7 / 18
第一章
新しい仲間達 1
しおりを挟む
『なー、カツヤ帰ってきた?』
同じ班の二人が朝から“表”に出掛けてから
もうだいぶ経っている。
寮の中を探してもいない。
まだ帰ってないのか?
???「んー?いや、まだだと思うけど…てか、どこ行ってんの?」
『マキアと“表”に行ってる。』
確か、薬屋に発注用紙を届けるだけのはずなのにあまりにも遅い気がする。
まさか……遊んでねーよな?え、ズルくね?
でもマキアが一緒だしそれはねー…よな?
???「え、トウキまさか置いていかれた?」
『ちっげーよ!使いで三人もいらねーってリュウに言われたんだよ!』
本当は俺だって“表”に行きたかった。
闘場町で生まれ育った俺は
“表”をあんまり知らないから機会があったらって楽しみにしてたのに。
???「まぁ、マキアが行くってんならそーなるわな、悪い悪い。」
カツヤはいつもマキアの側にいて、
言わば、金魚のフン。
まぁ、主に仕事の時はって話だけど、
いつもそんなベタベタついてこられて
マキアもウザくねーのかな?
そんなことを思いながら
二人の帰りを待つのであったーーーー。
**********
ザワ… ザワ…
門をくぐってしばらく進むと、
一番賑やかな通りへ辿り着く。
ここはお店が何軒かあって
この町の商店街みたいなところだろう。
通り過ぎていく人達がチラチラと
私を物珍しそうに見ている。
ここでは学校の制服は
浮いてしまっているかもしれない。
周りの人達の服装は
和服や動きやすそうなラフな格好、
布が少な目の服やらそんな感じのが多い。
別世界に来たみたいな感覚になる。
???「おーい、マキアちゃん」
私のすぐ前を歩く金髪の子が
誰かに呼び止められる。
すると、和服を着て頭にハチマキをしたおじさんがすぐ側の店から出てくる。
そこの店の看板には“ぶきや”と書いている。
店の人「三日間も顔見せねぇで、とっくにあんさんの研ぎ終わってるぞ?」
マキア「すいません…」
マキアと呼ばれたこの人は、お店のおじさんに何か頼んでいたようだ。
店の人「後だな、あんさんは手入れをしなさすぎだ。毎回言うが、本当に斬れなくなるぞ?研ぎ代も馬鹿にならんし…。手入れ道具もつけといたからちゃんとするように。ほらよ、毎度。」
スッ…と布に包まれたそれを手渡される。
マキア「すいません…ありがとうございます。」
この人もちゃんと敬語使うんだ。
私とは歳が近いから砕け散った感じで喋ってたからか、きちんとしているとこを見ているとついそう思ってしまった。
男の子「はは。センさんにどんだけ怒られてんの」
マキア「うっせ。」
このマキアって人が渡されたもの。
もう何となく分かった。
ここの店の名前が“ぶきや”ってことは
イコール“武器屋”ってことだ。
周りの人達の腰や背中につけてる刀や槍らしきもの、そんなものがさっきから視界に止まる。
マキアさんが私に言っていた
“常に死と隣り合わせ”と言うあの言葉ーー。
きっとここでは戦いを意味するんだーーー
“死ぬかもしれない”
あの言葉も今となっては納得。
ここでは当たり前の事なんだ。
本当に“表”とは別世界ーーー
信じられないけど現実。
こっちで生きていく事を決めたのは私だから
これからは本当の意味で
気を引き締めていかなくちゃいけないね。
*****
マキア「さてと…今から闘場町の長に会いに行くぞ。」
『うん』
商店街を抜け、少し歩くと看板に“第二寮”と書かれた大きな建物の隣に小さな建物があった。
どうやらここに長の人がいるみたい。
マキア「あ。カツヤお前は先に飯食ってろ。」
マキアさんは黒髪の男の子にそう言う。この人はカツヤ君って言うんだ、覚えておこう。
カツヤ「え、何で?マキア達と食うよ」
マキア「これから手続きだから先食え。ウチだけで事足りる。」
カツヤ「えーーーーーー!」
そう、ちょっぴりつまらなさそうな顔をするカツヤ君。エリアを助けてくれて、私に手当てしてくれた時とは違い、少し子供らしい部分が見えた。
カツヤ君はマキアさんと一緒にご飯を食べたいんだね、きっと。
まだ少ししか一緒にいないけど
カツヤ君がマキアさんに対する態度としぐさでピンときてしまった。
マキア「よし、入るぞ。」
側でふてたまま立ち尽くすカツヤ君を余所目にマキアさんはコンコンッと扉をノックして
建物内へ入っていく。
ほったらかしにされたカツヤ君…
ちょっと可哀想だけど私も後をついて
扉の奥へと入っていったーーー
同じ班の二人が朝から“表”に出掛けてから
もうだいぶ経っている。
寮の中を探してもいない。
まだ帰ってないのか?
???「んー?いや、まだだと思うけど…てか、どこ行ってんの?」
『マキアと“表”に行ってる。』
確か、薬屋に発注用紙を届けるだけのはずなのにあまりにも遅い気がする。
まさか……遊んでねーよな?え、ズルくね?
でもマキアが一緒だしそれはねー…よな?
???「え、トウキまさか置いていかれた?」
『ちっげーよ!使いで三人もいらねーってリュウに言われたんだよ!』
本当は俺だって“表”に行きたかった。
闘場町で生まれ育った俺は
“表”をあんまり知らないから機会があったらって楽しみにしてたのに。
???「まぁ、マキアが行くってんならそーなるわな、悪い悪い。」
カツヤはいつもマキアの側にいて、
言わば、金魚のフン。
まぁ、主に仕事の時はって話だけど、
いつもそんなベタベタついてこられて
マキアもウザくねーのかな?
そんなことを思いながら
二人の帰りを待つのであったーーーー。
**********
ザワ… ザワ…
門をくぐってしばらく進むと、
一番賑やかな通りへ辿り着く。
ここはお店が何軒かあって
この町の商店街みたいなところだろう。
通り過ぎていく人達がチラチラと
私を物珍しそうに見ている。
ここでは学校の制服は
浮いてしまっているかもしれない。
周りの人達の服装は
和服や動きやすそうなラフな格好、
布が少な目の服やらそんな感じのが多い。
別世界に来たみたいな感覚になる。
???「おーい、マキアちゃん」
私のすぐ前を歩く金髪の子が
誰かに呼び止められる。
すると、和服を着て頭にハチマキをしたおじさんがすぐ側の店から出てくる。
そこの店の看板には“ぶきや”と書いている。
店の人「三日間も顔見せねぇで、とっくにあんさんの研ぎ終わってるぞ?」
マキア「すいません…」
マキアと呼ばれたこの人は、お店のおじさんに何か頼んでいたようだ。
店の人「後だな、あんさんは手入れをしなさすぎだ。毎回言うが、本当に斬れなくなるぞ?研ぎ代も馬鹿にならんし…。手入れ道具もつけといたからちゃんとするように。ほらよ、毎度。」
スッ…と布に包まれたそれを手渡される。
マキア「すいません…ありがとうございます。」
この人もちゃんと敬語使うんだ。
私とは歳が近いから砕け散った感じで喋ってたからか、きちんとしているとこを見ているとついそう思ってしまった。
男の子「はは。センさんにどんだけ怒られてんの」
マキア「うっせ。」
このマキアって人が渡されたもの。
もう何となく分かった。
ここの店の名前が“ぶきや”ってことは
イコール“武器屋”ってことだ。
周りの人達の腰や背中につけてる刀や槍らしきもの、そんなものがさっきから視界に止まる。
マキアさんが私に言っていた
“常に死と隣り合わせ”と言うあの言葉ーー。
きっとここでは戦いを意味するんだーーー
“死ぬかもしれない”
あの言葉も今となっては納得。
ここでは当たり前の事なんだ。
本当に“表”とは別世界ーーー
信じられないけど現実。
こっちで生きていく事を決めたのは私だから
これからは本当の意味で
気を引き締めていかなくちゃいけないね。
*****
マキア「さてと…今から闘場町の長に会いに行くぞ。」
『うん』
商店街を抜け、少し歩くと看板に“第二寮”と書かれた大きな建物の隣に小さな建物があった。
どうやらここに長の人がいるみたい。
マキア「あ。カツヤお前は先に飯食ってろ。」
マキアさんは黒髪の男の子にそう言う。この人はカツヤ君って言うんだ、覚えておこう。
カツヤ「え、何で?マキア達と食うよ」
マキア「これから手続きだから先食え。ウチだけで事足りる。」
カツヤ「えーーーーーー!」
そう、ちょっぴりつまらなさそうな顔をするカツヤ君。エリアを助けてくれて、私に手当てしてくれた時とは違い、少し子供らしい部分が見えた。
カツヤ君はマキアさんと一緒にご飯を食べたいんだね、きっと。
まだ少ししか一緒にいないけど
カツヤ君がマキアさんに対する態度としぐさでピンときてしまった。
マキア「よし、入るぞ。」
側でふてたまま立ち尽くすカツヤ君を余所目にマキアさんはコンコンッと扉をノックして
建物内へ入っていく。
ほったらかしにされたカツヤ君…
ちょっと可哀想だけど私も後をついて
扉の奥へと入っていったーーー
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる