートをして楽しいって思えるところがあればセックスしてても楽しくいられると思ってな」
「なるほど、理解しました」
フレアは頷く。
「そこで、ちょーっと寄るところがあるんだ」
「何処でしょうか」
「フウカの家だ」
「フウカ様?」
フレアは当たり前だが、はてなマークが頭に出ていた。
顔も声も知らないのだから当然だろう。
「俺の幼馴染だ」
こいつのことをあいつに紹介したら、どんな顔をするだろうか。
俺はウキウキで、フウカの家へと向かった。
見た目は普通の一軒家にたどり着く。
何の変わり映えもない本当に何処にでもありそうな感じだ。
チャイムを鳴らす。
「出ないな」
「留守なのではないでしょうか」
「いや、電気メーターは動いてる、居留守だな」
「シロウ様、何だか怖いです」
「おい、フウカ、居るのは分かってるんだぞ、出てこい!」
「シロウ様、やめてください、反社っぽいですよ!」
「だぁ~、うるさい、バカザキ!」
フウカがバンと玄関から飛び出る。
上下ジャージ、でこ出し、眼鏡。
THE・ラフという格好だった。
「ほら、やっぱり居た」
俺は人が居て安堵する。
「休みの日まで、バカザキと一緒に居たくないの。
それに勉強に集中したいし・・・それで何の用事なの?」
「フウカを驚かせようと思って」
「へぇ、何かプレゼントでも持ってきたの?」
「まぁ、そんなところだな」
「高級車でも持ってくるんなら驚いてあげるわ」
「そんなものじゃなくても十分、驚くと思うぜ?」
俺は後ろに隠れてる、フレアを差し出す。
「どうも初めてまして、フウカ様。
僕の名前はフレアと言います」
「・・・」
フウカは無言になる。
「なんだ、驚くと思ったのに」
フウカはそのまま後ろに卒倒した。
「あぁ、大丈夫ですかフウカ様!」
フレアは彼女を介抱しに行く。
「なんだ、フウカは気絶しただけか」
俺はサプライズが上手く行って内心、とても喜んだ。
「はっ、夢か・・・」
フウカの部屋で彼女は夢だと分かり、安堵していた。
「夢なわけあるか、ボケ」
俺はフウカに悪態をつく。
「ちょっと、私の部屋に勝手に入らないでよ」
フウカはベットの中で、俺に向かって悪態をつく。
「ごめんなさい、フウカ様、止めたんですが、聞かなくて」
フレアは謝る。
「それで、このコスプレ悪魔は誰なの?」
フウカが聞いてくる。
「俺のセフレ」
俺はさも当然とばかりに言う。
「そう、セフレ・・・はい?」
フウカは目をまん丸にして、驚いていた。
「セックスしたいって普段から言ってただろ」
俺は言う。
「それは、そうだけど、でも、そんな、まさか。
バカザキがあり得ない」
フウカはあわてふためいていた。
「それが事実なんだな、何か親から送られてきた荷物にさ?」
俺は説明を始める。
「はぁ」
フウカは話半分で聞いていた。
「何か悪魔の召喚方法みたいなの書かれてた本があって、その通り実行したわけさ。
セックスしたいってお願い事を叶えてもらえるかなぁって」
「そんな、叶うわけないでしょ、馬鹿なの?」
「ところがどっこい、結果がここにある」
俺はフレアを指さす。
「どうも・・・」
フレアは照れくさそうに笑う。
「ありえない、コスプレ悪魔って言われた方が納得できるわ。
いや、それも信じがたいけど・・・。確かにアニメとか漫画の影響で悪魔の存在は知れ渡ってると思う。
でも、実際に召喚できるかどうかは意味が違うでしょう?」
「実際に証拠がここにあるんだから、それが事実だろ」
「信じられないわ」
「よーし、それならフウカに魔法を見せてやろう」
「そんなの出来るの、バカザキ」
「フレア、見せてやれ」
「え、でも」
フレアは戸惑っていた。
「あのだな、こうしてだな・・・」
俺はフレアに耳打ちする。
「でも、それじゃフウカ様が」
「いいから、いいから」
「不穏なことが聞こえて来たんだけど、バカザキ」
「大丈夫だって、痛くはしないから」
「変な事したら、殴り飛ばすわよ」
「平気だって、心配性だからな、フウカは」
「バカザキの所為でしょうが」
フウカはイラついていた。
「さて、準備は整った。フレア、見せてやれ」
「魔法なんて存在しないでしょうけど、何を見せてくれるのかしら?」
フウカは仁王立ちして、ドンと構えていた。
「ごめんなさい、フウカ様・・・えーい」
フレアの手がぱぁっと光り輝く。
そして、光が次第に収束していく。
「魔法って光るだけ?それだったら手に小さいライトを隠し持てば私でもできるわ。
とんだ凡庸(ぼんよう)マジシャンね、練習してから、またおいで」
フウカは鼻で笑う。
