2 / 18
第一章
小さな町 闘場町 2
しおりを挟む
サッサッサッ……
ゴミをちりとりで取り終えた私は
このくらいでいいかと、エリアに声をかける為
少し離れた彼女の方を見たーーーーー。
その時、
『ーーーー?』
かがんでゴミを集めているエリアの後方ーー、
白のニット帽を被った金髪の男の人が
教室の曲がり角からうつ向いた状態で
のっそりと出てくる。
……何かーー、嫌な予感がする……。
その男を見た瞬間とっさにそう感じ
私は彼女に静かにこう言うーーーーー。
『エリア、こっちに来て。』
私の顔を見ると彼女は異変を感じ取ったのか
気の抜けた顔を引き締めた。
手に持っていたホウキを
地に静かに置き立ち上がる。
そして、まるでその男に気付いてないかのように背を向け歩いていく私に一歩一歩近づいてくる。
私は歩きながら後方へふらふらと掌をちらつかせたーーー。
後どのくらいで男が追い付くのか分からないこの状況に全身に冷や汗が出る。
目を瞑ると、後ろからエリアの足音が
微かに感じられるーーーーーあともう少しだ。
さらにその奥ーーー、
気配はほんの少しだけ分かるがそこまで正確には感じ取れない。
(お願い……エリアーーー。早くーーーーー。)
ギュッ…
『ーーーーーーーーっ!!』
ーーーーーー今だ!!!!
ダッッ!!!!!!!
私は左手に温もりを感じた瞬間、それを強く握り締めおもいっきり引き寄せ走り出した。
その瞬間エリアのすぐ後ろでビュッ!!と、何かからぶったような変な音が聞こえた。
何の音ーー?だが、一つだけ確信した。
男は何か武器を所持しているということーー。
しかも音からしてそれはバットとか
そんな棒じみた物ではなく恐らくーーー、
ナイフ的なものだ。
エリアの手を強く引っ張り私は息を切らしながらひたすら廊下を走り、ある場所を目指すーーー。
それは私達が休み時間によく利用している
この学校の最上階、屋上だ。
いつもは閉じられているが
私は針金で合鍵を作っている。
三階分の階段を猛ダッシュで駆け上がり
急いでポケットからそれを取り出しすかさず鍵を開け、ギィィ…と無事屋上へ入ることが出来た。
男はーーー、
まだここには追い付いていないようだ。
ガチャン。と、こちらから鍵をかけ直し
ひとまず私達は息を大きく吐き出したーーー。
『ふぅーーーー、……ビックリした……』
エリア「はぁはぁ…何なんだよ~…もう…」
本当に突然過ぎて驚いている。
そして今さらになって
大変な事が起きていると再確認した。あそこで私が少しでも早く気付いてよかったと思う。
そうじゃなかったら今頃エリアも…私も……
そう思うと体がゾッとしたーーー。
エリア「でもよかったぁ。リンダが合図送ってくれて」
先ほどまで切羽詰まってた顔から
一気に明るい表情に変わりそう言う。
ーーーー合図。
それはずっと前に私達が決めた、
危険な時に使用する合図。
一度、遊びに出掛けている時に
危険な場面に偶然遭遇したことがあり
何か私達だけにしか分からないような合図があればとそれで決めたのだ。
主に私しか使ったことがないのだが、
真剣な顔、声で一言言葉を言うだけという簡単なもの。
今までは“逃げて“くらいしか使ったことがないのに今回は初めて”こっちに来て”という言葉で
エリアもよく気付いてくれたものだ。
私は胸ポケットに入れていた携帯を取り出し
ある人物に電話をかけるため、画面をタップしたーーー。
マロン「「どーした?」」
『あ、マロン?ちょっと頼み聞いてくれる?』
*****
ドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!
