医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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165話 莉子と仲間たち

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 莉子が退院する前に、バッグに入れるためのGPSタグを1個と、あとは高齢者が使うようなGPS機能が付いていて、SOSボタンがあるリストバンドタイプの物を注文した。莉子にピッタリだ。もちろん莉子と俺の携帯にもGPSを契約した。

今回の事件はすべて俺の責任だと思っている。俺が莉子のGPSを持たせなかったせいで、多くの人に迷惑をかけてしまった。すごく反省している。特に夏君にはすまなかったと思っている。

罪滅ぼしと莉子の元気になった顔を見てもらおうと思って、守る会の連絡メールで、お礼のパーティをすると伝えた。あとは、絵画部の部長の山本聡君にもメールをした。

あと、捜索のお礼に絵画部室や、テニス部の部室にも麦茶やスポーツドリンクをいっぱい届けた。

「莉子を捜してくださって本当にありがとうございました。お陰様で莉子が退院できたので、皆さん、お時間がありましたら、どうぞ会いに来てください。自宅で小さなパーティーをします。どなたでもいらしていただいて結構です。食べるものはいっぱい用意しますのでお待ちしています」と皆さんにメールを送った。

 日時は今度の土曜日の12時からだ。絵画部にも連絡をしてもらった。大勢でもかまわない。座るところはどっかあるだろう。床でもいいよ。

詩音ちゃんと夏君には早めに来てもらって、手伝ってもらうことにした。
お寿司もピザを注文したし、オードブルも頼んだ。デザートやフルーツもあるよ。

俺はシーフードサラダや、ディップサラダ。カナッペ、おにぎりを用意した。ちょっとした学園祭の再現だね。莉子はとっても楽しそうに詩音ちゃんと用意をしていた。疲れないと良いけどね。

夏君もなかなか料理が上手だ。てきぱきと進めてくれたよ。感心だ。本当に頼りになるよ。

そういうわけで、時間になったら、来た来た!いっぱい来たね。みんなが揃って来たよ。玄関の靴が置ききれなくなったから新聞紙を廊下に広げて置いてもらった。壮観だ。

「莉子、うれしいね!」と俺が言ったら、「うん、うれしいよ」と言ってはにかみながらも喜んでいた。

結局、守る会が7人と、絵画部が3人と、テニス部が8人来たよ。全部で総勢18人だ。俺と莉子を合わせると20人分は必要だね。ふふふ、楽しくなりそうだ。

料理はもう広げてある。テーブルにはドリンク類とお皿とコップ、デザートやフルーツもいっぱい並べてビュッフェのようにした。
もちろん、それだけでは足りないから、Wベッドに板を乗せて、全体にベッドが隠れるようにクロスをかぶせてそこにも料理をいっぱい乗せた。

ベッドのマットレスは外して、別の場所においてカバーをかけ、クッションを置いて、そこにも座ってもらえるようにした。掛け布団はぐるぐる巻きの細長いロールにして、カバーを掛けて背当てクッションにした。

もう残らず総動員だよ。テーブルが足りないから、各自トレーを持参してもらったんだ。これはナイスアイデアだったよ。これなら床おきが出来るからね。

さあ、みんなが揃ったところで乾杯しましょう。莉子、皆さんにお礼のご挨拶をしようね。

莉子が、「皆さん、私の為に探してくれて本当にありがとうございました。こんなにたくさんの人が動いてくれたことは忘れません。お陰様でこんなに元気になりました。感謝します」と頭を下げると、みんながパチパチと拍手をした。
じゃあ、俺からも皆さんにお礼を伝えたいです。本当にお世話になりました。こんなに皆さんで協力して莉子を捜してくださったことは絶対に忘れません。心から感謝とお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。と二人で頭を下げると、わーとみんながまた拍手をしてくれた。
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