「・・・」
俺は無言でフウカを睨みつける。
「そんな目をしたって無駄よ、失敗したのはそっちなんだからさ。
あははははは・・・・・ん?」
フウカは高笑いをしていたが、何か違和感を覚えたようだ。
「来たか」
俺はにやりと笑う。
「何だか・・・急に・・・トイレが・・・」
フウカは部屋を飛び出していった。
「効いたようだな」
俺は勝利を確信し、内心、ほくそ笑んでいた。
「ふぅ・・・」
フウカが10分くらいして帰還してきた。
「遅かったな」
俺はフウカをニヤニヤ見つめる。
「その顔やめて、ムカつく」
「それでぇ、魔法はあっただろう?」
俺はニヤニヤ顔を止めなかった。
「くっ・・・そうね、あった、あったわ、まさか、急に尿意が襲ってくるとは」
フウカは項垂れる。
悔しそうである、俺はその顔が可愛く見えた。
「フレアの魔法は下半身にのみ効果を発揮する」
俺は説明する。
「悪魔の魔法にしては地味ね」
フウカは一蹴する。
「がーん」
フレアは落ち込む。
「だが、威力は本物だ、それを体験して身に染みたろ、フウカ」
「そうね、地味だけど威力はあった。
とても驚かされたわ、フレアさんに」
「ごめんなさい、フウカ様、断りにくくて」
「いいのよ、大体、バカザキが変な命令をするからだし」
「フウカ様、許してくださいますか?」
「えぇ、いいわよ」
「ありがとうございます」
フレアはぺこりとお辞儀する。
「礼儀正しい子ね、フレアさんは」
「俺のセフレだからな」
俺は自信満々に言う。
「その言い方、なんとかならないの?
そんなウソをつかれて変な悪評が立っても嫌でしょう?」
「あの、その恥ずかしい話ですが、嘘ではなくてですね、フウカ様」
「マジ?」
フウカは目を真ん丸にする。
「おおマジよ、セックス・・・しちゃいました」
俺は鼻を指でこすって照れくさそうに笑って見せる。
「こんなかわいい子がどうして・・・いいなさい、どんな弱点を握って脅してるのよ!」
フウカに首を掴まれる。
「苦しいぜ・・・フウカ」
「フウカ様ダメです、シロウ様をあんまり虐めないでください!」
「白状しろぉ!」
「うげぇ」
俺は意識が朦朧とし始める。
そして、パタンと倒れた。
「シロウ様ぁ!」
俺はフレアの胸で抱かれながらあの世へ行こうとする。
映画みたいに周りが暗くなってスポットライトが俺たちにのみ光る。
「いつのまに準備したのよ」
暗がりの中からフウカはツッコむ。
「あぁ、シロウ様しっかりして」
フレアは迫真の演技だった。
「子供の顔・・・2人は見たかったな」
俺はフレアの顔を見つめて、そのまま意識を無くす。
「シロウ様ぁ!」
フレアは涙を流していた。
「るるる~」
俺はエンディングのBGMを口笛を出して演出する。
「ねぇ、寸劇をいつまで続けるのよ」
フウカは呆れていた。
「もう終わりだから安心してくれ」
俺は目を覚まして、起き上がる。
「復活なされたようで安心です、シロウ様」
フレアは笑顔を向ける。
「仲いいのは分かったわ、それで、どうして家に来たのよ。
彼女が出来たのなら、勝手にデートでもしてくればいいじゃない。
私なんかに構ってるより、よっぽど楽しいんじゃない?」
「それなんだけどさぁ、フウカ」
俺は言い出しにくくて、もじもじする。
「あんたが、そうやってるのキモイんだけど。
言いたいことがあるなら早く言ってくれない?」
フウカが毒舌を使ってくる。
「服・・・貸してほしいんだよね」
「はぁ?」
フウカは驚いた顔をしていた。
「いや、ほら、やっぱり同じ女の子から教わった方がいいじゃん?」
俺は慌てて説明する。
「フレアさんと買い物でも、すればいいじゃない。
彼女の好みを聞くのが一番でしょう?」
「でもよ、フレアは悪魔じゃん?こっちの世界に疎いと思うんだよね。
何が可愛いとか、何がかっこいいとかよくわからないと思うんだ」
俺はそう話す。
「なるほどねぇ」
フウカは考え込む仕草をする。
「それにほら、格好があれだろ?」
俺はフレアを指さす。
「下着同然の肌面積だものね」
フウカは納得する。
「ごめんなさい、一応、言い訳をさせてもらえるなら、サキュバスの制服みたいなものでして。
ボクの一存で格好が決定したわけじゃないんです」
フレアは落ち込む。
「バカザキの趣味かと思ってた」
「俺の趣味じゃねぇって、でも、エッチだなぁとは思ったが」
「ありがとうございます」
サキュバスだからか、エッチと言われるのは誉め言葉らしい。
「事情は分かったわ、力になれそうね」
「本当か、さすがフウカだ、お礼にセックスしてあげよう」