『「ーーーーーーーーっ!!」』
たった今マロンに状況を伝えた直後、
ものすごい勢いで屋上の扉が叩かれ始めた。
ずっと鳴り響くその音に
次第と恐怖が込み上げてきたが
ここで私が怖がってしまっては
エリアが余計不安がるだろう。
すでに彼女の顔は青くなり本気で怯えている。
ここの扉はボロくなってはいるが
ちょっとやそっとでは壊れないだろう。
だからここにいれば大丈夫だーーーーー。
**********
先生「こら!!佐々木お前授業中に何電話してるんだ!!」
ーーそう大声で怒鳴っているのは数学の先公。
ズカズカとウチのところに来ては
携帯を取り上げる。
だが今、そんなこといちいち考えてられない
早くこの事を伝えなきゃなんねんだーーー。
『先生、今すぐ警察呼んでください。』
そう言うと先公は
時が止まったかのように一瞬固まった。
が、すぐに我に返り険しい顔をして
何を言っているんだと、少し呆れたように
ウチを見てそう言う。
ガタッ…
『さっきの電話は水野からです。水野はこう言っていました。ーーー“今、この学校内に危ない男の人がいる。その人に追われているから助けを呼んでほしい”ってな。』
リンダが言っていた事を先公に伝えると
未だ信じられないのか
いい加減にしろの一点張り。
シーンと静まり返った教室内で
ウチと先公が無言で対峙しているとーー、
???「ーーー先生。」
と、一人の女子が静かに立ち上がる。
ふんわりと巻いている桜色の髪が肩にかかり
見た目はまるで上品なお嬢様のようなそいつは
クラスの学級委員を勤めている
優等生の相羽カノン。
こいつはウチらのグループの一員で、
とにかく面倒見が良く
強いていうならお姉さんタイプ。
ウチとエリアが喧嘩してる時とかは必ず
仲裁に入ってくるようなヤツだ。
カノン「先生はこの子が嘘をついているとでも言うんですか?」
落ち着いた様子でそう言うカノンに対し
俺は別に…と少々たじろいでいる先公。
図星をつかれたのかウチの顔をチラチラと見ている。
カノン「ーーーどうするんですか?この話が本当の話だったらーーー。後3分くらいで授業が終わります。この話を知らない他の皆さんはどうなるんでしょうか?」
そう、普段見たこともねぇ本気な顔をしているカノンを見た他の生徒達は嘘じゃないんじゃ…と次第にざわつき始める。
こいつが一緒のクラスでよかった、
ウチだけじゃこんな早く信じてもらえなかったかもしんねぇ。
流石に先公も何か感じたのか、
半信半疑ではあるようだが
何かあってからでは遅いと教室にある受話器に手を伸ばしたーーーーー。
ゴミをちりとりで取り終えた私は
このくらいでいいかと、エリアに声をかける為
少し離れた彼女の方を見たーーーーー。
その時、
『ーーーー?』
かがんでゴミを集めているエリアの後方ーー、
白のニット帽を被った金髪の男の人が
教室の曲がり角からうつ向いた状態で
のっそりと出てくる。
……何かーー、嫌な予感がする……。
その男を見た瞬間とっさにそう感じ
私は彼女に静かにこう言うーーーーー。
『エリア、こっちに来て。』
私の顔を見ると彼女は異変を感じ取ったのか
気の抜けた顔を引き締めた。
手に持っていたホウキを
地に静かに置き立ち上がる。
そして、まるでその男に気付いてないかのように背を向け歩いていく私に一歩一歩近づいてくる。
私は歩きながら後方へふらふらと掌をちらつかせたーーー。
後どのくらいで男が追い付くのか分からないこの状況に全身に冷や汗が出る。
目を瞑ると、後ろからエリアの足音が
微かに感じられるーーーーーあともう少しだ。
さらにその奥ーーー、
気配はほんの少しだけ分かるがそこまで正確には感じ取れない。
(お願い……エリアーーー。早くーーーーー。)
ギュッ…
『ーーーーーーーーっ!!』
ーーーーーー今だ!!!!
ダッッ!!!!!!!
私は左手に温もりを感じた瞬間、それを強く握り締めおもいっきり引き寄せ走り出した。
その瞬間エリアのすぐ後ろでビュッ!!と、何かからぶったような変な音が聞こえた。
何の音ーー?だが、一つだけ確信した。
男は何か武器を所持しているということーー。
しかも音からしてそれはバットとか
そんな棒じみた物ではなく恐らくーーー、
ナイフ的なものだ。
エリアの手を強く引っ張り私は息を切らしながらひたすら廊下を走り、ある場所を目指すーーー。
それは私達が休み時間によく利用している
この学校の最上階、屋上だ。
いつもは閉じられているが
私は針金で合鍵を作っている。
三階分の階段を猛ダッシュで駆け上がり
急いでポケットからそれを取り出しすかさず鍵を開け、ギィィ…と無事屋上へ入ることが出来た。
男はーーー、
まだここには追い付いていないようだ。
ガチャン。と、こちらから鍵をかけ直し
ひとまず私達は息を大きく吐き出したーーー。
『ふぅーーーー、……ビックリした……』
エリア「はぁはぁ…何なんだよ~…もう…」
本当に突然過ぎて驚いている。
そして今さらになって
大変な事が起きていると再確認した。あそこで私が少しでも早く気付いてよかったと思う。
そうじゃなかったら今頃エリアも…私も……
そう思うと体がゾッとしたーーー。
エリア「でもよかったぁ。リンダが合図送ってくれて」
先ほどまで切羽詰まってた顔から
一気に明るい表情に変わりそう言う。
ーーーー合図。
それはずっと前に私達が決めた、
危険な時に使用する合図。
一度、遊びに出掛けている時に
危険な場面に偶然遭遇したことがあり
何か私達だけにしか分からないような合図があればとそれで決めたのだ。
主に私しか使ったことがないのだが、
真剣な顔、声で一言言葉を言うだけという簡単なもの。
今までは“逃げて“くらいしか使ったことがないのに今回は初めて”こっちに来て”という言葉で
エリアもよく気付いてくれたものだ。
私は胸ポケットに入れていた携帯を取り出し
ある人物に電話をかけるため、画面をタップしたーーー。
マロン「「どーした?」」
『あ、マロン?ちょっと頼み聞いてくれる?』
*****
ドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!
