RINDA

リンダ

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第一章

新しい仲間達 3

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マキア「さーてと、やるかぁー」


お風呂から出て、部屋に戻ってくる。
ここの部屋は基本二人部屋。
でも他の部屋は今現在埋まってるみたいでまだ空きのあるマキアさんの部屋で過ごすこととなった。


ガダン… ゴトッ… ガタッ…


二人で私が利用するベッド付近を片付ける。
抱き枕くらいの大きさのぬいぐるみなど何個かある。案外、可愛い物…好きなのかな?


『ーーこれでよし』


私のベッドが出来上がる。
布団とかは来客用のものだが今日一日はこれを使わせてもらう。


マキア「疲れたろ、今日はすげー寝れるんじゃねーか?」


『確かにすごい寝れそうw明日は何時に起きるの?』


明日は私の生活用品を買いに行くと言っていた。マキアさんも一緒についてきてくれるので丸一日仕事はお休みをもらっている。


マキア「そーだな…7時くらいでいいぞ。6時には皆起き出すからバタバタするしな」


『わかった』


何人もいるから朝は洗面所が混雑するみたい。
特に女子は時間がかかるしね。


マキア「さて、そろそろ寝るぞ」


時間はもう0時がきている。
マキアさんも欠伸をしているし、
今日もきっと6時に起きてから仕事で“表”まで行って、その上私の事もあり本当はすごく疲れているはずだ。


『うん、じゃ電気消すね?おやすみなさい』


マキア「おーー」


パチン…


ーーーーー私も布団に入る。

今日は…本当に、長い一日だったーーーー


眠いはずなのに頭が今日の事を思い出させる。
学校での事、エリアの事、マロン達の事、
ユウキの事、そしてーーー母の事。


私が別れを切り出したとき
お母さんはどう思ったかな。
私がいなくなってお母さんは
どう思ってるかなーーー


嬉しいと思ったのかなーーーーー


私って…私ってホントに…
お母さんにとって本当に
邪魔な存在だったのかなーーー


ユウキは…大丈夫なんだろうかーーー
でも…ユウキは大丈夫だろう。
強い子だし私がいなくたって大丈夫だーーー
きっと。


マロン…。

いなくなったこと知ったら、
絶対怒るだろうなーーー
もしかしたら家に乗り込んできたり……
もう、そーなったらカノン達に任せるしかない。


ーーーーーエリア。

本当にあの子には世話になったーー。
感謝しきれないくらいに…。

エリアがいたからマロン達と友達になれた。
家とは違って安らぎの場だった学校も
より一層楽しい場所となったーーー


勝手にいなくなってごめんね…
最後に会えなくてごめんね…

別れの言葉も、連絡もなくて
最低なことして…本当にごめん……

もう二度と会えないかもしれないーー
でも私はこの先、いつか会えること信じてるから。

エリアも会えること信じてて。


ーーーいつか、きっといつか会いに行くよ。




ーーーーーーまた会うその日まで。




**********


マキア「おーい、起きろよー」


シャッ!とカーテンが開けられる。


『……ん…。まぶし…』


布団に潜り光から逃げようとする。


マキア「おーい、もう7時過ぎてんぞーー」


誰かの声がする…。え…?誰かいる…??
ん?ここ……どこだっけ?

ごそっ…と布団から顔を出してみた。
見慣れぬ空間。
段々と記憶が甦ってくるーーー。


マキア「おい、起きたかよ」


ベッドの横で腕を組んで仁王立ちしてる人。
思い出した……、マキアさんだ…。
ここは闘場町の寮。完全に目が覚めた。


『ごめん…おはよう』


マキア「おーー、さっさと顔洗いに行くぞ」


そう言うとタオルと歯ブラシを渡され
一階の洗面所へと向かうーーー

洗面台の横のスペースには大きな鏡がありドライヤーなど置いてあるのでそこで髪も整える。


『今は皆仕事に行ってるの?』


洗面所はもちろん、
ここに来る間に一人として見かけない。


マキア「7時くらいから皆朝練みたいなちょっとした運動して、それから仕事って感じだから今はまだ一階奥の道場にいるぞ」


『そーなんだ。…ねぇ!買い物するときにちょっと町の中案内してくれない?』


マキア「はぁ~??めんどくせーなぁ…ちょっとだけだぞ?」


めんどくさそうな顔をしてるけど
結局は付き合ってくれるところがマキアさんの優しいところ。
今日はマキアさん仕事お休みだし
気分転換として散歩がてら案内をしてもらうことになった。


*****


髪も直して、朝ごはんを食べに食堂へ行った。

しっかり朝食べるのって何年ぶりだろう…
家にいた頃は登校する際にコンビニでパンとか買って学校で食べてたり、食べなかったり適当だった。


そして朝ごはんも食べ終わり、渡された服に着替えて出掛けようと玄関へ向かうとーー


リュウ「やあ、おはよう」


そこにリュウさんがやって来た。


『おはようございます!』


リュウ「ん、顔色もいいね。よく眠れたみたいで良かった」


そう私の顔を見て微笑む。
心配してくれたのかな?
昨日の私の顔色悪かったのかもしれないーー




そうして今日必要なお小遣いを受け取り
リュウさんに見送られ
私達は商店街へと向かうため寮を後にしたーー




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