「バカザキは本当に変わらないわね、彼女の居る前で堂々と浮気宣言しないで」
「3P、憧れてるんだ」
俺は目をキラキラさせる。
「うるさい、バカザキ」
フウカに罵倒された。
「じゃ、服を貸してくれるんだな」
「というより、あげてもいいわよ」
「そりゃ、ありがたい話だが、いいのかよ」
「サイズが・・・」
「え?」
「サイズが合わないのよ!」
フウカは訴える。
「お、おぉ?」
フウカの急な叫びに俺は戸惑う。
「どうしてかわいい服ってサイズが小さいのよぉ!」
フウカの悩みは俺には理解できそうになかった。
フウカの身長は男性の平均身長(171cm)を越えて175cm存在する。
だから、男子物の服を中心に履いたりすることが多いという背景があったりする。
「フウカ様、泣かないでください」
フレアはフウカを抱きしめて、頭を撫でる。
「フレアさんは優しいのね」
「いえ、大したことではありません」
フレアはフウカに向かって笑顔を向ける。
「百合展開?」
俺は1人だけ置いてかれたような気分だった。
「それじゃ、服持ってくるから。フレアさんもついて来て」
フウカは先ほどとは違い、きりっとする。
「はい、楽しみです」
フレアはフウカについて行く。
「どんな格好になって出てくるのだろうか」
俺は楽しみだった。
30分くらいだろうか、フウカの部屋の漫画本を読んだりして時間を潰して待っていた。
が、ようやく、その時が訪れたようだ。
「お待たせ、結構、可愛いわよ」
フウカが期待値を上げるようなことを言ってくる。
「そんなことを言って大丈夫なのかよ」
俺は扉の向こうから声を投げかける。
「大丈夫よ、私が言うんだから間違えないわ」
相当な自信を感じる。
俺はわくわくが抑えきれなかった。
「それじゃ、失礼しますね」
フレアの声が聞こえる。
そして、扉が開かれた。
そこに居たのは、とても愛らしい女の子だった。
さらさらのロングヘアー。
フリルのついたブラウス(上着)
胸にリボン。
サスペンダースカート。
ガーターベルト。
リボンのついたシューズ。
ロリータ系の格好と言えるだろう。
「可愛いじゃないか、俺のセフレに相応しいな」
「ありがとうございます、シロウ様」
フレアは照れくさそうに笑っていた。
「誉め言葉のチョイスは最悪だけど、可愛いってのは間違いなかったでしょ」
フウカも何故か自信満々である。
「あぁ、今すぐセックスしたいほどだ」
「そんな、フウカ様が居るのに」
「平気だって、愛は盲目って言うだろ、他なんて関係ないんだ」
「シロウ様・・・」
フレアは俺のことを見つめてくる。
これはキス待ちだろうか。
「フレア・・・」
俺は彼女のことを抱きしめようとする。
「ここ人の家なんですけどぉ!?」
フウカは俺とフレアの間に入り、仲を引き裂く。
「俺とフレアの仲を引き裂く、悪人め、成敗してくれよう」
俺はフウカに襲い掛かる。
「ラフプレーだっ!」
フウカは俺の顔目掛けて、膝蹴りをかましてくる。
俺は窓ガラスから飛び出し、2階から道路の方へ飛んでいく。
そして、車に轢かれてしまう。
「シロウ様!」
俺はそのまま亡き者になってしまった。
BADEND
随分と、気持ちが良い。
これが、セックスの夜明けか。
ベットには、フレアも気持ちよさそうに寝ている。
ちなみに全裸である。
昨日は、着衣セックスだったので、全裸にした覚えはない。
寝相でも悪いのだろうか?
そんなことを考える。
いや、今はどうでもいいだろう。
この寝顔を堪能する方が先だ。
悪魔だが、何の穢れもない・・・。
そうでもないか、昨日、俺が穢したか。
でも、綺麗な寝顔である。
「可愛いやつだな」
俺はほっぺをつっつく。
柔らかく、男の肌とは違うものを感じる。
「んん・・・」
このまま、襲ってしまおうか。
そんな気分に駆られる。
けれど、眠ったまま襲うのは何だか卑怯な気がするのでやめる。
「おい、朝だぞ、起きろよ」
「もう少し、お母さん」
「こいつ、いつもお母さんに起こしてもらってるな。
残念だが、今日は俺が起こすぞ」
俺は揺さぶる。
「朝だぞ、そのまま起きないと、まんこにちんこツッコむぞ。
いいのか、気持ちいい目覚めになるぞ・・・。
それはそれで、ありだな」
俺は自分に都合のいい解釈をし、彼女に馬乗りになる。
「はわぁ!」
フレアは目を覚ます。
「おはよう、フレア」
「シロウ様、おはようございます・・・じゃなくて、降りてください!」
「昨日、セックスをしちまって、俺は感動した。
それはまさしく、俺は肉の味を覚えたハイエナだぜ?
目の前に肉があって我慢しろって方が酷だろ」
「シロウ様、怖いです!」
フレアが泣き出しそうだったので、俺は仕方なくフレアから降りた。
「おはよう、フレア」
「毎回、こんな起こされ方をされるのであれば、身が持ちそうにありません」
フレアは遠い目をする。
「なんだよ、一緒にした仲じゃないか」
「そうですけど、節度ってものがあるじゃないですか」
「節度・・・?難しい話は俺には分からない」
「私にも我慢の限界があるんです!」
「分かった、分かった、もう襲わない」
俺は彼女をなだめる。
まぁ、気が変わるかもしれないが。
山の天気とちんこの気持ちは良く変わると言うしな。
仕方ない。
「それでいいんです」
フレアは納得してくれたようだ。
「とりあえず、服を着たらどうだ?」
「あぁ、恥ずかしい」
フレアは顔を真っ赤にして、急いで着替える。
といっても、あのサキュバス衣装だが。
「肌面積がほとんど下着と変わらないのに、恥ずかしいんだ」
「気持ちの問題です。女性器をさらけ出して歩くのと、多少は隠してるのでは意味が違うでしょう?」
「それもそうか」
俺は納得した。
「分かっていただいて、なによりです」
フレアは得意げだった。
「それでだ、これからどうするんだ?」
俺は尋ねる。
「どうするとは?」
フレアは疑問を浮かべた顔をする。
「いや、家にずっと泊まり続けるのか。
それとも、何処か別の場所に泊まるのか」
「それには心配及びません」
「それはどうして?」
「ボクはサキュバスの森に帰るんですから」
フレアは胸を張っていた。
「なんでまた」
「サキュバスは性行為を終えたら森に帰還するんですよ」
「ほぉ、それはいつ頃?」
「ですから、性行為を終えたら・・・」
フレアは自分で言って、その矛盾に気づいたようだ。
「俺が寝てる間とかに帰れば良かったのに」
「あれぇ、可笑しいなぁ」
「誰か迎えがくるとか?」
「いえ、その、少しづつ透明になっていって、消える手筈なんですが・・・」
フレアはそう言うが、彼女の身体は透明にはなってなかった。
「何処も透けてないぞ」
俺はスカートをめくる。
「パンツは透明にはなりませんから!」
フレアは口で抗議する。
「なんだ残念」
俺はパッと離れる。
「でも、なんでぇ?」
フレアは疑問に満ちた表情だった。
「魔方陣の上じゃないからとか?」
俺は軽い気持ちで言った。
「きっと、そうです!」
けれど、フレアはマジでそう思ったらしくダッシュで行く。
俺も魔方陣部屋へと向かっていった。
「どうだ?」
紙の上にエッチな格好のサキュバスが居る。
うーん、これはこれでエッチだな。
と、凄くどうでもいいことを考えていた。
「全然、消えないです。
どうして、帰れないの?」
フレアは涙目になってる。
「落ち着けって、何か原因があるはずだろ。
ゆっくり、考えるんだ。
別に今すぐ帰らなければならない事情が
あるわけでもないんだろ?」
「それは、そうかもしれませんが。
けれど、帰りが遅いとお母さんが心配します」
その言葉に、俺は少し引っ掛かる。
「お父さんは?」
「分かりません」
「分からないのか」
これは、少し失礼なことを聞いたか?
「サキュバスという種族の所為です」
「どういうことだ?」
「ボクたち、サキュバス一族は女性しか生まれないのです」
「それは夢があるな」
「とんでもない、それはつまり、子孫を繫栄できないのですから」
「アメーバとか無性生殖って方法もあるけど」
「ボクたちはアメーバではありませんので、子孫を繁栄するには男性が必要なのです」
「・・・」
それもそうか。
アメーバは無性生殖で繁殖が可能らしい。
それはアメーバが出来るだけであって、他の生物に当てはまるわけじゃない。
つい、出来るのではないかと思った俺は馬鹿だった。
人間が、明日から男子が消えたとする。
だからといって、急に女子が男性の精液を無しで子孫繁栄できるかと言われれば無理だろうと思う。
身体の構造は急には変わらない。
「でも、森の民たちは呪われてるのか男性が生まれません。
女性だけの民族なのです」
「それだったら子孫は生まれないんじゃ」
「だからこそ、こうして呼び出されることに意味があるのです」
「不特定多数の人間の男性と性行為をすることで子孫を?」
「その通りです」
「なるほどね」
それで俺とも性行為をしてくれたわけか。
愛があってするわけじゃないよな。
「こうするしか、子孫を繁栄できないのです」
「それは少し悲しいな」
「どうしてですか?」
「頼んだ俺が言うのも変だけど、それは恋によってセックスをするのではない。
ただ、森の民の秩序を保つためにセックスをするのだから。
そこには恋の楽しさが無い」
「そうかもしれません、けれど、ボク以外の方もそうですから。
ボクが嫌だからといって、ルールを変えるわけにはいきません。
他の方が飲み込んだ不満をボクだけが解消するのはズルい・・・でしょう?」
その言葉に、彼女の優しさを感じた。