『「ーーーーーーーーっ!!」』
たった今マロンに状況を伝えた直後、
ものすごい勢いで屋上の扉が叩かれ始めた。
ずっと鳴り響くその音に
次第と恐怖が込み上げてきたが
ここで私が怖がってしまっては
エリアが余計不安がるだろう。
すでに彼女の顔は青くなり本気で怯えている。
ここの扉はボロくなってはいるが
ちょっとやそっとでは壊れないだろう。
だからここにいれば大丈夫だーーーーー。
**********
先生「こら!!佐々木お前授業中に何電話してるんだ!!」
ーーそう大声で怒鳴っているのは数学の先公。
ズカズカとウチのところに来ては
携帯を取り上げる。
だが今、そんなこといちいち考えてられない
早くこの事を伝えなきゃなんねんだーーー。
『先生、今すぐ警察呼んでください。』
そう言うと先公は
時が止まったかのように一瞬固まった。
が、すぐに我に返り険しい顔をして
何を言っているんだと、少し呆れたように
ウチを見てそう言う。
ガタッ…
『さっきの電話は水野からです。水野はこう言っていました。ーーー“今、この学校内に危ない男の人がいる。その人に追われているから助けを呼んでほしい”ってな。』
リンダが言っていた事を先公に伝えると
未だ信じられないのか
いい加減にしろの一点張り。
シーンと静まり返った教室内で
ウチと先公が無言で対峙しているとーー、
???「ーーー先生。」
と、一人の女子が静かに立ち上がる。
ふんわりと巻いている桜色の髪が肩にかかり
見た目はまるで上品なお嬢様のようなそいつは
クラスの学級委員を勤めている
優等生の相羽カノン。
こいつはウチらのグループの一員で、
とにかく面倒見が良く
強いていうならお姉さんタイプ。
ウチとエリアが喧嘩してる時とかは必ず
仲裁に入ってくるようなヤツだ。
カノン「先生はこの子が嘘をついているとでも言うんですか?」
落ち着いた様子でそう言うカノンに対し
俺は別に…と少々たじろいでいる先公。
図星をつかれたのかウチの顔をチラチラと見ている。
カノン「ーーーどうするんですか?この話が本当の話だったらーーー。後3分くらいで授業が終わります。この話を知らない他の皆さんはどうなるんでしょうか?」
そう、普段見たこともねぇ本気な顔をしているカノンを見た他の生徒達は嘘じゃないんじゃ…と次第にざわつき始める。
こいつが一緒のクラスでよかった、
ウチだけじゃこんな早く信じてもらえなかったかもしんねぇ。
流石に先公も何か感じたのか、
半信半疑ではあるようだが
何かあってからでは遅いと教室にある受話器に手を伸ばしたーーーーー。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
DuaLoot(デュアルート)
佐倉翔斗
ファンタジー
本作のジャンルは「科学が少し発達していて、魔法・魔獣・異種族が存在するファンタジー小説」です。
初心者なので表現が変になることがありますが、温かい目で見てください!!
物語の舞台は世界地図に載らない島国地方「フルムータ地方」。
この地方の地形は巨大な山脈で区切られ、中央と東西南北で異なる環境が作り上げられている。
海を渡れば南東には1つの大きな島、北東には計6つの小島で成された諸島がある。
主人公は、銀髪の少女「ステラーヌ・ルナ」と、黒髪の半人半獣の青年「月影 終夜」。
この2人の出会いが、世界を揺るがすものとなる・・・
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる