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第一章
マキアとカツヤ 5
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お兄さん「それじゃ僕達はこれで」
はじめ、隠れて家の中を見ていた時とは嘘みたいにカツヤ君のお父さんは大人しくなっていた。
父「 ………ああ 」
お父さんが見送る中、出発する事になった。
カツヤ君はチトセちゃんをおんぶして、
お兄さんがジュン君を抱っこして。
父「ーーあんた、ガキいたのか」
ウチを見て、そうお父さんはお兄さんに質問した。
お兄さん「この子も今日から僕が引き取る子です。なので、今日から僕の子ってことになりますね。」
そう言って、ウチの頭を撫でる。
父「あんた、施設か何かの仕事でもしてんのか?」
しせつ……?しせつって何だろう…
お兄さん「まあ、簡単に言えばそんなとこですね。」
父「そうか…」
ザッ…
カツヤ「じゃ、父さん行ってきます」
父「待て、カツヤ…これやる。」
カツヤ君の後ろから覗いてみてみると、
紫色のハンカチみたいなものを渡そうとしていた。
カツヤ「…?何?これ」
父「俺の大事なバンダナだ。お前にやる…。ちょっと所々ほつれてるけどな」
カツヤ「ーーー!ありがとう、大事にするね!」
すると、お父さんの大きな手が
カツヤ君の頭をわしゃわしゃとする。
わっ!と、ビックリしてるカツヤ君の顔は
すごく嬉しそうだった。
父「よし、行ってこいっ!兄さん…こいつらをよろしくなっ…!」
少し震えた声でお父さんはそう言った。
そして、カツヤ君が歩き出した後に
すごく小さな声で「ごめんな」と謝っていた。
お兄さん「はい、でわ失礼します。」
ザッ ザッ ザッ
こうして、ウチもカツヤ君と一緒に
お兄さんについて行くことにしたーーーー
ーーーあの頃の記憶は今も鮮明に覚えている。
あの時出会ったのがカツヤで、リュウで
良かったと思うーー
今、ウチがここにいられるのも
あの二人のおかげなんだ。
リンダ「ーーーマキアさん?」
『うおっ!?何だよっ…お前、近っ!!顔!』
名前を呼ばれて気が付けば、
ウチのすぐ目の前にリンダの顔があった。
あまりの近さに飛び退いた勢いだ。
リンダ「だって、何かずっと上の空だし、バーガーだってほら、二口くらいしか食べてないじゃない?どーかしたの?」
身を乗り出していたリンダが座り直すところを見ると、手元にはもうバーガーはなく、ポテトが残り少なくなっていた。
かなりの時間意識を持っていかれていたようだな…
『いや、ちょっと考え事してただけだ。……てか、さっきの何だよ』
リンダ「さっきのって?」
『お前、ウチの事“さん”付けして呼んだろ』
“さん”や“ちゃん”付けで
呼ばれることに少し抵抗がある。
小さい頃は何も思わなかったけど、
今は“ちゃん”って歳でもないし正直嫌だ。
まあ、ここではもう武器屋のセンさんくらいしかウチの事を“ちゃん”で呼ぶ人はいない。
ある意味レアだな。
リンダ「え、だってまだ知り合ったばかりだし…いきなり呼び捨ては馴れ馴れしいと思ったんだけど」
ーーーまじめか。“さん”付けするわりには
名前以外普通にタメ口で喋ってるじゃねーか。
それならもはや“さん”いらねーわ。
『“さん”いらねーから、普通に名前で呼んでくんねぇ?ムシャクシャするから。』
リンダ「そう言うなら…頑張る。」
『ああ、そうしてくれ。んで?この後は町の案内だったか?』
正直、知り尽くした町内を見て回るなんて面倒だけど…まぁコイツもまだ分かんねぇ事が多いと思うから付き合ってやろう。
『で、まずはどこ行きてーの?』
リンダ「まず!何があるのか分からんないから、今日商店街は見て回れたしそれ以外!」
『へいへい…』
食べてないバーガーとポテトをさっさと平らげて案内をするために店を出るーーー
ウチがこの町を好きなように
コイツにも好きになってもらいてーしな。
さぁーて、行きますか!
お兄さん「それじゃ僕達はこれで」
はじめ、隠れて家の中を見ていた時とは嘘みたいにカツヤ君のお父さんは大人しくなっていた。
父「 ………ああ 」
お父さんが見送る中、出発する事になった。
カツヤ君はチトセちゃんをおんぶして、
お兄さんがジュン君を抱っこして。
父「ーーあんた、ガキいたのか」
ウチを見て、そうお父さんはお兄さんに質問した。
お兄さん「この子も今日から僕が引き取る子です。なので、今日から僕の子ってことになりますね。」
そう言って、ウチの頭を撫でる。
父「あんた、施設か何かの仕事でもしてんのか?」
しせつ……?しせつって何だろう…
お兄さん「まあ、簡単に言えばそんなとこですね。」
父「そうか…」
ザッ…
カツヤ「じゃ、父さん行ってきます」
父「待て、カツヤ…これやる。」
カツヤ君の後ろから覗いてみてみると、
紫色のハンカチみたいなものを渡そうとしていた。
カツヤ「…?何?これ」
父「俺の大事なバンダナだ。お前にやる…。ちょっと所々ほつれてるけどな」
カツヤ「ーーー!ありがとう、大事にするね!」
すると、お父さんの大きな手が
カツヤ君の頭をわしゃわしゃとする。
わっ!と、ビックリしてるカツヤ君の顔は
すごく嬉しそうだった。
父「よし、行ってこいっ!兄さん…こいつらをよろしくなっ…!」
少し震えた声でお父さんはそう言った。
そして、カツヤ君が歩き出した後に
すごく小さな声で「ごめんな」と謝っていた。
お兄さん「はい、でわ失礼します。」
ザッ ザッ ザッ
こうして、ウチもカツヤ君と一緒に
お兄さんについて行くことにしたーーーー
ーーーあの頃の記憶は今も鮮明に覚えている。
あの時出会ったのがカツヤで、リュウで
良かったと思うーー
今、ウチがここにいられるのも
あの二人のおかげなんだ。
リンダ「ーーーマキアさん?」
『うおっ!?何だよっ…お前、近っ!!顔!』
名前を呼ばれて気が付けば、
ウチのすぐ目の前にリンダの顔があった。
あまりの近さに飛び退いた勢いだ。
リンダ「だって、何かずっと上の空だし、バーガーだってほら、二口くらいしか食べてないじゃない?どーかしたの?」
身を乗り出していたリンダが座り直すところを見ると、手元にはもうバーガーはなく、ポテトが残り少なくなっていた。
かなりの時間意識を持っていかれていたようだな…
『いや、ちょっと考え事してただけだ。……てか、さっきの何だよ』
リンダ「さっきのって?」
『お前、ウチの事“さん”付けして呼んだろ』
“さん”や“ちゃん”付けで
呼ばれることに少し抵抗がある。
小さい頃は何も思わなかったけど、
今は“ちゃん”って歳でもないし正直嫌だ。
まあ、ここではもう武器屋のセンさんくらいしかウチの事を“ちゃん”で呼ぶ人はいない。
ある意味レアだな。
リンダ「え、だってまだ知り合ったばかりだし…いきなり呼び捨ては馴れ馴れしいと思ったんだけど」
ーーーまじめか。“さん”付けするわりには
名前以外普通にタメ口で喋ってるじゃねーか。
それならもはや“さん”いらねーわ。
『“さん”いらねーから、普通に名前で呼んでくんねぇ?ムシャクシャするから。』
リンダ「そう言うなら…頑張る。」
『ああ、そうしてくれ。んで?この後は町の案内だったか?』
正直、知り尽くした町内を見て回るなんて面倒だけど…まぁコイツもまだ分かんねぇ事が多いと思うから付き合ってやろう。
『で、まずはどこ行きてーの?』
リンダ「まず!何があるのか分からんないから、今日商店街は見て回れたしそれ以外!」
『へいへい…』
食べてないバーガーとポテトをさっさと平らげて案内をするために店を出るーーー
ウチがこの町を好きなように
コイツにも好きになってもらいてーしな。
さぁーて、行きますか!
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