そして、サキュバスの歴史を垣間見た気がした。
それは少し寂しい話だと思った。
「フレアが帰れるように、力になるよ」
彼女がちゃんと無事に帰れるように、送り届けてあげたいと思った。
それが勝手に呼び出した側の責任だろうから。
「本当ですか?」
「あぁ、もちろんだ」
「ありがとうございます、シロウ様」
フレアは笑みを俺に見せてくれた。
とても眩しかった。
「といっても、特にアイディアがあるわけでもないんだよな」
「さっそく躓きましたね」
フレアは苦笑する。
「そうだ、いいこと思いついた」
「なんでしょうか?」
「俺だけじゃ無理なら、人の手を借りるのが一番だ。
よし、さっそくだが、出かけよう」
「今からですか?」
「思いついたなら、すぐに行動に移した方がいい。
じゃないと、忘れちゃいそうだからな」
「ふふ、そうですか」
フレアは微笑んだ。
俺はさっそく、教会へと足を運ぶ。
「おーい、誰か居るか?」
「なんだか寒気がします」
フレアは胸の前で手を組んで、寒そうにする。
「どうした、寒いのか?」
「体温的な話では無く、空気がどうにも苦手です」
「そりゃまた何で?」
「やっぱり、悪魔ですから教会とは馴染めないのかと思ってしまいます」
「あぁ・・・」
連れて来たのは不味かっただろうか。
今更ながらに思う。
けれど、よく俺の相談にのってくれる人物がここに居ることが多いのだからしょうがない。
「ううぅ、何だか浄化されそうです」
「悪いが、少し我慢してくれ」
「分かりました」
フレアは項垂れる。
「遠路はるばる、ようこそ、親愛なる友よ」
俺よりも巨躯なる男がずいと、立ちふさがる。
「来たぜ、ジン」
「この場では、その名で呼ぶなと・・・今日は珍しいな。
変わった来訪者が居る」
ジンはフレアの方を見る。
「あ、あの、どうも初めまして神父様、フレアと申します」
彼女はぺこりと挨拶する。
「悪魔か」
ジンはすぐに彼女の正体に気づく。
「神父様、分かるんですか?」
「雰囲気が人のものと違う」
ジンは答える。
「すぐに悪魔みたいな存在を信じるんだな、ジン」
「神を信仰してるのだ、超常現象をすんなりと受け入れる心はあるさ」
「言われてみればそうだな」
俺はジンの言うことに納得する。
「それにしても憑かれたのか、親愛なる友よ」
ジンは俺の方を見る。
「そうじゃねぇって、俺がフレアを呼び出したんだ。
彼女は悪い人間・・・悪魔か?まぁ、ともかく悪いやつじゃない」
悪魔なのに悪くないとは矛盾してるようにも思える。
が、実際、そんなに悪人だとは思えなかったから、素直に思ったことを言う。
「性行為をしたがっていたが、まさか悪魔を呼び出してするとはな。
変わった親愛なる友だ」
「そうかな」
俺は首をかしげる。
「ふむ」
ジンは、フレアの方をじぃっと眺める。
「な、なんでしょう神父様」
フレアは怖がっていた。
「悪魔が親愛なる共に悪さをしてるようなら、払ってやろうかと思ったが・・・。
邪悪さは無いな、無害そうだ」
「ほっ」
フレアは安心した顔をする。
「ジン、払ってやるって具体的に何をするんだ?」
「決まってるだろう、人間に危害を加える獣は猟師の手によって殺される。
それと同じまでよ」
「あははは・・・」
フレアは恐怖で顔が引きつっていた。
「冗談・・・だよな?」
俺は真面目な顔で聞く。
「冗談だ」
すると、顔を緩めて、ジンはふっと笑って見せた。
「良かった」
フレアはホッとする。
「それで山崎、何の用でここに?」
ジンが尋ねる。
「フレアが家に帰れなくて困ってるんだ、ジンなら何か知ってるんじゃないかと思ってな」
「悪魔が帰れない?」
「あの、神父様、本当なんです。サキュバスの森に帰れるはずだったんですが・・・。
今はその、人間の世界に留まったままと言いますか」
「ふむ」
ジンは考え込む仕草をとる。
「何か分かるか、ジン」
「悪魔は何かしら人間と契約を果たすことで人間の世界にやってくる。
その契約を果たせば、定時になったら帰る社会人のように家に帰るはずなんだがな」
「サキュバスの契約って言えば・・・セックス?」
俺はその結論に行きつく。
「あの・・・でも・・・その契約は果たされました・・・」
フレアはかぁっと顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「最後までしたのか?」
ジンは冷静に言い放つ。
「最後までって、まぁ、その、挿入まで?」
俺も初体験のことを赤裸々に喋ってて少し恥ずかしい思いになる。
けれど、ジンは真面目に解決しようと話を聞いてくれるので、俺は我慢しながら昨日の出来事を会話に引き出す。
「コンドームは?」
ジンが聞いてくる。
「え、そうだな、まぁ、子供が出来たら学生なのに不味いかなって気がするし。
一応、したけど・・・それが?」
「それが原因じゃないのか?」
ジンは結論を出す。
「そんなまさか、コンドームのあるなしで、家に帰れるか帰れないのか決まるのか?
なんだか、馬鹿馬鹿しいっていうか、なぁ、フレア?」
俺は馬鹿らしいと思った、けれど、フレアはそうじゃないみたいだ。
「ありえる話かもしれません、だって、こちらに来るのは子供を作るためですから。
それが阻害されたとなれば、契約不履行として、帰れない理由になってるのかも」
フレアは真面目に考えていた。
「じゃ、なんだ、中出しすればフレアは帰れるのか?」
「自分はそう考えてる、親愛なる友よ」
ジンは言い放つ。
「答えは出ました。
シロウ様、中出しをしてください、今すぐに!」
フレアがサキュバスらしく、エッチに襲ってくる。
「そうと分かれば、いくぜ!」
俺はさっそく、戦闘態勢に入る。
女の子に襲われれば、数秒で勃起が出来るのは俺の得意技だ。
ベンチで始めようかと思ったが、ジンに止められる。
「悪いがここは教会だ、そういうのはラブホテルで行ってくれ」
俺とフレアはジンに掴まれて、宙ぶらりんになる。
中々の力持ちである。
「ありがとうな、ジン、お陰で答えが、見つかったぜ」
「答えが見つかったのならば良かった、迷える子羊を導くのが神父としての役目だろうからな」
ジンは俺たちのことを地面におろした。
そして、微笑む。
「ありがとうございます、神父様、最初は怖い人かと思いましたが・・・。
とても優しい人で良かった」
「それなら良かった、悪魔の少女よ」
「はい、神父様」
フレアは笑った。
俺たちは、教会を後にした。
そして、住宅街を歩く。
「さて、これから中出しをするわけだが」
「どんと来てください、いつでも待ってます」
フレアは、ウェルカムといった感じだった。
「まぁ、待て、せっかく人間界に来たんだから、もう少しゆっくりしていけよ。
別にいますぐ帰らなければならないってほど緊急でもないんだろ?」
「まぁ、それはそうですが」
「なら、決まりだな」
「それでは何をしましょう?」
フレアは尋ねてくる。
「そうだな、デートをしよう」
「デートですか?」
「短い間だが、少しでも俺のことを好きになってくれた方がセックスも楽しいだろ?」
「そうですね、嫌悪感の強い人とするというのは中々の苦行ですから」
「そこでだ、デートをして楽しいって思えるところがあればセックスしてても楽しくいられると思ってな」
「なるほど、理解しました」
フレアは頷く。
「そこで、ちょーっと寄るところがあるんだ」
「何処でしょうか」
「フウカの家だ」
「フウカ様?」
フレアは当たり前だが、はてなマークが頭に出ていた。
顔も声も知らないのだから当然だろう。
「俺の幼馴染だ」
こいつのことをあいつに紹介したら、どんな顔をするだろうか。
俺はウキウキで、フウカの家へと向かった。
見た目は普通の一軒家にたどり着く。
何の変わり映えもない本当に何処にでもありそうな感じだ。
チャイムを鳴らす。
「出ないな」
「留守なのではないでしょうか」
「いや、電気メーターは動いてる、居留守だな」
「シロウ様、何だか怖いです」
「おい、フウカ、居るのは分かってるんだぞ、出てこい!」
「シロウ様、やめてください、反社っぽいですよ!」
「だぁ~、うるさい、バカザキ!」
フウカがバンと玄関から飛び出る。
上下ジャージ、でこ出し、眼鏡。
THE・ラフという格好だった。
「ほら、やっぱり居た」
俺は人が居て安堵する。
「休みの日まで、バカザキと一緒に居たくないの。
それに勉強に集中したいし・・・それで何の用事なの?」
「フウカを驚かせようと思って」
「へぇ、何かプレゼントでも持ってきたの?」
「まぁ、そんなところだな」
「高級車でも持ってくるんなら驚いてあげるわ」
「そんなものじゃなくても十分、驚くと思うぜ?」
俺は後ろに隠れてる、フレアを差し出す。
「どうも初めてまして、フウカ様。
僕の名前はフレアと言います」
「・・・」
フウカは無言になる。
「なんだ、驚くと思ったのに」
フウカはそのまま後ろに卒倒した。
「あぁ、大丈夫ですかフウカ様!」
フレアは彼女を介抱しに行く。
「なんだ、フウカは気絶しただけか」
俺はサプライズが上手く行って内心、とても喜んだ。
「はっ、夢か・・・」
フウカの部屋で彼女は夢だと分かり、安堵していた。
「夢なわけあるか、ボケ」
俺はフウカに悪態をつく。
「ちょっと、私の部屋に勝手に入らないでよ」
フウカはベットの中で、俺に向かって悪態をつく。
「ごめんなさい、フウカ様、止めたんですが、聞かなくて」
フレアは謝る。
「それで、このコスプレ悪魔は誰なの?」
フウカが聞いてくる。
「俺のセフレ」
俺はさも当然とばかりに言う。
「そう、セフレ・・・はい?」
フウカは目をまん丸にして、驚いていた。
「セックスしたいって普段から言ってただろ」
俺は言う。
「それは、そうだけど、でも、そんな、まさか。
バカザキがあり得ない」
フウカはあわてふためいていた。
「それが事実なんだな、何か親から送られてきた荷物にさ?」
俺は説明を始める。
「はぁ」
フウカは話半分で聞いていた。
「何か悪魔の召喚方法みたいなの書かれてた本があって、その通り実行したわけさ。
セックスしたいってお願い事を叶えてもらえるかなぁって」
「そんな、叶うわけないでしょ、馬鹿なの?」
「ところがどっこい、結果がここにある」
俺はフレアを指さす。
「どうも・・・」
フレアは照れくさそうに笑う。
「ありえない、コスプレ悪魔って言われた方が納得できるわ。
いや、それも信じがたいけど・・・。確かにアニメとか漫画の影響で悪魔の存在は知れ渡ってると思う。
でも、実際に召喚できるかどうかは意味が違うでしょう?」
「実際に証拠がここにあるんだから、それが事実だろ」
「信じられないわ」
「よーし、それならフウカに魔法を見せてやろう」
「そんなの出来るの、バカザキ」
「フレア、見せてやれ」
「え、でも」
フレアは戸惑っていた。
「あのだな、こうしてだな・・・」
俺はフレアに耳打ちする。
「でも、それじゃフウカ様が」
「いいから、いいから」
「不穏なことが聞こえて来たんだけど、バカザキ」
「大丈夫だって、痛くはしないから」
「変な事したら、殴り飛ばすわよ」
「平気だって、心配性だからな、フウカは」
「バカザキの所為でしょうが」
フウカはイラついていた。
「さて、準備は整った。フレア、見せてやれ」
「魔法なんて存在しないでしょうけど、何を見せてくれるのかしら?」
フウカは仁王立ちして、ドンと構えていた。
「ごめんなさい、フウカ様・・・えーい」
フレアの手がぱぁっと光り輝く。
そして、光が次第に収束していく。
「魔法って光るだけ?それだったら手に小さいライトを隠し持てば私でもできるわ。
とんだ凡庸(ぼんよう)マジシャンね、練習してから、またおいで」
フウカは鼻で笑う。
「・・・」
俺は無言でフウカを睨みつける。
「そんな目をしたって無駄よ、失敗したのはそっちなんだからさ。
あははははは・・・・・ん?」
フウカは高笑いをしていたが、何か違和感を覚えたようだ。
「来たか」
俺はにやりと笑う。
「何だか・・・急に・・・トイレが・・・」
フウカは部屋を飛び出していった。
「効いたようだな」
俺は勝利を確信し、内心、ほくそ笑んでいた。
「ふぅ・・・」
フウカが10分くらいして帰還してきた。
「遅かったな」
俺はフウカをニヤニヤ見つめる。
「その顔やめて、ムカつく」
「それでぇ、魔法はあっただろう?」
俺はニヤニヤ顔を止めなかった。
「くっ・・・そうね、あった、あったわ、まさか、急に尿意が襲ってくるとは」
フウカは項垂れる。
悔しそうである、俺はその顔が可愛く見えた。
「フレアの魔法は下半身にのみ効果を発揮する」
俺は説明する。
「悪魔の魔法にしては地味ね」
フウカは一蹴する。
「がーん」
フレアは落ち込む。
「だが、威力は本物だ、それを体験して身に染みたろ、フウカ」
「そうね、地味だけど威力はあった。
とても驚かされたわ、フレアさんに」
「ごめんなさい、フウカ様、断りにくくて」
「いいのよ、大体、バカザキが変な命令をするからだし」
「フウカ様、許してくださいますか?」
「えぇ、いいわよ」
「ありがとうございます」
フレアはぺこりとお辞儀する。
「礼儀正しい子ね、フレアさんは」
「俺のセフレだからな」
俺は自信満々に言う。
「その言い方、なんとかならないの?
そんなウソをつかれて変な悪評が立っても嫌でしょう?」
「あの、その恥ずかしい話ですが、嘘ではなくてですね、フウカ様」
「マジ?」
フウカは目を真ん丸にする。
「おおマジよ、セックス・・・しちゃいました」
俺は鼻を指でこすって照れくさそうに笑って見せる。
「こんなかわいい子がどうして・・・いいなさい、どんな弱点を握って脅してるのよ!」
フウカに首を掴まれる。
「苦しいぜ・・・フウカ」
「フウカ様ダメです、シロウ様をあんまり虐めないでください!」
「白状しろぉ!」
「うげぇ」
俺は意識が朦朧とし始める。
そして、パタンと倒れた。
「シロウ様ぁ!」
俺はフレアの胸で抱かれながらあの世へ行こうとする。
映画みたいに周りが暗くなってスポットライトが俺たちにのみ光る。
「いつのまに準備したのよ」
暗がりの中からフウカはツッコむ。
「あぁ、シロウ様しっかりして」
フレアは迫真の演技だった。
「子供の顔・・・2人は見たかったな」
俺はフレアの顔を見つめて、そのまま意識を無くす。
「シロウ様ぁ!」
フレアは涙を流していた。
「るるる~」
俺はエンディングのBGMを口笛を出して演出する。
「ねぇ、寸劇をいつまで続けるのよ」
フウカは呆れていた。
「もう終わりだから安心してくれ」
俺は目を覚まして、起き上がる。
「復活なされたようで安心です、シロウ様」
フレアは笑顔を向ける。
「仲いいのは分かったわ、それで、どうして家に来たのよ。
彼女が出来たのなら、勝手にデートでもしてくればいいじゃない。
私なんかに構ってるより、よっぽど楽しいんじゃない?」
「それなんだけどさぁ、フウカ」
俺は言い出しにくくて、もじもじする。
「あんたが、そうやってるのキモイんだけど。
言いたいことがあるなら早く言ってくれない?」
フウカが毒舌を使ってくる。
「服・・・貸してほしいんだよね」
「はぁ?」
フウカは驚いた顔をしていた。
「いや、ほら、やっぱり同じ女の子から教わった方がいいじゃん?」
俺は慌てて説明する。
「フレアさんと買い物でも、すればいいじゃない。
彼女の好みを聞くのが一番でしょう?」
「でもよ、フレアは悪魔じゃん?こっちの世界に疎いと思うんだよね。
何が可愛いとか、何がかっこいいとかよくわからないと思うんだ」
俺はそう話す。
「なるほどねぇ」
フウカは考え込む仕草をする。
「それにほら、格好があれだろ?」
俺はフレアを指さす。
「下着同然の肌面積だものね」
フウカは納得する。
「ごめんなさい、一応、言い訳をさせてもらえるなら、サキュバスの制服みたいなものでして。
ボクの一存で格好が決定したわけじゃないんです」
フレアは落ち込む。
「バカザキの趣味かと思ってた」
「俺の趣味じゃねぇって、でも、エッチだなぁとは思ったが」
「ありがとうございます」
サキュバスだからか、エッチと言われるのは誉め言葉らしい。
「事情は分かったわ、力になれそうね」
「本当か、さすがフウカだ、お礼にセックスしてあげよう」
「バカザキは本当に変わらないわね、彼女の居る前で堂々と浮気宣言しないで」
「3P、憧れてるんだ」
俺は目をキラキラさせる。
「うるさい、バカザキ」
フウカに罵倒された。
「じゃ、服を貸してくれるんだな」
「というより、あげてもいいわよ」
「そりゃ、ありがたい話だが、いいのかよ」
「サイズが・・・」
「え?」
「サイズが合わないのよ!」
フウカは訴える。
「お、おぉ?」
フウカの急な叫びに俺は戸惑う。
「どうしてかわいい服ってサイズが小さいのよぉ!」
フウカの悩みは俺には理解できそうになかった。
フウカの身長は男性の平均身長(171cm)を越えて175cm存在する。
だから、男子物の服を中心に履いたりすることが多いという背景があったりする。
「フウカ様、泣かないでください」
フレアはフウカを抱きしめて、頭を撫でる。
「フレアさんは優しいのね」
「いえ、大したことではありません」
フレアはフウカに向かって笑顔を向ける。
「百合展開?」
俺は1人だけ置いてかれたような気分だった。
「それじゃ、服持ってくるから。フレアさんもついて来て」
フウカは先ほどとは違い、きりっとする。
「はい、楽しみです」
フレアはフウカについて行く。
「どんな格好になって出てくるのだろうか」
俺は楽しみだった。
30分くらいだろうか、フウカの部屋の漫画本を読んだりして時間を潰して待っていた。
が、ようやく、その時が訪れたようだ。
「お待たせ、結構、可愛いわよ」
フウカが期待値を上げるようなことを言ってくる。
「そんなことを言って大丈夫なのかよ」
俺は扉の向こうから声を投げかける。
「大丈夫よ、私が言うんだから間違えないわ」
相当な自信を感じる。
俺はわくわくが抑えきれなかった。
「それじゃ、失礼しますね」
フレアの声が聞こえる。
そして、扉が開かれた。
そこに居たのは、とても愛らしい女の子だった。
さらさらのロングヘアー。
フリルのついたブラウス(上着)
胸にリボン。
サスペンダースカート。
ガーターベルト。
リボンのついたシューズ。
ロリータ系の格好と言えるだろう。
「可愛いじゃないか、俺のセフレに相応しいな」
「ありがとうございます、シロウ様」
フレアは照れくさそうに笑っていた。
「誉め言葉のチョイスは最悪だけど、可愛いってのは間違いなかったでしょ」
フウカも何故か自信満々である。
「あぁ、今すぐセックスしたいほどだ」
「そんな、フウカ様が居るのに」
「平気だって、愛は盲目って言うだろ、他なんて関係ないんだ」
「シロウ様・・・」
フレアは俺のことを見つめてくる。
これはキス待ちだろうか。
「フレア・・・」
俺は彼女のことを抱きしめようとする。
「ここ人の家なんですけどぉ!?」
フウカは俺とフレアの間に入り、仲を引き裂く。
「俺とフレアの仲を引き裂く、悪人め、成敗してくれよう」
俺はフウカに襲い掛かる。
「ラフプレーだっ!」
フウカは俺の顔目掛けて、膝蹴りをかましてくる。
俺は窓ガラスから飛び出し、2階から道路の方へ飛んでいく。
そして、車に轢かれてしまう。
「シロウ様!」
俺はそのまま亡き者になってしまった。
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